SKY NOTE

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中国バブル崩壊の可能性について

上海株価指数が7月8日、前日(7月7日)終値から一時、8%下落、終値ベースでは5.9%下落した。個々のところの中国の投機熱の過剰さから、リーマンショックの再来とも想定される中国株価について考えてみる。

 2015.7.8
 上海株、下落に歯止めかからず なりふり構わぬ中国政府の底支えも「不発」
 http://www.sankeibiz.jp/macro/news/150708/mcb1507082352036-n1.htm

 WSJ:急落する中国株式市場、奇妙な5つの特徴
 http://jp.wsj.com/articles/SB11807971170009143901604581095613780572684

8日の下落から一転して、株価は持ち直した。当局の大手国有企業の株の購入や上場銘柄の約半数にあたる1400銘柄が取り引き停止という対応との事。多分、下がっている株は取引停止で、それ以上、下がらないようにし、反面、国有企業の株の買い入れで、株価を吊り上げる。ちなみに中国の株の取引停止は、数日から数年間続く可能性があるという。この周到な対応から見て、以前から当局は、これらの危機を想定して、対応シナリオを考えておいたものと見られる。

 上海総合指数 7月6日〜7月10日
 http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=000001.SS&ct=w
 
 リアルタイムチャート
 http://nikkei225jp.com/china/

その結果、どういう相場展開になっているかというと…

WSJ記事引用

  • 上海総合指数が最近の高値から約30%下落しているにもかかわらず、銀行株は高値圏で推移している。中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)の時価総額は過去2週間に29%増加し、現在はグーグルの時価総額に迫っている。

そして、当局の対応は
・CSRC(中国の証券取引委員会)は新規株式公開(IPO)を中止
 ・株式を買い支えるため資金を用意

    • なんと証券取引を監督する機関が株価を自ら調整するという豪腕さ

・CSRCの肖鋼主席は最近「市場の安定を守る能力と自信」があると発言

取引停止などの処置は、アジア通貨危機でのマレーシアの対応を参考にしたものとみられる。これは、危機的状況の中では、妥当かもしれないと自分は思う。なぜかというと、恐慌になる一歩手前で踏みとどまる必要があるためだ。実際アジア通貨危機の時、ダメージを最小にとどめたのはマレーシアだった。中国も、それに習って対応している点、市場に安心感をもたらすために監督責任者自らが発言するなど、やるべき事をやっていると思う。現在の中国相場は、血圧低下した相場に、当局が輸血(介入)+増圧剤(取引停止)を打って相場をコントロールしている感じ。これば欧米の自由にやる方法だと、一気に相場が下落、そこにどこからともなく、現金を持った投資家が現れて安くなった株を買い漁って、株価上昇時に巨万の富を築くというパターンがあるが、中国当局は、そういう連中の言いなりになっていないことは、良いことかもしれない。

今後、当局としては、実態から遊離した株価上昇には歯止めをかけつつ、下落時には今回のような対応でストップをかけて恐慌にしない。その半面、実体経済の成長を促すため、AIIBのようなインフラ投資資金を世界中からかき集め、自国の通貨発行を最小に抑えて元の価値を安定させつつ、国内のインフラ投資(高速道路、鉄道建設、再生可能エネルギー)を勧め、沿岸部の経済発展を内陸部まで広げ、内需拡大による経済発展を目指すものとみられる。これは間違っていないと自分は思う。日本の経済対応と決定的に違うのは、主体的に経済運営をしているところだ。日本の場合、アメリカとか、そういうところの言いなりになって受動的に経済運営をしている部分が、そこかしこに見える。日本は明らかに自国に損なことをやっている。日本の官僚もバカではないはずなので間違っていることは分かっているはずなのに、そういう事をするのは、外部の圧力が加わっているとしか思えない。主権国家としてまだこの国は自立出来ていないと感じる。それが経済運営に響いていると、今回の中国当局の主体的な対応を見て思った。

バブル崩壊の可能性は、今回の当局の対応が効力を発揮する限りにおいて、少なくなったと見える。しかし、こういうのが何度も起こるようだとさすがに崩壊の可能性を考えなくてはならない。