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セシウムを吸着するバーミキュライト(福島の土壌に偏在)

福島県の土壌に多いバーミキュライトは、多量のセシウムを吸着して取り込むそうだ。

 福島の土がセシウム取り込む仕組み解明
 http://news.mynavi.jp/news/2014/11/07/151/

日本原子力研究開発機構
 福島環境安全センター
  元川竜平(もとかわ りゅうへい)研究副主幹
  矢板毅(やいた つよし)ユニット長

バーミキュライトセシウムを取り込む構造1

図1. セシウムイオンが層間に吸着したときのバーミキュライトの構造変化(提供:日本原子力研究開発機構)

バーミキュライトセシウムを取り込む構造2

図2. ドミノ倒し的に吸着が進むセシウムイオンとバーミキュライトの構造変化(提供:日本原子力研究開発機構)
まるで、層の一つ一つがゴキブリホイホイのようにセシウムを吸着していくバーミキュライト、福島の土壌に多いという。

バーミキュライト(粘土鉱物)

これを見て思ったのは、土壌に大量のセシウムが検出されているのにも関わらず、野菜などのセシウム濃度の数値が比較的低い数値にとどまっていたのは、このバーミキュライトセシウムを大量に吸着して閉じ込めていたからだと考えることも出来るのではないかと思う。

バーミキュライトの構造は、厚みの薄いシート上の無機物が積み重なった構造になっており、シートの隙間に陽イオンを取り込む性質を持っているという。それでセシウムイオンがバーミキュライトの層間に強く選択的に吸着しているという。

1個のセシウムイオンが2つの層の間に吸着すると、その隣にもセシウムイオンが吸着しやすくなるため、同じ層に連続的に吸着し、結果的に多量のセシウムが取り込まれることとなる。多量のセシウムが取り込まれた後、比較的セシウムの取り込みの少ない層がはがれ、さらにはがれた2つの層の表面も新たな吸着サイトになる。こうしてドミノ倒しのように次々とセシウムイオンを吸着していくという。

要約すると、なんだか薄い層を重ねて作るケーキの間のクリームのような感じだ。クレープみたいにジャムを吸い込みやすい特徴をバーミキュライトは持っていて、一度吸い込むと剥がれやすくなり、剥がれた所が、さらに吸着するという連続で高濃度にセシウムを取り込む。

このバーミキュライトの効用は、除染や汚染土の容量を減らすことに活用に繋がるとのこと、また土壌中の放射性セシウムの将来の挙動を予測するのにも役立つという。

バーミキュライトは園芸用としても販売されているとのことなので、その特性を活用して、家庭菜園のセシウム吸着剤として使えるのではないかと思った。

バーミキュライト(資料:Wikipedia:バーミキュライト
中国、南アフリカ、オーストラリア、ジンバブエ、米国などに産出する原鉱石の蛭石(ひるいし、vermiculite)を800℃ほどで焼結処理し、10倍以上に膨張させたもの。

土壌改良材
多孔質で非常に軽く、保水性・通気性・保肥性がある。pHもほぼ中性である(アルカリ性のものもある)。ピートモス赤玉土などと混ぜて使用する。ほぼ無菌なので、ガーデニングにおける挿し木用土、種蒔き用土として使われる。

この原料の蛭石の産地に石綿アスベスト)の産地が近いため、石綿が混ざっていることもあるという。厚生労働省は、2009年11月に吹き付け石綿中にリビー産バーミキュライトが発見された事を受け、リビー産バーミキュライトに含まれていた角閃石系繊維であるウィンチャイト、リヒテライトの二種類を、国内で規制されていた6種の石綿類と同等に扱うよう、各団体に通達を行っている。経済産業省は国際基準に合わせるのが望ましいとしており、見直しも検討する方針を示しているとの事。