SKY NOTE

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ステロイド剤のような欧米金融資本主義

欧米の金融資本主義について自分が抱くイメージは、ステロイド剤と似ていると思うんです。ステロイド剤は、炎症を一時的に抑えますが本質的な問題(炎症の元となっている問題)を解決はしないので、量を多く使いすぎてしまうと、炎症がよりひどくなったり、症状の悪化を促してしまう使うときに注意を要する抗炎症剤です。

つまり、使えば使うほど、副作用の影響で症状が悪化する。根本的な病気は治さず、症状だけを一時的に抑えるもの。それがステロイド剤なのですが、欧米の金融資本主義も同様のものでして、効率化をすれば、一時的に経営が安定しますけど、それに終わりがありません。ひたすらリストラを続け、最後には経営が不安定になって潰れる会社、以前は大きかったけれども小さくなってしまった会社など、あまり、良い印象を持てないんですね。私は。

SONYを例にしてみると、それがよくわかります。いつまでたってもリストラが終わらない。PCもテレビも分社化して、どんどん会社がしぼんでいく...それに比べて、昨日、カンブリア宮殿を母が見ていて、トヨタの社長の豊田章男氏がでてきたので、「おっ」と思って自分も見ていたら、彼は「いい車を作ろうよ」と社内に呼びかけたんですね。「これだよね」って自分は思いました。トヨタは年間販売台数が1000万台を超え、世界で一番車を売る会社になりました。

つまり、顧客は効率化されたコストパフォーマンスの優れた商品を欲しているのではなく、「いい製品」を望んでいる。そこが分からないと、永遠にコストダウンを続けて、SONYみたいに萎んでいく、確かにコストダウンは大事だけど、その製品に夢がないと面白くない。面白くないものを顧客は買わない。SONYの製品で面白いものと言ったら、開発中のヘッドマウントディスプレイ、他はスペックがリッチなだけ...というつまらなさ、だから、Appleに負けるんだよね。製品に夢がないから。

技術者もやる気でない、コストダウン、スペック、それは大事だけど、それは手段であって目的ではない。最終目的である「価値」に目が向かないと、凡庸なものに終わってしまう。価値を向上させるのは「夢」であり、それがないと、面白くならない。欧米の金融資本主義の問題点は、そういう「夢」を数字に置き換えて効率化して実現しようとしているのだけど、感性を数値に表すのは難しいように、数値で表現できるものって過去の指標があるものが殆どで、ある意味、そう言う指標がないと、数値化って出来ない。つまり、新しいことをやるというのは、数値に出来ない要素と戦う事になるので、それをどれだけ、許容できる経営力と適格に顧客の価値を見極める嗅覚、そして、それを実現する技術力の3つが必要で、SONYの場合、顧客の価値を見極める嗅覚が欠落しているので、技術力が生かされず、製品が売れないことで経営が不安定になって、リストラが終わらず、会社が萎んでいく。

ハッキリ言って、SONYに必要なのはリストラではなく、顧客の価値を見極める嗅覚、それを技術とマッチングさせる目利きの存在、そして、それを平井社長が面白いと言って、ゴーサインを出す姿勢なんだよね。面白い製品を作ってものが売れれば、スケールメリットでコストダウン出来る。だから、まず最初に面白さを持ってこないと永遠にリストラ。最後には会社潰れるって言いたい。

SONYの再建に必要なのは出井時代に入れた文系の役員や従業員をリストラし、技術系の役員と従業員による新しいことに挑戦するSONYに戻すこと。技術系の企業に文系の役員が入ると、大抵、まるで酸欠でもしたかのように、その会社がスローモーションのようにしか動けない。機敏に動くには、理数系の素早い結論と、それに伴う行動が必要。数字見りゃ、すぐダメだってわかるからね。でも、文系にはわからない。数字に弱いから。ダメなやり方から軌道修正するのに数字に弱い連中がいるとダメ、数字見てすぐダメだとわかれば、新しいことに挑戦する以外にないことが結論として出るはず。それがいつまでたってもわからないのは数字に弱い文系だから。