SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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完成しないアイディア、NeXT風な自分のアイディア

テレビショッピングでX-Bandという製品が流れていた。ベルトに伸縮性のある袋が内蔵されている製品で、ウェストポーチのベルト版という製品だった。しかし、デザインが黒でカッコ悪かったので、着想はいいんだけど、これはダメだなと思った時、ハッとした。

自分のアイディアもそうではないかと思った。着想はいい、しかし、ある程度完成し始めると、人に見せる。しかし、評価が芳しくない、すると、また失敗か…と諦めてしまうんだが…結局プロトタイプを見せている。完成はしていない。X-Bandも着想はいいんだけど、色やデザインをスマートにしないと身につけたいと思わない。

自分のアイディアも完成していない事が多い、大抵、70%できたし、一応機能するからという理由で他人に見せる。するとダメ。よくよく考えるとジョブスのNeXTだって、あれも失敗作だった。NeXTは、現在のMacOS Xの母体となったOSである。ある面でとてもスマートなOSだった。しかしながら、高度でエレガントな部分と、そうでない部分の落差が大きいOSだった。しかし、それらはMacOS Xという形で生き残っている。基本アーキテクチャが1988年にできていて、要するに27年前のものが、バージョンアップして、現在のMacOS 10.10になってる。

コンピューター業界で同じアーキテクチャで27年間、存在し続けてられるってのが凄い。つまり、着想は先進的でよかったわけだ。でも、NeXTそのものは売れなかった。MacOS Xという安くて完成したOSになったことで、やっと普及した。その間、Windowsは何度アーキテクチャを変更したかしれない。

自分の作ったもので、大抵は完成しないで途中で出来たものを見せて、ダメだったからという理由で、開発をやめてしまう。しかし、他人に自分が提供したアイディアで他人が成功するのを見ると、アイディアそのものは悪くない、恐らくセンスはいい、しかし、完成していない。

X-Bandを見ていると、その完成度の低い状態を見て、ダメだと思ってしまう感じが自分のアイディアではないだろうか、X-Bandの場合、身に付けるものなので、デザインがクールじゃないと駄目だし、夏場、女性が着る服はシロ系が多い、そうなると、黒は目立ちすぎる。もっと主張しない色にしないと着用しづらいと思った瞬間、自分のアイディアも、そういう拒絶要素が未完成部分にあるのではないかと思った。

そう考えると、思い当たる部分はある。「あそこ」と「ここ」も直さないとダメだな、でも、そこ治すの大変だったり面倒なのでヤラなかったりしている部分、そこがダメであって、アイディアそのものは悪くないんじゃないかと思ったりもする。あのNeXTがダメったんだから、やっぱそこら辺がダメなんじゃないかと思うと納得できる。

「いいアイディア=いい製品」ではないのは分かっているつもりなんだが、完成させる為のつまらない作業を、誰にも評価されない中でやるのは、無意味に思えてしまって、途中でやめちゃうんだが、それが要するに私が成功しない理由かもしれない。つまり、私はアイディアを子供のままにして、大人にしないから、評価されない。何が評価されていないのかと考えると、まず、他人はアイディアが理解できない事が多い。なぜ理解できないのかというと、問題の存在が把握できていないから、例えば、iPodが発売した時、誰も、それが価値のあるアイディアだとは思わなかった。ただの音楽プレーヤーとしか思わなかった。だが、実際に使ってみると、手のひらに音楽ライブラリがそのまま乗る便利さを体験した時、今までのやり方がいかに不便なものであったかを知るわけだ。

でも、iPod以前にも、そう言うメモリプレーヤーはあった。だが、そのどれもがiPod並に完成度がないものばかりだった。あるものは、記憶容量が足りず、あるものは曲の追加に伴う著作権処理に手間がかかる。あるものは記憶容量は十分だが曲の検索が十分に出来ない。そういう未完成な製品の山の中、iPodは、それらを解消した完成形として登場した。そして、販売されても暫くの間は、高価な音楽プレーヤーとしてバカにされ続けた。しかし、それを使い始めて、その便利さに気づいた人達が増えていく過程で、高価な音楽プレーヤーではなく、素晴らしい音楽プレーヤーとして評価されるようになった。そう言う素直な評価は女性から始まるようだ。

だから、女性に評価されると、そのアイディアは本物だと思う。男はなまじ技術を知っている分、大したことないとか、考えてしまう。しかし、重要なのは技術的に先進的なことではなく、それがいかに便利に使えるかどうかが重要なのだ。そういう点で女性は素直な評価をする。そして、それは万人に適用できる要素なのだ。つまり、万人にとって便利、つまりヒットする要素なのである。でも女性に評価されるためにはデザインは良くないと駄目だし、不便な所が一つでもあってはいけないのだ。そうだとすると、評価されていないのは、アイディアではなく、作りかけである事が問題なのかもと思う。そう考えるとアラは幾つもある。それを補正して便利に使えるものに出来た時、自分は成功しているのかもしれない。そう思った。