SKY NOTE

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オタクとジョブスの違い

2011年10月5日に彼が亡くなってから4年が経つ、彼がいないとハイテク業界はとても退屈だ。そこで、ジョブスと単なるオタクに毛が生えている程度の連中の何が違うのか書いてみたい。

1.テクノロジーを文化や習慣にまで昇華したジョブス

  • ジョブスの仕事として、現在のコンピューターに使われているグラフィカルユーザーインターフェースやタッチパネルで操作するスマートフォンなどがある。グラフィカルユーザーインターフェースXEROXのAltoのパクリだとか、iPhone以前にもタッチパネルはあったという話は、いかにもオタクの発想である。それらは技術の延長線上の発想でしかない。重要なのは、その技術を文化や習慣にまで昇華した事にある。XEROXは研究所止まりだったし、タッチパネルは他の企業が同じような事をやっても成功しなかった。というのは使いにくかったからだ。使いやすさは細部に宿る。そこを徹底的に突き詰め、スクロールひとつですらも、ディズニーのアニメーションの様に滑らかに表現する事にこだわる事が結果として、技術を文化や習慣にまで高めたのである。その細部へのこだわりが、直感的な操作をうみ、誰もが簡単に理解できる操作性を生み出し、それらが人々の習慣になっている。昨日も自転車で走っていたのだが、歩きスマートフォンをしている人を見かける。非常に邪魔だが、ジョブスがいなかったら、そういう人もいなかったかもしれない。とにかく人を夢中にしてしまう。それは細部へのこだわりから生まれている。そして、それは習慣や文化になる。

2.世界観のあるジョブス、技術の延長線上でしかないオタク

  • ジョブスの偉業の足跡を眺めてみる。
  • 「全ての人にコンピューターを」 世界初の本格的なPersonal Computer「Apple I」
  • 「誰もが使えるコンピューター」 Graphical User Interface「Mac
  • 「手の平に音楽ライブラリ」   ポータブル音楽プレーヤー「iPod
  • 「音楽をオンラインで買う」   オンライン音楽販売「iTunes
  • 「タッチ操作の電話」      ボタンが1個しかない「iPhone
  • これらを見ると、明瞭な世界観があることが分かる。まず、コンピューターの黎明期は、コンピューターは大企業が使うもので個人が使うものではなかった。それを個人が使えるようにした。しかし、操作はコマンドをタイプしなければならず、全ての人が使えるの代物ではなかった。そこでマウスと絵で操作できるグラフィカルユーザーインターフェースMacが登場した。自分は、このMacの世界観に高校時代に感動した。これがあれば、コンピューターの力で世界が変わると思ったものだ。そして、手のひらに音楽ライブラリがのるというのは、当時は音楽を聴くといえば、MDやCDなどメディアに曲を入れて持ち歩くものだったが、音楽ライブラリそのものを持ち歩けるようにし、それをホイール操作で簡単に選べるようにした。これにより、いつでも好きな曲が聴けるようになった。そして、その曲をオンラインで1ドルで買えるようにしたiTunes、そして、タッチパネルで様々な機能を簡単なGUI操作で使う事の出来る電話、iPhone、これらのものに共通するのは、それを使うと世界観が変わるというものなのだ。ジョブスとオタクの違いは、この世界観にある。いってみれば世界観という答えが最初にあって、それを実現する為に式を書くのがジョブス、技術という式があって、それで出来そうな答えを考えるのがオタク、世界観が明瞭にあるジョブスの方がずっとインパクトがあるのだ。その世界観が人をワクワクさせる。オタクの技術の延長線上の発想とジョブスの世界観とでは、そこが絶対的に違う。スケール感もイメージのインパクトも、まるで違うのだ。オタクのアイディアは、そこが退屈なのである。