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架台の必要のない集光型太陽電池

集光型太陽電池は、発電効率も高く、レアメタルの消費量も数百分の1と少なかったが、架台が必要だったり、レンズを搭載する事で本体が厚くなってしまい、設置場所が限られるなどの欠点があった。

今回のペンシルバニア大学のNoel C. Giebink氏らの研究チームの集光型太陽電池は、その問題を特殊なレンズと、その下をスライドして移動する発電チップの構成によって、薄くて架台の必要のない集光型太陽電池を開発したという。これにより、集光型太陽電池を個人宅に設置できるという。

この集光型太陽電池は、3/4接合型化合物太陽電池という通常の2倍の発電効率を持つ太陽電池で発電している。この種の太陽電池に使われる発電チップは人工衛星などに使われる通常よりも100倍は高価な太陽電池なのだが、この太陽電池は200倍に集光することで、それを通常の太陽電池の1/2のコストに出来、しかも、集光型太陽電池に必要だった架台や厚いボディがない。

発電効率は2倍、パネルコストは1/2、薄くて架台の必要もないので家の屋根にも設置可能という事で、単純に考えて従来の1/4のコストで、同じ電力は発電できる計算になる。

2枚のレンズにサンドイッチされる発電チップ(全体の厚みは1cm)
・2枚のレンズ(厚みは)
 ・上部:凸レンズ:直径12.7mmの樹脂製小型レンズ
  ・スライドする発電パネル。(透明な板に貼り付けられている:厚さ:1mm)
 ・下部:凹レンズ

上部のレンズを通った光が、下部のレンズで反射され、太陽電池セルの位置で収束するようにできている。それだけでなく、太陽光の最も強い波長が1日の間に変化する事も考慮して、レンズの曲率を設計したという。昼間の青い光の波長にレンズの曲率を最適化し、朝夕は、レンズの斜めから入る赤い光に最適化したという。これだけでは、収束ポイントがずれてしまうため、発電セルをスライドさせることで、光を収束させているという。1日のセルの移動は、1cmほどで1日8時間、理論上の集光倍率は200倍以上という。ただ、実際に作った集光が太陽電池の倍率は100倍程度で、それは制作に使った3DPrinterの精度が低かった関係で100倍超え程度だったという。

この太陽電池は、集光型太陽電池発電効率を実現しながら1cm程度の平面パネルでそれを実現しているのがすごい、冷却はどうやっているのか興味深いが、面白い太陽電池だ。日本は台風があるので架台が倒れる可能性を考慮すると、この太陽電池は日本に向いているのかもしれない。5階位の低層マンションの屋上につけたりすると、マンション内の電力はすべて、この太陽電池で発電なんてことが出来るかもしれない。レンズの形を最適化しているのをみると設置する方角についてはどうなんだろうと思うが、この記事ではよくわからない。でも、新しい形のソーラーファームが出来るような予感のする技術だ。素晴らしい。