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Panasonic、次世代パワー半導体を2016年に量産へ

Panasonicが窒化ガリウムを利用した次世代パワー半導体を2016年に量産するという。

 パナソニック、次世代半導体を16年春量産 電力ロス半分
 http://www.nikkei.com/article/DGXLZO86914100X10C15A5TJC000/

パワー半導体とは、交流で流れてくる電気を直流に変換する半導体部品のことで、ほぼすべての電化製品にこのパーツが使われており、その変換効率が1%かわると、電化製品の全消費電力の1%が節約できるというものである。窒化ガリウム半導体で現在の最高効率98%程度なので、要するにPanasonicは変換効率98%のパワー半導体を量産するということなのだ

 ノーベル賞受賞者の天野氏が語る「LEDの可能性と照明の未来」
 http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/column/newtech/20150311_691993.html

現在のトランジスタ半導体の変換効率は95%だが、これが窒化ガリウムトランジスタになると現状で98%程度になるという話なのだ、古い電化製品のパワー半導体を含めれば、平均効率は90%程度であり、それが理論値99%まで高められれば、日本の消費電力の9%は、この窒化パワー半導体で節約できるということなのだ。そういった事を可能にする製品が2016年にPanasonicから量産されるということから、大ニュースなわけだ。将来的にこのタイプのパワー半導体が普及すれば、20年後の2035年ころには、日本の総電力の9%程度が削減できているということ。2016年は窒化ガリウムパワー半導体普及元年となるだろう。

また、それ以外にもパワー半導体の進歩を待っていた部品がある。それはインバーターだ。窒化ガリウム半導体が量産するとなればモーターのインバーターにも活用され、効率が改善される。

 汎用誘導機に置き換え可能なインバータ内蔵高性能SRモータの研究開発
 http://www.nedo.go.jp/content/100580951.pdf

上記のNEDOの資料によれば産業用のモーターの消費電力は3600億kWhであるが、この内、インバーター内蔵型のSRモーターで505億kWhが節電できるという。それを実現するためには、高効率のインバーターが必要で、削減量505億kWhといえば、日本の2013年の消費電力が9360億kWhなので、この種のモーターが普及することで5.4%に相当する電力を削減できることになる。NEDOの2014年の資料では普及率70%で2030年に、この505億kWh削減の目標を達成したいとのことだ。

つまり、窒化ガリウムパワー半導体の普及によって、電力変換による効率改善で9%、インバーターモーターで5.4%と14.4%の節電となるようだ。つまり、それだけの節電が可能な部品の普及が2016年から始まるということである。だから注目に値する。まぁ普及するまでに10年20年とかかるが、LEDの10%程度(920億kWh)の節電と合わせれば、今後20年以内に24.4%の節電が可能という話であり、非常に有望なのだ。政府はエコポイントのような補助金制度や無利子融資制度などで、工業用モーターの置き換えを促進し、電力削減を促進し、危険な原発の再稼働などはしないことだ。人口の減少が2030年までに9%程度見込まれているので、それと合わせれば、15年以内に原発分の節電は可能になってしまう計算になり、そう考えれば、燃料コスト3兆円割増であったとしても、15年間で約22.5兆円の損失であり、それは、通貨発行で対処できるはず、原発を再稼働するよりも、燃料を通貨発行で22.5兆円分購入して、原発を再稼働しない方が安全であり、また、それだけでなく、再生可能エネルギーに投資すれば、省エネと合わせて10年以内に原発分のエネルギーを自給できてしまう事になる。そう考えれば、燃料購入費は15兆円程度でしかない。そう考えると、原発に投資するよりも、省エネと再生可能エネルギーに投資した方が、安全であり、同時に内需も潤うので合理的なのだ。15兆円の燃料費と火力発電を10年間多めに動かせばいいだけだ。そうするだけで、今後、起こると言われている巨大地震に対する原発リスクが避けられるというのならば安いものだと思う。第一株屋に泡銭60兆円が払えるんだから、地震による核リスク対処に対して15兆円程度払っても、特に問題無いと思う。