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VESA Displayport 1.3を策定 2014.9.17

VESAがディスプレイケーブル規格、Displayport 1.3を発表した。帯域幅は従来(21.6Gbps)の1.5倍となり、32.4Gbpsとなった。これにより、4K3D、5Kなど、高品位な表示が可能になった。

また、4レーンの内、2レーンを使ってUSB3データを転送することも出来る。この際電源供給もされる。(供給電力は推定10W程度)

DisplayPort 1.3
・4レーン;32.4Gbps(1レーン:8.1Gbps)
・2レーン(ディスプレイ:16.4Gbps)2レーン(USB3データを転送:10Gbps)
・色差成分を間引いた4:2:0 フォーマットでは8K x 4K 出力も可能
・HDCP 2.2に対応(HDCP:著作権保護技術)
・対応機器は2015年頃

では、どのくらいの表示が可能になるのか帯域幅から見てみるとする。2本必要になる場合は、後ろに2本と書く。(Displayportは帯域幅が足りなければ2本使用できるので、今回もできるだろうという事で書いているが、それが可能であるかは記事では書いてない)2本使う場合は、ビデオカードの対応が必要
DisplayPort 1.3で表示できるモニタ解像度毎の表示品質

Spec
 色    24bit,30bit,36bit
 表示速度 2D:60Hz,3D:120Hz

5Kディスプレイ(5120×2880)
・5K3D:36bitColor:59.326Gbps DisplayPort 1.3×2
・5K3D:24bitColor:39.551Gbps DisplayPort 1.3×2
・5K2D:36bitColor:29.663Gbps

5K UltraWIDEディスプレイ(5120×2160)
・5K3D UltraWIDE:24bitColor:29.663Gbps
・5K2D UltraWIDE:36bitColor:22.247Gbps

4Kディスプレイ(3840×2160)
・4K3D:30bitColor:29.860Gbps
・4K2D:36bitColor:16.686Gbps
・4K2D:30bitColor:14.930Gbps (USB 3.0転送 電源供給:推定10W程度)

iMacのような構造であれば、全てのケーブルを内蔵してしまえるので、5K/3D/36bitColor ダイナミックパースペクティブというフル性能の映像を出力できる。(iMacのような一体型:Displayport 1.3 × 2、USB3×1→内蔵)

RealSenseの推定帯域幅(非圧縮だと想定した場合)
・RealSense帯域幅:5.665Gbps(推定:708MB/s)
 ・640×360/8bit/60Hz 赤外線センサ 0.103Gps
 ・1920×1080/24bit/60Hz 2.781Gbps×2 5.562Gbps

ざっと眺めてみて、魅力的なのは5K2D36bitColorによる静止画で、解像度と色を兼ね備え、これにUSB3でRealSenseカメラを加えて、ダイナミックパースペクティブのような擬似3D表示で眼鏡なしで高解像度な立体映像を楽しめる事。対応コンテンツが必要なのだけど、3Dゲームなんかは奥行き情報が含まれているので、グラフィックドライバー次第で対応可能だと思う。

次に魅力的だと思うのは5K3DUltraWID 24bitColor、色深度情報は通常の24bitColor(各色8bit 256階調)だけど、3Dメガネをつければ3D表示も可能であり、ワイドで高解像度な画面と両眼視差による3D表示によるフィールド表現が3D空間をリアルに表現できるだろう。MMORPGでフル画面でヤったら面白いと思う。クビを動かすと、それに合わせて、空間が動き、同時に立体メガネで視差まで再現し、5K解像度でワイドで迫ってくる世界は圧巻だと思う。ちなみにこのレベルの解像度のディスプレイではアンチエイリアスは必要ないとの事なので、ビデオカードの負荷はフルHD+アンチエイリアスとあまり変わらないと思われる。アンチエイリアスでは、タテヨコ倍以上の解像度をレンダリングして、それを圧縮するという面倒なことやってるからね。その処理がなくなった分だけ軽くなる。その分、ダイレクトレンダリングの質が問われるので、特に曲面の表現がポリゴンぽくなく綺麗なカーブで表現されなくてはいけない。そう言う意味では、PixerのOpenSubdivは、どうなったんだろうと思う。出番が来たと思うのだが...

OpenSubdivのような技術を使ってリアルタイムCGが曲面とシャープさを兼ね備えれば、PixerレベルのCGが5Kクラスのディスプレイで表示されると、かなりリアルな映像になり、ディスプレイの向こう側が、新たな世界としてリアリティを持ってくる。これにタッチレスインターフェースが加わることで、画面の中に手を突っ込める事で、より直感的でリアルな映像世界が生まれるだろう。これがWeb3Dに統合されれば、かなり面白い世界になると思う。OpenSubdivのデモ画像を見ると、今までのCGがプラスチックぽかったのが、シャープなテクスチャによって、肉や金属の質感がリアルに再現できるようになっている。Mayaの2015年の製品動画にOpenSubdivが出てきている。

 AutoDesk:Maya(業務用3Dグラフィックスソフト) 
 Meet the Experts: Pixar Animation Studios, The OpenSubdiv Project
 

Displayport 1.3によるドットが見えない解像度、DynamicPerspectiveによる視点変化、3D眼鏡による視差、OpenSubdivによる肉や金属の質感表現、RealSenseによるハンドゼスチャー、それらをリアルタイムで処理するTSV技術(積層チップ技術)を用いた高速グラフィックカードによって、次元の違うリアルさが再現できるだろう。すべて2015年以降に本格化する技術といえるのだが、これらが組み合わさることで、画面の向こう側に別の世界、空間があり、それに擬似的に触れる世界が広がる。それがネットと繋がり、離れたところにいる人々が、まるで同じ場所にいるような感覚になるようなテレビ電話や会議室が出来る。それは、まさに鏡の国のアリス状態になる。特に視点変化とドットが見えない解像度が組み合わさると、立体感にそこにあるモノ的な何かを感じるようになる。それがワイド大画面で表現されたら、それは実際に存在する場所のように感じられる様になるだろう。そうなったら面白い。今までネットは文字と映像で概念やイメージを共有できていたが、それに空間の共有が加わる段階に入る。それがどんな世界になるのかわからないが面白い事になると思う。Displayport1.3は、そう言う映像表現を可能にする。