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2015CES Nvidia、次世代SoC Tegra X1を発表

NVIDIAが発表したTegra X1ってどんなSoC?
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/20150106_682499.html

プロセッサ数
 CPUコア数が倍増 4個→8個
 キャッシュはあまり増えてない
 CUDAコア 33%増量(192個→256個)
 浮動小数点演算は、bit粒度を細かくしてパフォーマンスアップが出来るようだ。
  FP16:365GFlops→1TFlops
  FP32:365GFlops→512GFlops

転送スピード
 テクスチャ転送レートは倍増 7.6→16GT/sec
 メモリクロック 930MHz→1600MHz 1.7倍
 メモリ帯域幅 14.9GB/s→25.6GB/s 1.7倍

動画再生
 H.265/VP9 4K60fsデコード(10bitカラー)
 H.265/VP9 4K30fs/60fsエンコード(10bitカラー)

4Kに対応し、より対応製品が広がる。

  • スペックの相違点を見ると、今後のタブレットやテレビの動向が透けて見えて面白い。まず、このチップの4K対応は、大型タブレットか4Kテレビに対応するスペック、通常のタブレットを4Kにしても、ドットの粒度が細かすぎて見た目が変わらない上に、処理が重たくなってバッテリ持続時間が短くなり使いづらくなる。だから、大型のタブレットかテレビなど、比較的大きな製品に搭載しないとメリットが出ない。故に、この仕様は従来のタブレットよりも大型の製品に向いている。または、4Kヘッドマウントディスプレイという感じ。

動画性能はH.265のエンコード(4K30fps)/デコード(4K60fps)に対応へ

  • H.265/VP9のデコード/エンコードへの対応は、それらの機器にビデオ機能やテレビ電話機能が搭載されるということを意味する。

動画と写真にDeepColorを普及させる呼び水になる。

  • そして、それらが10bit階調(1024階調)であることは、DeepColorに対応した量子ドットディスプレイへの対応を見越してのことだろう。DeepColor対応の製品が広まり、同時にそれらがH.265規格に準拠しているとなると、H.265の静止画プロファイルがJPEGに取って代わる可能性がある。256階調から1024階調になることでリアルな質感を持った写真となる。その代わり、情報量は1.25倍になるが、H.265になることで半減するので、大体62.5%位(2/3)の容量で立体感のある写真が見れる。1200万画素で撮影した写真3.6MBが2.3MB程度に減り、同時に10bit階調になって高画質になっている。

DeepColorの普及とともにデジカメは10bitColor、モニタは量子ドットを使ったものに変わる。

  • デジカメにもH.265の静止画プロファイルに対応したものが出てくるだろう。特にGoogleなどは、データ量が削減できるのであればウェルカムだろうから、H.265へのChromeの対応もするだろう。その結果、市場に徐々にH.265に対応した製品が出始める。当然モニタは8bitから10bitが標準仕様になり、量子ドットを活用したモニタも出てくる。2015年のトレンドは4K+DeepColor(量子ドットモニタ)+Displayport 1.3といったところだろう。そういう新しい需要の呼び水になるスペックだ。

まとめ

  • このプロセッサのメモリ転送速度は、25.6GB/sと来年に登場すると言われているHBMを搭載したモデルは、1Tbyte/sと(2Tbpsのメモリモジュール×4=8Tbps:1Tbyte/s)約40倍であるため、この性能は、一年もすれば陳腐化してしまう。だが、現状で最も優れたチップであり、またHBMを搭載した製品は最初は高価だろうから、このプロセッサでできることを考えれば、買っても損のない性能である。1TFlopsの性能は、科学技術計算でよく使う64bit倍精度の浮動小数点演算ではなく16bitの精度のものなので、若干こけおどしといえるが、来年に登場するモデルは、メモリ転送速度の改善と合わせて、飛躍的に性能が上がるだろう。だからといって、この製品が意味が無いというわけではなく、むしろ、H.265とDeepColorへの素早い対応は、業界の今後の流れを左右するものであり、ある意味、このプロセッサはテクノロジドライバ的な役割を担っている。モニタ、デジカメ、PC、ブラウザを新世代のものに換えるように促せるスペックと言える。