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世界初の汎用ナトリウム電池が発表

フランスの国立科学研究センター、RS2E networkの共同研究グループが、汎用のナトリウムイオン電池のプロトタイプを発表した。直径1.8センチメートル×長さ6.5センチメートルの円柱「18650」サイズのナトリウムイオン電池の開発に成功との事。

 世界初の汎用ナトリウムイオン二次電池が登場、リチウム電池の代替なるか
 http://gigazine.net/news/20151208-first-na-ion-battery/
 

開発されたナトリウムイオン電池の性能
 容量  :90Wh/kg(リチウムイオン電池:100〜243Wh/kg)
 電圧  :0.3v(リチウムイオン電池:3.6v)
 充放電数:2000回(リチウムイオン電池:1000回)
 サイズ :18650規格 円柱(直径1.8cm×6.5cm)
 比重  :0.97(リチウム:0.53)

ナトリウムイオン電池のメリットは、コストにある。希少で高価なリチウムと違って、ナトリウムは海水から大量にとれるので安い。空気に触れると爆発するリチウムと違い、ナトリウムは水で爆発する。(水と化合すると水素と水酸化ナトリウムとなり、水素が空気中の酸素と混じり、ナトリウムが水と反応した時の熱で発火し爆発する)使用用途は、大量に安く作れるので、自然エネルギーの蓄電設備として有望。開発品は、電圧が低く容量もリチウムイオン電池の半分程度だが、将来的に電圧が上がり、容量がアップすれば、用途が広がるし、材料がリチウムと違って低コストで豊富にあるので有望である。電池が低コストで沢山あれば、自然エネルギーのムラが吸収され、人類は必要なエネルギーを太陽エネルギーだけで供給可能になる。それは資源の偏在性に困る事のない世界を意味する。特に日本のように資源のない国には朗報だ。低コストなナトリウムイオン電池やペロブスカイト太陽電池の実用化すれば、安くて安定したエネルギーが手に入る事だろう。

 Wikipedia:ナトリウムイオン電池

問題は容量だが、ナトリウムイオン電池は負極にハードカーボンや黒鉛、チタン酸化物を使うという事だが、EETimesに高性能なカーボンが紹介されていた。電池の容量は表面積が大きいほど、電子を沢山閉じこめられて大容量になる。

 大比表面積・高結晶性炭素材料、東北大らが開発 (1/2) 2015.12.7
 http://eetimes.jp/ee/articles/1512/04/news120.html
 

このカーボンは従来材料に比べて、大きな比表面積と接点抵抗の低減を同時に達成できるとの事、カーボンにしては、比較的低温(800度程度)で作る事が出来、大量生産が可能との事。もしかしたら、こういう材料を使えば、ナトリウムイオン電池の容量が殖えるかもしれない。実用化すれば、今より、もっと安い電池が手に入る。アルミニウムイオン電池と同様に期待される電池だ。