SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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日本人は民度が低いというよりも絶望が深いんだと思う

なぜ、安倍政権のようなダメな政権が生まれてしまったのか総括する時、日本人は民度が低いという話が出てくるが、自分は、そうではないと思っている。もし民度が低いのならば、脱原発のデモに20万人も集まらない。集まったのは、変えられるかもしれないと希望を持ったからだ。

2012年6月29日 官邸前デモ(20万人)

失敗した理由は、この20万人デモの後の交渉において、何ら成果を上げられなかったことにあると思う。交渉にまで持ち込むのは良かった。だが、そこから果実を得る事はできなかったことが絶望に至った理由。

問題は、交渉を映像で公開しなかったことだと考える。民主的なデモで交渉権を勝ち取ったのだから、やはり、衆目の集まる中で交渉するべきだった。また、言い逃れが出来ないように、きちんとした交渉術もなければいけなかった。それを政権側の要望を安易に聞いてしまい、その結果、逃げられて失敗した。

ある意味、反原発連合のそういう体制に対する毅然とした姿勢のなさが、人々の失望を買ったのは、言うまでもない。妥協してはならない所で妥協した。また、そういう妥協をしなくてもいいように、広報活動を徹底して市民を自分たちの側につけておく必要があったのに、それを外部の報道機関に任せて、YouTubeのようなインフラを自分たちで活用しなかった事は失敗だったと思われる。

また、彼らはワン・イシューにこだわり、様々な勢力を糾合して、一大勢力を作り、政権側に圧力を加えるということもしなかったため、その後の運動の展望が開けなかったという点も問題だったと思う。更に市民活動の規模を拡大し、圧力を高めるというモデルが築ければ、最初の交渉の失敗を拭える可能性があったのに、頑なに一つの路線にこだわり、運動を尻すぼみにさせてしまった。

私は、彼等が失敗する過程をつぶさに見ていて、思ったのは、まず、大きく社会を変えるためには、それなりに大きな運動体が必要で、そのためには、皆を集めるために自前の情報インフラを持たなければならず、そして、同時に、交渉権を勝ち取ったならば、それを確実にものにするために、政権側にスキを与えないこと。この点において反原連はスキだらけだったといえる。また、市民の声を受け止める受け皿として、ある程度、沢山の人々をまとめるために、度量の大きな器としての機能も求められ、それをワン・イシューなどという狭量な姿勢で対応するべきではなかった。

また、その後の御用メディアの情報を論破できなかったことも問題だった。これは彼等が独自のメディアを形成していなかったことと、それを理論的に論破する為に、ブレーン集団を確立できなかったことにあると思われる。

またイメージについて問題だった。名前が反原発連合と、昔風の名前で時代性が伴っておらず、あまり、かっこいい名前ではなかった。イメージのロゴなども皆を集めるのにはデザイン的にダメだったと感じる。

このように失敗の内容を総括して、私が提案するのは、まず、自前の情報インフラの確立し、外部のメディアに依存せず情報発信をすること、また、そういったインフラを活用し、建設的な代替案を提示し皆を納得させる為に、ブレーン集団の確立、そのブレーンたちの意見を元に分かりやすい解説ビデオによる現行政権の問題点と自分たちの主張の正当性の誇示などが必要だと考えられる。単に反対と叫ぶだけでは継続しない、理屈や理論が伴ってこそ、継続性がそこに生まれる。それをわかりやすさでパッケージし、独自のメディアで発信し、デモなどに人を集める。その様子を自分たちのメディアをつかって配信し、発言力を高める。そういう意味ではプロデューサー的な役割の人がいなかったから失敗したといえる。学生たちは、それらの問題点を分析しつつ、改善した運動を展開している。であるので、おっさんたちの運動は失敗したけど、若者たちの運動は成功する可能性があると思う。

失敗を繰り返せば、絶望をして離れていくのは当たり前で、その失敗には必ず理由があり、それを総括し、改善していけばいい。そうすることで希望が生まれ、変化が生まれる。大事なのはその変化である。過去の事実は過去であって、それが未来永劫続くわけではないのだ。