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IBM、100万個のニューロンに相当するコンピューターチップを開発

IBMは2014年8月7日、ヒトの脳の動作原理を模した「ニューロシナプティック・コンピュータ・チップ」を開発したと発表した。54億個のトランジスタを備え、100万個のニューロン、2億5600万個のシナプスニューロン間結合)の働きをシミュレートするという。

 WSJIBM、脳の機能まねた半導体を開発
 http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303570604580078622974657704

特徴は、その圧倒的な低消費電力で、生物と同じ時間軸で処理させた場合、28nmプロセスで70mWという極めて少ない電力で動作する。これは、ニューロチップが必要な箇所だけ機能すれば良いため、通常のマイクロプロセッサよりも消費電力を抑えられる。いずれも、クロック信号がいらない非同期式回路であり、その点でも消費電力が少なくなっている。

 IBM、2011年比4000倍の巨大ニューロチップを作成
 http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/14/080800415/
 IBMが人間の脳と同じ構造を持つプロセッサーの開発に成功
 http://gigazine.net/news/20140808-ibm-brain-similar-processor-chip/
 
 

  • 各コアは、別のコアに信号を送るための「神経スパイク」を発信する通信デバイスがあり、グリッド上のコアのX-Y座標と、各コアが固有で持つニューロンIDを用いたアドレス指定の他、乱数生成器もあり人間の脳にある確率的なスパイク活動を再現する仕組みも備えられているという。つまり、脳のシナプス結合を再現できる仕組みになっている。

IBM ニューロシナプティック・コンピュータ・チップ「True North」
・開発
 IBM(モダ博士) & コーネル大学
・構成
 コア数:4096個(64×64)
 トランジスタ:54億個(28nmプロセス サムスン製)
・コア
 ・メモリ :100kbit:12.8kbyte 4096個で51.2Mbyte
 ・通信機能:各コアはクロスバー接続され、イベント駆動で非同期に動く
 ・演算  :非同期プロセッサ
・性能
 ・ニューロン :100万個
 ・シナプス結合:2億5600万個
・消費電力
 ・必要な時しか駆動しないので、超低消費電力
  TrueNorthの出力密度は1平方センチあたり20mW(1/2500)
  (既存のプロセッサであれば1平方センチあたり50W)
資金
 ・IBM
 ・DARPA(5300万ドル:53億円 2008年から)

  • 比較可能な標準的なマイクロプロセッサーが1平方センチメートル当たり50〜100ワットを消費するのに対し、トゥルーノースはわずか20ミリワット(1ミリワットは1ワットの1000分の1)しか消費しない、とIBMは述べている。

研究陣は、True Northチップで街を通り過ぎる人や自動車・自転車などの物体をリアルタイムで識別することに成功した。400×400画素の画質で1秒当たり30フレームずつ動く動画を処理するのに要した電力は63mWに過ぎなかった。引用元:http://japanese.joins.com/article/703/188703.html?servcode=300§code=330
 
既にIBMでは、このチップ16個使用したシステムを施策しているという。1600万個のニューロンと40億シナプスに相当するという。IBMでは長期的なゴールとして、100億ニューロン、100兆シナプス、消費電力1kW、体積2リットル以下という人間の脳に匹敵するシステムの開発を目指す。こういう技術を公衆安全、視覚障害者向けの視覚アシスト、健康モニタリング、自動運転などに応用するとのこと、さらに、チップ開発に並行してアプリケーション開発に必要なシミュレータ、プログラミング言語、サンプルのアルゴリズムやアプリケーション、ライブラリ、教材などを開発している。

このプロジェクトには、DARPA(国防高等研究計画局)が2008年から、5300万ドル(53億円)を助成している。

 IBM boffins stuff 16 million-neuron chips into binary 'frog' brain
 http://www.theregister.co.uk/2014/08/07/ibm_synapse_chip/

  • DARPAのニューロプロセッサのロードマップ

このニューロプロセッサの性能と人間を比較してみると、1チップで100万個のニューロンを再現すると言われているので、人間の理性を司る大脳新皮質の140億個のニューロン細胞を再現しようとすると、1万40000個必要である。最近のTSV技術で64層程度を1チップでまとめると、218チップで実現できる。それは、縦6個×横6個×高さ6個=216個で実現できる。となると、TSVを使えば、2Lのサイズに入れられそうだ。

人の脳神経細胞(ニューロン)の数(動作速度:100Hz程度)
 大脳皮質の神経細胞数: 140億個(50兆個のシナプス結合)
 小脳皮質の神経細胞数:1000億個(顆粒細胞)
               0.14〜0.26億個(プルキンエ細胞

人の脳の性能(http://cinet.jp/research/bfi.html
 消費エネルギー:20ワット程度(超省エネ)
 制御すべき組み合わせの数:10の15兆乗

  • 超複雑システムをケタ違いの省エネで堅牢に制御する原理を持つ

どうやら、アンドロイドができる時代も案外近いかもしれない。ただ、チップの記憶容量は人間の脳に比べると716GByte(51.2Mbyte×14000個)と、市販のハードディスクにも劣る容量しかないので、海馬に相当する部分は、まだ出来ていないという感じだ。一説には、人間の脳は17.5テラバイト(140億個のニューロン×10bit:1400億bit:17.5Tbyte)と言われているけど、正直いって、その1000倍位あるんじゃないかと自分としては思う。(そう考えると、8Tbitの記憶チップを17500個も必要だと思う。恐らくMagnetic race track memoryのような革新的なメモリが必要)でも、チップの数にして、数万個を2L程度の容積に詰め込むのだから、初期のアンドロイドはとても高価なものになるだろう。チップ1個が5000円で作れたとしても、プロセッサだけで7000万円相当する。それにボディや制御システム、ソフトを加えたら、どう考えても億を越えるね。最初は、ノイマン型が不得意とする処理領域を桁違いに少ない電力(1/2500)でこなす特殊なスーパーコンピューターとして使われるんだろうね。または、特殊な領域、画像認識が優れているとしたら、MRIの写真を見て病気の診断などをするとか、医療用に使われるかもしれない。特殊なスーパーコンピューターとしてなら、億を超えてもペイするって感じに思える。

将来的には、天才の思考プロセスを解析し、このコンピューターに入れれば、天才を量産できるかもしれない。そして、その高い知能を利用して、人類の科学力を飛躍的に向上させ、人類のありとあらゆる問題を、そのコンピューターで解決するなんて時代が来るかもしれない。

うつ病みたいなものも、悲観的な情報にシナプスが結合されすぎていて、そこにばかりアクセスする状態なのかもしれない。だから、あまり悲観的にならず、楽観的に頑張れる環境が人間には必要なのかもしれないと感じた。ニューロンのことを考えていたら、そんな事を考えてしまった。