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カナダ総選挙で自由党が勝利、TPPはどうなるか

2015年10月19日、カナダの総選挙でハーパー政権が倒れ、自由党が圧勝し、10年ぶりに政権交代を果たした。(338議席中184議席獲得 過半数169議席を越える)

 
 写真:AFP
 カナダ総選挙、10年ぶり政権交代
 http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2616494.html

TPPについて、オバマ大統領との電話会談において自由党党首、トルドー氏は以下のように述べている。

  • 自由貿易を支持するとしながらも今のハーパー政権が行ってきた交渉が透明性を欠いているとして、内容を詳しく検討する考えを示した。

 米大統領 カナダ次期首相にTPP協力求める 2015.10.21
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151021/k10010277201000.html

この返答を聞く限りにおいて、トルドー氏は、自由貿易は支持するが、TPPについては透明性に懸念を持っており、内容を精査して後、検討すると述べている。どこにもTPPを支持するとは言っていない。

TPPは、加盟国全てが批准しない限り、締結されないのでカナダの次期首相の方針が日本にとっても重要になって来る。そこで、そのキーを握るトルドー党首とは、どんな人物なのか、本人の言動から考えてみる。

 NHK:カナダ次期首相 対IS空爆離脱の意向伝える
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151021/k10010277571000.html
 AFP:カナダ、対IS空爆作戦から撤退へ 次期首相、米大統領に通達
 http://www.afpbb.com/articles/-/3063721?cx_part=txt_topics

トルドー党首とオバマ大統領との電話会談では、軍事問題も語られた。その言動からトルドー氏の考え方を推察してみる。

  • 「戦闘任務を終了すると私たちが選挙で約束したことについて、オバマ大統領は理解を示している」

どうやら、国民との約束を、いの一番にオバマ大統領に宣言するところは、公約を守ろうとする姿勢が垣間見えて、誠実な人物のようだ。その上でさらに…

  • トルドー党首は、ISに対抗する勢力への訓練などを念頭に、アメリカが主導する有志連合に協力を続ける考えも伝えた

このことから、トルドー氏は、是々非々のタイプの考え方だと思われる。要するに軍事作戦のような行動はカナダとしては良くないので協力しないが、ISに対抗する勢力への訓練は正しいと思うので協力する。つまり、自分達にとって、いい事は協力するけれども、悪い事は協力しないという姿勢が分かる。こういう是々非々の人が重要視するのは、その正否を吟味する為の情報であり、TPPにおいても、その情報がないのでオバマ大統領に対して、態度を保留している。ここでもう一つ分かる事がある。それは大国アメリカに対しても盲従するわけではなく、是々非々を貫いている点だ。つまり、そういう人が、TPPの内容を見たとき、どう判断するか、あまりにもカナダとって酷い内容であれば、TPPにNOと言う可能性がある。良い内容であればYESという可能性もある。

言動から察するにアメリカに対しては、礼節を保ちつつも、自分の意見をハッキリ言っている点、自国にとっていい事と悪い事をより分けて、主張している点から見て、印象としては理知的で、それなりに肝が座っている人に思える。

カナダは北米自由貿易協定のISD条項による裁判で痛い目にあっているので、その点もトルドー氏は注視するだろう。総合的に見ると、トルドー氏は、現在は明言を避けているが、TPPの交渉内容が反対派の想定している通りの酷い内容であった場合、トルドー氏はTPPについてNOと言う可能性がある。現在は、賛成とも反対とも言っていない。なぜなら、TPPは秘密交渉であるため、正否を判断する情報がないからだ。彼が判断するのは情報が提供された後となる。そして、恐らくカナダはTPPにNOと言い、最終的にTPP交渉は破綻すると自分は推測する。

これは自分の願望かもしれないが、TPPが米韓FTAと同種のものであるのならば、国内産業に対するアメリカの内政干渉が酷くなる事が想定され、そのことが条文から読み取れるような内容であれば、トルドー次期カナダ大統領は、TPPにNOという可能性は高いと考える。そして、TPPは合意できなくなり漂流すると自分は推測する。

 西日本新聞:米韓FTA発効1年の韓国
 <上>エコカー減税、給食の地産地消 米の要求で延期・変更
 http://www.nishinippon.co.jp/feature/life_topics/article/18302