SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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現在の不況の原因は、株式会社という制度そのものにある

法人企業統計を見ていて、現在の不況の原因は、株式会社という制度の構造的欠陥だと思い知らされる。企業が内部留保を貯めこみや配当金を払うのは、全て株主のためである。バブル期よりも200兆円も多く、利益剰余金を貯めこみ、経済を不況にしている。実は、200兆円を実体経済に流せば、日本のGDPは、478兆円から678兆円となり、景気は一気に回復する。しかしながら、その結果として株価は下落し、海外の投資家によって日本企業が買いやすくなってしまう。つまり、これを一気にやってしまうと、庶民の景気は良くなる反面、多くの企業が外資系になってしまい経営権が外資に乗っ取られる。

よって、徐々にゆっくりとやり、同時に株式会社という制度を変革していく他ない。なぜ、株式会社という制度が問題なのか、それは「企業は株主のもの」というのが最大の問題なのである。株を持っていないものの権利が一切尊重されない制度、それが株式会社という制度なのだ。一種の奴隷制度である。しかしながら、これまでは経営者のモラルが、そういう資本の暴走を防いできた。しかし、冷戦終結後、その状況が一変した。実は、そういう資本の暴走を抑止していたのは共産主義と資本主義の対立だったのだ。西側の自由主義陣営は、自分たちが共産主義よりも優れていることを示すために、市民にいい顔をする必要があった。よって、株式会社制度における株主の権限は抑えこまれた。だが、ライバルの共産主義がいなくなった途端、そういった配慮をする必要がなくなった。

名実ともにこの世界の盟主となった自由主義陣営は、本来の顔である。株主の顔が出始めた。もう市民にいい顔をする必要はなく「企業は株主のものなのだから、なんでもしていい」という事になり、配当金のつり上げを要求したりするようになった。その結果、株主には、その会社の全権があり、その会社で働く、株を持っていない従業員の権利はゼロという状況になった。これが、現在の非正規雇用や残業代ゼロという話に繋がってくるのである。株を持っていない人間の権利は、株式会社制度ではゼロなのである。それを法律などで国が労働基準法などで、完全なゼロにならないようにしてきたが、結局のところ、政治家も官僚もマスコミも、その多くが企業側に買収され、労働者の権利を規制緩和という形でなくしていく流れが現状である。よって皆さんに真実は伝えられないし、法案も皆さんのためのものはない、そして、政治は皆さんのほうを向いてない。この間も、実質的な移民を認めてしまう法律が成立し、移民という安い労働力を彼らは手に入れた。つまり、株式会社制度というのは、本来的には、株を持っていない人間にとっては奴隷制度なのである。

それまで奴隷でなかったのは、冷戦であったり、冷戦期に作られた労働基準法や移民規制法などの規制があったから、皆さんは奴隷ではなく市民だったのである。しかしながら、それらもどんどん規制緩和を正義とする株主の犬となり下がったマスコミによって、抵抗なく、すんなりと議会で規制緩和法案が決まり、なくなってしまっているのが現状である。

そこで、株式会社制度の欠陥を時間をかけて是正する必要がある。まず、株主の権限が100%と言うのはオカシイ。というのは、会社というのは、従業員がいなくては成り立たない。そういう必要不可欠なものに権利がないのはオカシイ。そこで、配当分配制度を提案したい。企業の配当の半分は従業員に還元しなければいけないという制度にする。略称50:50法(フィフティーフィフティー法)これによって、企業の配当の半分は従業員に還元すべきという形にすると同時に非正規雇用の規制強化、最低賃金を上げるなどの政策が望ましい。(従業員の給与水準を維持する法律を整備しないと帳簿上の利益を調整することで、現状と同じ配当金が株主に支払われる恐れがある)

 法人企業統計(各PDFの5ページ目にある)
 http://www.mof.go.jp/pri/reference/ssc/results/index.htm#01
 平成24年法人企業統計(2008年〜2012年).pdf
 2012年 配当金:13兆9574億円 内部留保: 9兆8769億円
 2002年 配当金: 6兆5974億円 内部留保:−1兆1830億円
 
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また、従業員が自社株を保有しやすくするため、ストックオプション制度の活用、株主の権限を制限するための議決権なしの株式の発行、または、金利ではなく配当ベースの債権など、新しい金融制度や規制を段階的に採用し、株価の下落を抑えながら、内需拡大による景気回復、内部留保を持たず、企業が安定的に経営できる基盤を整備する。株主の権限を現在の100%から、50%に下げる。従業員に50%与える形態が重要である。これによって、非正規労働者が消滅し、結果として、皆が豊かになる。その代わり株主は割りを食うのだが、実質的に、彼らの所得が半分になっても、彼らは変わらず金持ちなのである。というわけで、現在の株式会社制度を革新することによって、皆が幸せになるべきである。今は、100%株主の奴隷である。政治家も官僚もマスコミも彼らの奴隷に成り下がってしまった。だからこそ、皆さんの権利が蔑ろにされるのです。非正規労働で若者が苦しんでいる時に、株主には莫大な配当金が支払われる。金持ちの税金は安くなって、私たちの税金は上がる。その全ては、元を正せば、株式会社制度の「企業は株主のもの」という考え方そのものにあるのです。つまり、皆さんは、株主から見たら「もの」なのです。人間ではない。それが、株式会社制度の怖さです。そして、現在の世界的な不況も、その実体は、株式会社制度による所が大きいと思います。労働者の権利がなくなり、資本家の権利が最大化される制度のもとでは、労働者の賃金は下がり、資本家に利益が分配され、結果として不況ということになるのです。