SKY NOTE

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AIが人々の職を奪う時代に合わせた労働のあり方

百度バイドゥ)のチーフサイエンティスト、吳恩達氏(Andrew Ng氏)曰く...

 人工知能は失業者を生む:中国のAI研究者が警鐘
 http://wired.jp/2015/02/03/ai-might-take-job/

  • 「われわれが本当に心配しなければならないのは、人工知能が地球を支配する映画『ターミネーター』の世界よりも、「トラックを運転するロボット」なのだ」

呉氏は、現在AIをターゲティング広告に利用するという世界最大の応用プロジェクトに取り組んでいる。(百度は2013年、AI技術「ディープ・ラーニング」の研究所をシリコンヴァレーで開設している)

呉氏によれば、AIによる産業構造の切り替わりは、農業経済から現在の経済構造になるのよりもはるかに速いスピードで移行する可能性があるという。それによりAIが社会問題になる可能性があるという。(農業経済が、現在の経済構造になるには200年かかっているという)

インペリアル・カレッジ・ロンドンの認識ロボット工学教授
 マレー・シャナハン

  • 「AIは今後5年から10年にかけて社会に重要な影響を及ぼし始めるだろう」

マサチューセッツ工科大学(MIT)
 エリック・ブリンジョルフソン、アンドリュー・マカフィー

  • 「われわれが「第2の機械化時代(second machine age)」に入ったとして、デジタル技術によってもたらされる加速度的変化により、高い技術をもたない大量の労働者が置き去りされると主張している(2014年11月には、英国の仕事のうち35%が、今後20年間でロボットたちに置き換えられる可能性がある」という調査報告書

AIが職を奪う可能性は、iPhoneのSiriが人間の言葉を理解したことによって、自分も感じていた。言語を理解できたり、書き文字を正確に理解できれば、大抵の事務処理はできてしまうし、人間を雇うよりも安く、そういうことが出来る。特に従来よりも40倍ほど速い広帯域メモリ(HBMメモリ)が登場すると、コンピューターの処理速度が飛躍的に向上することによって、単純な労働はコンピューターで出来てしまう状況になる。

 テラバイト帯域の次世代メモリHBMが2015年に登場
 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/20130412_595546.html

すると、大量の失業者が生まれる。しかも、従来の産業構造の転換よりも速いスピードでそれが展開されるので、技術の進歩に社会の対応が追いつかず、大量に失業者が生じるおそれがあることは、十分考えられる。そして、その規模が既存の仕事の35%というのも、確かにそのとおりだと思う。

私は、こういう技術の進歩を利用して、社会をよりよくする事を考えるべきだと思う。というのは、既存の仕事が35%なくなるということは、人々の労働時間を35パーセント削減しても社会としては問題ないのだから、その分、最低賃金を値上げして富の分配を最適化すれば、失業や低賃金による不況は防げる。つまり、週休2日週5日労働から、週休4日週3日労働にして、時間あたりの給与を今の1.5倍にすれば、失業者は生じない。そして、人々は休みが増えた分だけ、のびのび生活が出来る。より人間的に生きられる社会になるだろう。そう考えると、TPPによる規制緩和で残業代をゼロにするというのは、AIの時代には合わない時代錯誤なルールということになる。もし、そのような事をしてしまったら、AIが普及すると、35%そのまま失業者になり、現在の日本の失業率が従来の5%が40%を越える大不況社会になってしまう恐れがある。

本来、技術が進歩し、労働が減ったのならば、その分だけ人間は休むようにするべきである。そのように社会として規制し、人間がよりよく生きることが出来るようにするためには、グローバル経済よりも、国内で食料やエネルギーを自給する技術と、そういった規制をワンパッケージにして、海外の経済構造に左右されない社会体制を整えることで、技術革新による失業を減らし、人間らしく生きられるようにするべきだと思う。それに最も適した技術を持っているのは、日本であり、日本こそ、AIが進歩した社会において、最も規範となる社会を作れる余地がある。しかしながら、TPPに入ってしまうと、それはできなくなる。競争を全てに適用する社会では、規制は実質的に機能しない。そのようになった状態でAIが普及することは、絶望的な状況を生み出す。それは失業率40%の経済の地獄ともいうべき社会になっているだろう。

技術革新によって労働が消滅するリスクに対応するためには、労働規制が機能する社会こそ未来において必要なことであり、それが出来なければ、極端な失業率の社会が生まれる可能性がある。そして、そのような社会は、人間を人間として扱わない社会になっているだろう。だから、私達が人であるためには、こういう新しい技術に合わせた新しい規制が必要なのだ。