SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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Appleの裸眼3Dディスプレイの特許出願から予測してみる。

Appleが裸眼3Dディスプレイの特許を出願している。出願資料を見ると、ディスプレイの見える角度を画素毎に可変できるようだ。

 Appleが裸眼3DディスプレイとモバイルWi-Fiルーターに関する特許を出願
 http://gigazine.net/news/20150522-apple-eye-tracking-3d-display/
 

裸眼で2Dと3Dが切り替えられるとあるので、映像を全く屈折しない状態にも可変できるようだ。特許の説明図を見ると、視線がクロスしている事から屈折角が深いほどいいような様子。目の位置を追尾して、屈折角を調整し、右目に映る映像と左目に映る映像を別々に表示するようなので、恐らく時分割表示とみられる。例えば、60Hzのフルフレームの3D動画を表示するのならば、120Hzで表示し、交互に右目用と左目用の映像を屈折角を可変させて表示する。この方法だと、解像度が犠牲にならないが明るさが半分になる。また、目の位置と距離を正確に測定しないといけないので、通常のカメラの他に奥行きセンサも必要になる。おそらく、Appleが買収したLinX社のセンサが使われるだろう。

 AppleのLinX社の買収について(左:センサ本体、右:奥行き情報)
 http://d.hatena.ne.jp/skymouse/20150422/1429681383
 

そして、それが120Hzで追尾し反応しなければいけないと考えられるので、低消費電力で高速なGPUが必要となる。つまり、HBMなどの高速メモリを使用したGPUが必要とみられる。これを4Kクラスで表示せねばならないので、ケーブル規格はDisplayport 1.3以上でなければならない。よって2016年から2017年以降のiMacなどの製品に投入されると見る。

LinX社のセンサやこの特許を組み合わせると、どういう3D映像が見られるかというと、完全な3D映像が見られる状態になるのではないかと思う。それは、Amazonのダイナミックパースペクティブのように見る位置によって立体像が可変するリアルな3D映像が視差を伴って表示されるだろう。

 Amazon:ダイナミックパースペクティブ
 

しかもLinX社のカメラは、一眼レフカメラ並みにダイナミックレンジが広いので、非常にハイコントラストな立体映像になり、まるでそこに人が実際にいるかのような錯覚をもたらす奇妙な立体感覚を体験することになると予測する。

  • LinX社のカメラのダイナミックレンジ(目の立体感が違うのがわかる)

これがiChatなどに統合されて、テレビ電話となる可能性がある。そして、この3D撮影技術を使ったiPhoneが発売され、一気に立体カメラが普及する可能性がある。

Appleが狙っているのは、従来の視差情報のみの3D映像ではなくて、奥行き情報を含めた、かなり強力な立体映像技術とみられる。そして、その技術はAppleが作っていると言われる自動運転機能を持った電気自動車にも採用されるだろう。恐らくPanasonicが、それに絡んでいると見る。そして、完全な立体映像によって8Kが一気に時代遅れになってしまうだろう。なぜなら、自分はNHK技研で8K画像を見たが、4K以上になると視力が悪いと、差がわからなくなる。4Kでコントラストがある映像のほうが8Kの映像よりも立体感があると感じるくらい差が少ない。それに対して、見る位置によって、変わる完全な3D映像は昔、開発中のものを見たが、なかなか奇妙な映像である。当時は3D Graphicsだったので、映像だと分かっているんだけど、そこにあるという奇妙な感覚に襲われたのを覚えている。8Kよりもずっとインパクトがある映像で、ディスプレイから正面方向に浮き上がって見える。例えて言うとバックトゥーザフューチャージョーズの3D看板である。見る位置によって見える角度が変わるので、そこにあるかの様に感じ、触ってみたくなるけど、実際には存在しないという奇妙な感覚が生じる。Appleが今回発表した特許と、買収した企業の技術を組み合わせれば、究極の3Dディスプレイとカメラが出来てしまうだろう。そう思うとワクワクするが、逆に日本のメーカーは大丈夫なのかと心配になる。Appleが技術をオープンにして他のメーカも3Dカメラやディスプレイが作れるようにしてくれるといいのだが…。