SKY NOTE

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シャープの経営危機について 2015.3.5

シャープがまた、経営危機だという。インターネットの文章の記事を見ても、よくわからないので、決算書をダウンロードしてみた。すると、シャープの経営危機の根本は、高付加価値品が作れないことにあると自分は見る。では、決算書を見てみる。

この中で、注目するべきは、売上が2兆0904億円もあるのに、営業利益が513億円と非常に少ないことになる。営業利益率2.4%という低さである。この要因は、液晶事業の利益率の低さにあるとみる。

ユーザーから見て、シャープ製品が高く売れない理由は、成熟度の低い製品を販売する脇の甘さにあると思う。基本的にシャープは、良い製品を作れる技術力はあっても、新しいものを作ろうとするあまり、中途半端な仕様の製品を販売することがある。これが大枚をはたいて購入するユーザーにとっては痛いことなのだ。だから、シャープは最終製品では高く売れない事が多いが、OEMブランドの製品はよく売れたりする。それは、他社は、成熟した仕様を設定しているからだ。

また、高付加価値品として出す新しいものが、微妙に的が外れていることが多い、ただし液晶パーツはIGZOなど優れた技術があるので、シャープが潰れそうになったら買い取ろうとする企業はたくさんいるだろう。その際には恐らく、液晶部分と家電部門が分割されて、バラバラに買い取られるのではないかと見る。

自分としては、IGZOなどの良い独自技術を持っているシャープには存続して欲しいので、シャープの問題点を列挙しつつ、再建に必要な事は何なのか書いてみたいと思う。

シャープの弱さは、製品の販売価格がしっかりしないことにある。この点がPanasonicと対照的なのである。Panasonicは、どちらかというと、仕様をかっちり決めてくる会社で比較的成熟した製品を適価で売る事ができている。よって、経営の再建もしやすい。しかし、シャープは新しいものを作ろうとするあまり、仕様が勇み足となり、いい加減な製品を作ることがあり、製品が高く売れず利益率が低い。これが問題なのだ。また、その新しいものも微妙にユーザーのニーズを外すという問題点がある。

しかし、シャープにも救いはある。それは、Windows 10のHololensである。Hololensに搭載される小型ディスプレイは、目の近くで表示される上に、首の動きに追従しないといけないので、高速、高精細で高品位な表示が求められる。また、まったく新しい体験を提供するものなので、価格が高めであっても売れるだろうから、液晶部門の利益率を改善するためには、なんとしてもHololensのOEM生産の受注を奪取するか、Hololens対応製品をいち早く市場に投入することを宣言するべきである。今後、のびるであろう市場にいち早く参入することを宣言すれば、株価も持ち直すだろうし、また、そういった高付加価値市場が伸びれば、液晶部門の利益率も改善するはずである。(IGZOの持つ高速性と高い開口率が小さなディスプレイで高精細表示をしても暗くならない)

このようにシャープは、他社が追いつけない技術を持っているのだから、それに注力するべきである。特にHololensに搭載される赤外線センサは、シャープがCEATEC 2014で発表した1280×720の従来の3倍の解像度のセンサが使えるはずである。ヘッドマウントディスプレイ市場で、シャープはセンサと液晶で利益を獲得できる可能性がある。また、シャープには仕様を策定するために社内でプロデューサー的な存在を置くべきである。やはり、中途半端な仕様の策定は、技術的都合によるところが多いと思う。そういう都合にハッキリNOと言って、製品投入を後ろに回したり、設計変更が出来る体制を作らないと仕様が安定せず、利益率が低いままだ。仕様をかっちりと作った上で新しいものが作れる体制を敷くこと、それがシャープが目指すべき方向性ではないかと思う。その点において、ヘッドマウントディスプレイ市場は、シャープの救世主になると思う。

また、新しい家電として、スマホで制御できる家電ラインナップを作るべきだ。例えば、季節家電で言えば空調、帰ってきてスマホのおまかせボタンを押すと、夏はエアコンと扇風機が好みの気温と風量で動き、同時にオーディオも好きな曲が自動で流れる。いつも見ているニュースも自動で録画して通勤中にスマホタブレットで見れる状態になっている。洗濯をしようとすると、スマホで受信した週間予報から、最適な日をアドバイスする。寝るときもスマホで設定した輝度と演色で徐々に暗くしていき、自然な睡眠を促す。スマホ家電ラインナップを整備するべき。OSは、Firefox OSAndroidを採用して、音声認識であらゆることができるようにする。全く新しい体験を総合的にデザインする部門を立ち上げ、それを元に新しい家電ラインナップを揃え、全く新しい市場を独自に設定して戦う。これがシャープらしい戦い方だと思う。