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自然エネルギーについて、正反対の日本のメディアとアメリカのエネルギー省

滋賀県知事選で自民党が負けた。卒原発を主張している三日月氏がギリギリ勝ったのは、良かったといえる。そこで、エネルギーについて今日は書いてみたい。

自然エネルギーが役に立たないと産経新聞が記事を書いていた。

脱原発の旗手・太陽光、菅元首相の「1千万戸」で賄える発電量は4%、現在の申請数80万件の現実
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140710/trd14071011000011-n1.htm

1000万戸導入しても、たったの4%(400億kWh)とのたまわっていた。この数字自体は間違っていないものの、この記事の発想は、10年位古いと言わざる負えない。発電効率は2倍、製造コストは1/2〜1/3の次世代型の太陽電池、集光型太陽電池について言及しないのは、片手落ちである。さすが御用の産経、ミスリードの王様である。

この御用報道新聞社と反対の事を言っているのが、アメリカのエネルギー省で、太陽電池のコスト見積もりについて、旧型の平面型ではなく、圧倒的に低コストな集光型の数字を持ってきている。このことから分かる通り日本の御用メディアの古い情報を見ていると、時代に取り残されることがわかる。

 アメリカエネルギー省ホームページ 「Revolution Now」
 訳「再生可能エネルギーで革命が起きようとしている」
 http://energy.gov/downloads/revolution-now-future-arrives-four-clean-energy-technologies

 アメリカ エネルギー省報告書「Revolution Now」.PDF 2013.9.17
 http://energy.gov/sites/prod/files/2013/09/f2/200130917-revolution-now.pdf

内容は、コストのグラフで、風力、太陽光、バッテリ、LEDの低コスト化でエネルギー革命が起きようとしていると報告されている。

 太陽電池のコストグラフ(2012年:1ワットあたり0.8ドル/80円)
 


では、どのようなコストかというと、太陽光発電の1Wあたりの製造コストのグラフである。報告書では、2012年の時点で太陽光発電の設備コストが1ワットあたり1ドルを切っていることが分かる。大体、0.8ドルくらいだろう。では、そのコストが、どの程度のものなのか計算する。

比較のために、平面型太陽電池の数字と並べてみよう。
産経新聞の記事だと、平面型太陽電池が4kWタイプで200万円とあるので、そこから逆算していこう。太陽電池の耐用年数は20年とすれば、1年辺りのコストは10万円、日照時間は1000時間とすると4kW×1000時間=4000kWh
10万円÷4000kWh=25円/kWhとなる。

ちなみに1000万戸で400億kWhというのは、4000kWh×1000万戸=400億kWhである。だいたい計算があっていると思う。

では、アメリカエネルギー省の2012年の資料をみてみると、1ワットあたりの設備コストが1ドルを切ったとある。グラフを見ると年々下っており、2012年には、0.8ドルくらいとなっている。そこで、比較のために同規模の出力の4kWの集光型太陽電池があるとして計算しよう。為替は1ドル100円とする。

集光型太陽電池のコスト
・出力1ワットあたりのコスト
 0.8ドル/W:80円/W
・設備コスト(4kW 32万円)
 出力4kW(4000W)×80円/w=32万円/設備コスト
・1kWhあたりのコスト(4円/kWh)
 32万円÷(4kW×日照時間1000時間×20年)=4円/kWh

産経が指標としているのは、旧タイプの平面型   :25円/kWh
米エネルギー省が指標としているのは、新型の集光型: 4円/kWh

このように情報というのは、基軸とするものが違うだけで、まるで違うことが分かる。産経が指標としているのは旧方式の平面型であり、それは最新型の集光型に比べてコストが36倍高い方式のものである。集光型が安いのは、最もコストの高い発電素子をレンズで集光することで1/500にできることである。その反面、高熱に耐える人工衛星などに使われている特殊な太陽電池パネルを使うため、平面型よりも100倍は高いパネルを使うのだが、必要量が1/500になるので、パネル部分のコストは1/5に出来るという事なのである。その上、発電効率が倍だから、発電量あたりのパネルのコストは1/10である。これがコストが1/6と安い理由だ。アメリカエネルギー省の公的な情報、アメリカ大統領やアメリカ国民に説明するエネルギー省の公的な資料に、LED、バッテリー、風力、太陽光の低コスト化で革命が起きそうだと書いてある。

 米エネルギー省の報告書 タイトル「Revolution Now」.pdf(2013.9.17)
 
しかし、日本の産経新聞は、そういう事実をふせて、専ら古いタイプの平面型の太陽電池を持ちだし、太陽光発電はたった4%だと言っているのだ。しかし、こういう数字は、最新のものでないといけない。これから、それらを作るときに最も効率のいいモノを指標とするべきなのに、産経は、6倍も高い旧型を指標にして、太陽光発電は役に立たないと主張しているのである。彼らの記事にタイトルを正確に記すならば、旧式の平面型太陽電池では役に立たないと書くべきだろう。

集光型太陽電池は平面型に比べ発電効率が大体2倍(35〜45%)なので、面積も半分でいい、しかも、設備コストは1/6、必要な土地は、日本には休耕田が100万ヘクタールあるので、その内の数%が使えれば、1000億kWh発電できる。コストは1/6なので、平面型400億kWh発電する設備コストで2400億kWh発電できる計算になる。

 1ha:1万平方メートル×350W(35%)=3500kW×1000時間=350万kWh
 1万ha:350万×1万ha=350億kWh
 3万ha:350億kWh×3=1050億kWh 日本の発電量の11%(2012年9240億kWh)

アメリカの集光型太陽電池

米国立再生可能エネルギー研究所(NREL)、CPV 集光型太陽光発電システム AMONIX 7700の劇的な進化をアピール 大きさ23.1m×14.7m 53kW
http://greenpost.way-nifty.com/softenergy/2011/03/nrelcpv-amonix-.html

情報は最新のものを用いて、最善の選択をするべきであり、産経新聞を読んでいると、時代から10年取り残されることになる。こんなヘボ新聞は、早くやめて、東京新聞などに変えたほうがいい。

日本人は、御用メディアの古い情報で、世界の技術トレンドから10年遅れている。真実を知り、再生可能エネルギーに投資するべきである。そうでないと世界の潮流に取り残される。