SKY NOTE

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政治について語ることは、勉強嫌いの子供に教えることに似ている

高校も塾も行かないで、京都大学に合格した三兄弟の話を読んでみた。

それを読んでみて思ったのだが、今、政治について語ることは、勉強が嫌いになった子供に勉強を教えることかもしれない、だから、興味とか、考え方とか、そういう何か自発的に知ろうとする発想を喚起させることが大事であり、それを促す周知が必要に思える。

なぜそう思ったのかというと、脱原発やTPP反対を主張する人たちと一般の人達の乖離は、学級委員とその周辺のように思っていたからだ。学級委員というのは、義務を周囲に周知し、皆を動かさなければいけない立場なんだけど、大抵、「そんなのやってらんねーよ」とその義務をサボる奴がいたり、「いい子ぶりやがって」などといって、言っていることを否定する奴もいる。大抵、そういうのは男子であり、女子にも少しいたりする。要するに「やらなければいけない事」つまり、義務であったり、正しいことはわかっているんだけど、やるのが大変なことというのは、皆が敬遠する。しかし、それをやらないと、問題が大きくなる。問題が大きくなったところで学級委員が「それみたことか」と言って周囲を非難すると、寄ってたかって学級委員が逆に責められるという不条理、要するにサボってたり、正しいことが分かっていてヤラなかった奴が悪いんだけど、それを指摘したら逆ギレされてしまうのである。

これが大体、学級委員とかリーダーを経験した人ならば必ず通る道で、要するに単に正しいことを言っているだけじゃ全然始まらない事を思い知ることになる。そこで、最初の興味というのが重要になってくる。義務を面白いことに変えてみる。ヤラなければいけない事を、やったら素晴らしいこととして伝えてみる。そういうことが大切なことなんだと考えるようになる。

そこで、京大に合格した人の話に繋がってくる。この方は、宝槻さんと言って、「探求学舎」という学習塾を開いている方、冒頭の京大の三兄弟の長男で、子どもたちに興味をベースにして自ら探求する塾を開いている。

<引用>
1.興味関心を惹きつける工夫

「その子の興味関心や能力を見極めて、教材や進め方を工夫すれば、学ぶことが好きになり、結果的に伸びる」と宝槻さんは信じている。実際、数学嫌いの高校生に数学史を使って公式の成り立ちを教えたり、国語が苦手な中学生に小学生の教材から学ばせたりして、「面白い!」「わかる!」と開眼した例もある。「勉強に万能薬はないけれど、個々に効く特効薬はある」と宝槻さんは考える。

探究学舎が重視するのは、その名のとおり「探究心と自発性」。生徒たちは、興味を持ったテーマを研究したり、クラスメートと議論したりしながら自分のノートにまとめていく。「ニュートン万有引力をどうやって発見した?」「地球の直径はどうやって測る?」など、スケールの大きな「問い」を先生が投げかけながら、子どもの興味関心を引き出していく。そのうえで、子どもが調べたり考えたりする過程を支援する役割を担う。その際、映像や漫画を多用するのも特徴的だ。

リストにまとめると興味が重要だとわかる「探求心と自発性」
1.自分の「興味のある」テーマを「自発的」に学習させる。
 ・興味のあるテーマをノートに取らせる
 ・興味のあるテーマについてクラスメートと議論する
2.スケールのデカイ課題を用意して「興味」を誘う。
 ・「地球の直径はどうやって測る?」など
3.子どもが調べたり考えたりする過程を支援する
 ・教材に映像やマンガを多用する。

2.追体験(ストーリー)によって、さらに面白く

<引用>

「もし、君たちがガウスだったら、どうする?」と問いかけると、子どもたちはそれぞれに思いついた答えを口にする。そこで追加してこんな質問をしてみる。「もし、これを解いたら1億円もらえるとしたら?」。遊び心にもスイッチが入り、議論にさらに熱がこもる。

キーワードは「追体験(ストーリー)」だという。「数学者が定理を発見する過程を、子どもたちと一緒に追体験します。先に答えを教えると、ただ事実を鵜呑みにするだけになりますから。まずはやる気に火をつけることが大切」。歴史漫画も、ただ人物名や年号を覚えるだけの学習にならないよう、同じ趣旨で活用している。

単に歴史上の人物や年号を覚えるのではなく、その歴史のドラマ、ストーリーを追体験することで、より興味を持って知識を吸収できるのだという。自分が思うに、事務的な勉強ではなく、映画を見て楽しんで覚える勉強、自分は映画は「十戒」が好きなのだけど、ユダヤの歴史については、あの映画から入っていった。原発問題については「はだしのゲン」というマンガを読んだから、これは大変なことだとわかった。だから、ストーリーで追体験することによる。ある種の「仮想体験」による学習は、心のなかに刻まれるし、教養として身につきやすいと思う。

4.ストーリーによる追体験

3.子供に勉強を教える上で気をつけること

宝槻氏は大切なことは3つあるという
1.「やる気を引き出す」こと。

  • 「勉強は面白い。目の前にはすばらしい世界が待っているよ」と語りかけ「頑張ろう」と思うように方向づける。

2.「本人に合う学習方法を工夫して、それを大量にこなす」こと。

  • 先の偏差値5から京大に入った友人は、美しい文章を原稿用紙に1000枚も書き写した。

3.「比べない」こと。

  • 「今、何年生だからこれができなくてはいけない」という思い込みを捨てることだ。

つまり、興味を引き出すのは、マンガ、テーマ、映像などを駆使して行い、それを本人に合う形で大量に行う。そして、他人と比べたりして自尊心を傷つけたり、自分のやっている事(勉強していること)に疑問を持たないようにする事なんだと思う。

そうは言っても子供が机に向かってくれない...という問題については、「〜しなさい」という命令ではなく「自分はどうしたいのか」対話型で接することが重要なのだという。

4.「〜しなさい」という命令ではなく、「自分はどうしたいのか
」という対話で接する

4.子供が勉強を嫌いになる理由

三兄弟の次男
<引用>

「中1の頃、初めての英語のテストで60点を取ったら、午前0時過ぎに寝ているところを父親にたたき起こされて、殴られながら英単語を覚えさせられたことがありました。これで完全に英語アレルギーになりました。数年後、オヤジは『あのときはごめん』と何度も本気で謝りましたが、私は今後もこの件を許す気はいっさいありません。そのほかにも許せないことは多々あるし、感謝しているところも多くあります。

これを見ると命令や強制は逆効果だと分かる。つまり、勉強が出来ないと、勉強そのものよりも、それを危惧する親から命令や強制が雨のように降ってきて苦しいので嫌いになる。政治について人に伝えるときも正しいからといって「こうでなければならない」とか命令や強制をすると、それは、その命令や強制を嫌って、多くの人が正しいことから離反することになるのだ。

まとめ

  • 勉強嫌いになる子どもと政治嫌いになる大人は、よく似ている。ハッキリ言って日本の大人の政治に対する姿勢をテストの点数にしたら赤点レベルである。だが、赤点で落第点だからといって、それを外国と比べたりして非難したら、逆効果だと、この話を聞いていて分かる。では、どうすればいいのかというと、「日本の景気を良くして皆の給与を上げるのにはどうしたらいいのか」とか、皆が興味をもつようなテーマを踏み台にして、それを実現するために何が必要なのか、そのための情報提供やマンガや映像、歴史などを通じて伝えたり議論することが大切なんだと分かる。重要なのは、それに対する興味と自分たちがどうしたいのかという自発性を喚起することなのだ。