SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

イスラム国が邦人二人を誘拐した事について

去年からの安倍政権イスラエルよりの政策が、結果的には、この事態を招いたと言っても過言ではない。そこで、去年からの経緯を書いてみたいと思う。

安倍政権の動向
2014年
 4月 1日 武器輸出を解禁
 5月12日 イスラエルとの武器の共同開発
 7月 1日 憲法第9条の解釈改憲
2015年
 1月17日
  エジプト:カイロ 安部首相の発言 資料:邦人人質のなかで挑発した安倍首相
  「ISIL(イスラム国)と戦う周辺各国に総額2億ドル程度支援を約束します」
 1月19日
  イスラエルエルサレム 資料:NHK:日本・イスラエル テロとの戦いで協力
  イスラエル首相と「テロとの闘いに取り組んでいきたい」と発言
 1月20日 テロ発生(午後2:50)

まず、イスラム国の声明を見てみる。

日本の首相よ。お前は「イスラム国」から8500キロ以上も離れているのに、自ら進んでイスラム国に対するこの十字軍に参加した。私たちの女性や子どもを殺し、イスラム教徒の家を破壊するために、誇らしげに1億ドルを供与した。よってこの人質(後藤健二さんとみられる男性)の命は1億ドルだ。さらにイスラム国の拡大を防ぐ目的でムジャヒディン(イスラム聖戦士)に対抗する背教者の訓練に1億ドルを供与した。よってこの日本人(湯川遥菜さんとみられる男性)の命にはさらに1億ドル掛かる。

 日本の国民よ。日本政府はイスラム国に対する戦いに2億ドルを払うという愚かな選択をした。お前たちは人質の命を救うために、2億ドルを支払う賢い決断をするよう、政府に迫る時間が72時間ある。さもなければ、このナイフがお前たちの悪夢となるだろう。
引用終了

イスラム国の声明を見てみると、まず、「自ら進んでイスラム国に対するこの十字軍に参加した」とある。これは、西側の特にアメリカとの軍事行動を意味する集団的自衛権の容認、あるいは、イスラエルとの武器共同開発や19日の安部首相のイスラエル首相との「テロとの闘いに取り組んでいきたい」という発言の事を言っていると考えられる。そして、「私たちの女性や子どもを殺し、イスラム教徒の家を破壊するために、誇らしげに1億ドルを供与した」これは、17日の安部首相の「ISIL(イスラム国)と戦う周辺各国に総額2億ドル程度支援を約束します」という発言を指していると思われる。

つまり、日本政府は人道支援と言っているのだが、「イスラム国と戦う周辺各国」という発言が、あからさまにイスラム国に対する敵対姿勢を示してしまい、中立とは言えない姿勢を示してしまった。結果として、人道支援であったとしてもイスラム国の敵対者を支援するのであれば敵とみなされたと考えられる。さらに、この安部首相の2億ドル発言については「日本政府はイスラム国に対する戦いに2億ドルを払うという愚かな選択をした」と、かなり意識していることが伺われる。恐らく、この17日の発言がテロの口実となってしまったと見て間違いないだろう。そして、72時間後の1月23日午後2:50に後藤健二さん湯川遥菜さんを「ナイフの悪夢」という言葉で殺すと言っている。

次に、この事態を収拾すべく、どうすればいいかという事を考える上でイスラム学者の中田考さんの会見を紹介する。

まず、中田氏は、安倍政権の中東政策における問題点について、こう指摘している。

つまり、イスラエルとの交流などしてはいけなかったと述べている。確かに中東で、イスラエルと交流を持つことは、周辺アラブ諸国に喧嘩を売ることに等しい。しかも、2億ドルは人道支援のためと言っておきながら、シリア内戦による難民の多くを受け入れたトルコを訪問せず、エジプト、ヨルダン、パレスチナ西岸地区)など、イスラエル寄りのアラブ諸国しか訪れていないのではアメリカの手先と思われても仕方がない。その上「イスラム国と戦う国のため」と首相が言ってしまったものだから、人道支援だと言っても通用しない。つまり、最近の日本政府のイスラエルよりの政策、安部首相の訪問国のイスラエルよりの国々への偏り「イスラム国と戦う」発言から、総合的に見て、イスラム国の敵対者と見做されても仕方がなかったという話だ。確かに、あの発言はヤバかった。チンチンに煮立った油に火を放り投げる行為と言える。つまり、イスラエルよりの政策でイスラム国という油を煮立たせたのも、安部総理、それに不用意な発言で火を放り投げたのも安部総理であるからして、今回の問題の主犯は、安部総理と無能な外務官僚と言えるだろう。そこで、この事態をどう収集するかだが、ここで再び中田氏の言葉を拾ってみたい。

  • ISISやその前身のイスラム運動が現地で勢力を広げたのは、イラク戦争でスンニ派への支援・補償が十分ではなかったことに遠因がある。現地の人たちはサダム・フセイン政権が倒れたことを歓迎したが、すぐに反米になってしまった。それは空爆等で多くの市民が死んだにもかかわらず補償もなかったからだ。これと同じことが、今、ISIS地域で行われている。ISIS地域内の難民に支援が届けられなければ、ほんとうの人道支援とは理解されない。

イラクのマリキ政権におけるスンニ派への冷遇、アメリカの空爆によるイスラムの同胞の死がイスラム国の発端であり、ISISへの支配地域への補償を彼らは欲していると見ている。自分たちの支配地域が困窮に苦しむ中で安部首相がISISと戦うところだけ援助すると言ってしまったとなれば、オレたちにもよこせという話になる。要するに戦後の困窮が問題という話、そこで、援助は、食料、医薬品、毛布等の暖房器具など、人道支援にしか使えない物資にするとの事。

イスラム国の行動パターンを見ていると、他国の援助を脅しで獲得する北朝鮮に似ている。だが、そもそも、この困窮はイラク戦争という大義なき戦争をしてしまったことが原因なのだから、その意味では、西側諸国への怒り、その後のマリキ政権への怒り、様々なものが交錯して、現状に至っているといえる。だからといって、テロを認める訳にはいかない。交渉する以外にないだろう。他の選択肢は、実効性が薄いと思う。