SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

Pref..
Speech
STOP
Follow..
QR Code
|◀
▶|
QR
×
voice
volume
0
rate
0
pitch
0

CEATEC 2014に行ってきた。

今年はSONYがおらず、幕張メッセの3フロアが2フロアになるなど、縮小気味のCEATEC 2014、このくらいの規模のほうが見やすいといえば見やすいのだが、少し寂しい。

1.RealSense

  • CEATEC 2014 REAL SENSE demo(1:13)
  • 最初はインテルのRealSenseを見た。背景のマスキングがどの程度、出来るかと思ったのだが、輪郭が若干モヤモヤして、切り抜きが上手く出来ない箇所もあり、完全とはいえない感じだった。赤外線センサの解像度は640×480だったのだが、シャープのブースに言ったら、1280×720ドットの赤外線センサがあったので、それを使えば、もうちょっと高精度な切り抜きが出来ると思った。
  • ハンドゼスチャーインターフェースを使ってみると、手をかざすと結構、素早く認識し、関節の動きを把握しているので、使えそうだと思った。別のブースでLeap motionとOculusRiftが合体したやつを見たのだが、手の認識が遅く、反応がカクカクして鈍く、まだまだ作りこみが足りない感じだった。REAL SENSEの表情を読み取る機能は、喜怒哀楽の認識はライブラリに付属してくるが頷くや首を振るなどの認識は、開発者が独自にパターンを入力して対応して下さいとの事だった。REAL SENSEのライブラリをウェブベースで使えるのかと聞いてみたところ、現在は出来ておらず、将来的には、やろうと考えているとの事だった。

2.MEMSディスプレイ

  • MEMSディスプレイは、去年も見たが、より実用化の要素が強くなっている。フィールドシーケンシャルにありがちな、手を振ると虹色になる現象は皆無である。これは、RGBの切り替えが高速であるため、今回のCEATECでは、3つの特性が示された。
  • CEATEC 2014 シャープ MEMSディスプレイ(1:57)
  • 1.モノクロ表示における低消費電力(省電力)
  • 通常の液晶が90くらいなのが、MEMSディスプレイは45位
  • 消費電力は変動するが平均的に半減している。
  • 2.外光下での表示性能(ハイコントラスト)
  • 液晶が完全に見えなくなっているが、実際はもうちょっと見えている。
  • 3.鮮やかな高画質表示(画質)
  • 有機EL並にキレイ、色に立体感がある。
    • 通常の液晶が白い半透明のカバーが掛かった感じに見える程、色に透明感がある。感覚としては鏡に写った感じ
  • 実際に見てみると、消費電力は半分、外光下でのコントラストは高く、鮮やかさは有機EL並という感じでキレイだ。今後の課題は、量産、解像度の向上、大型化だという。MEMSは色はとても鮮やかでRGBバックライトのNTSC比120%の濃厚なカラーと高いコントラストで液晶ディスプレイとは一線を画す画質で、有機EL並みの画質、コレを見ていて、JPEGの色深度12bitの規格とか、H.264の色深度10bit以上の規格が画質において意味を持ってくる時代になってくるかもしれないと感じた。高色域液晶やMEMSが普及すれば、白飛びせず、きちんとハイライトまでグラディーションが表現されるので、花びらや髪の毛などのハイライトが従来の液晶では潰れてモヤッとしてのっぺりした平面的な画質だったのが立体感のある画質となる。感覚としては色の密度が高いと感じる画質。そういう画質を見てしまうと、デジカメなども12bit対応品が欲しくなってくる。音楽のハイレゾのように。
  • 色深度12bitの特徴
  • 木の模様を見ると、左の方はハイライトのグラデーションまで、くっきり表現できているのに対し、右の方はボケている。色深度情報が少ないとハイライトよりの階調が適切に表現できず、それが映像の立体感に影響する様子がわかる。大体10bitColorの映像を見た感じが、こんな感じだった。鳥の毛並みの艶も左の方がキレイに表現できており、生きているかのような立体感がある。HDRとの違いは、HDRが明るい部分の光を無理やり下のレベルまで落として階調を増やしているのに対し、色深度10bit以上の画質は、階調を減らさなくてもいいので、ハイライトの階調が自然に表現でき、それが立体感に繋がっている。
  • 人間の目は色深度8bit(256階調)だが、明度差は10bit(1024階調)あるという。よって、人間の目に自然に見える映像は、明暗差が10bit以上ないとダメという事になる。これにカメラの露出補正ミスなども補完しようとすると、カメラ側では12bit以上の色深度で処理しないといけなくなる。そういう映像フォーマットの利用状況のグレードアップを迫りそうな画質ということ。
  • 今回のCEATECでメディア規格のビット数の刷新がされる予感がした。従来、それらをきちんと表現できる性能のものは、コストが高かったのだが、今やそれも安くなった。
  • 音声:16bit/44.1kHz→24bit/96kHz
  • 写真:色深度:8bit→12bit(JPEG規格では12bitはサポートしている)
  • 動画:色深度:8bit→10bit & 4K(H.264/265)
  • 感動できる映像や音声、それらを快適に楽しむインフラが整いつつある中でメディアフォーマットのクオリティは変わるだろう。映像も音声も本物の表現が可能になっていると感じる。今までが偽物だったと感じる画質、音質、一見今までと同じように見えて、それを見慣れてしまうと、過去の低bitファイルの質が低いことに気がついてしまう。そういうクオリティ。MEMSディスプレイや色深度10bit表示の液晶を見ると、そう感じる。ちなみにメーカーの人によるとbit拡張補正は、低域の暗い画面ではやっているという。

まとめ

  • 出展数も減り、見るべきものが少なくなっていくのだが、その中で光明があるとすれば、本物の映像や音声がトレンドになるということである。本物には強い引きがある。それを知ると、今までのものが見窄らしく見えてしまう強さがある。そういうものがメインに登ってきた。これは一過性のものではない。一度それを体験すると、元に戻れなくなる品質、そういうものは、強い。また、REAL SENSEのような奥行き情報を使った新しいセンシングテクノロジーが映像を立体化したり、映画マイノリティ・レポートのようなハンドゼスチャーの操作を可能にするなど、新しい流れが生まれ始めている。さらにシャープのココロ家電というのも面白かった。家電がネットと通信をして、献立を教えてくれたり、スマートフォンに洗濯が出来ましたと連絡してくれたり、新しい流れも生まれている。そして、それらは小さなトレンドではなく、大きな流れとなるだろう。なぜなら、それは人々の生活をワンランク上げるものだろうから。今回のCEATECは、未来の一端が見えた感がある。ただ、規模が縮小したのは寂しいな。