Appleは、現地時間6月2日WWDC(World wide Developpers Conference)において、iOSの新バージョン、iOS 8を発表した。
ガジェット速報:米アップル、iOS 8を正式発表
http://ggsoku.com/2014/06/ios-8-debut/
PC Watch:WWDC 2014基調講演】次期OSのOS X Yosemite、iOS 8などを公開
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/20140604_651617.html
WSJ:アップルの最新「iOS 8」、うれしい新機能が満載
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303335604579601213196535306?mod=WSJ_article_EditorsPicks
誰もが知っておくべき「iOS 8」の便利な機能10選
http://gori.me/ios/ios8/53249
1.OS
- ・通知センターから直接、通話、メッセージの編集ができる。
- ・ロック画面における操作にも対応。
- ・アラートやスケジュールに対しても操作できる。
- ・マルチタスク画面でユーザーも表示される
- ・最後の通話、メッセージのやり取りも羅列される。
- ・ウィジェット
- ・サードパーティ製のウイジェットを導入可能
- Siri
- ・ホームボタンの長押しではなく「Hey Siri」と呼びかけで起動
- ・Shazamによる楽曲の自動認識(メロディを聞けば曲名がわかる)
- IT用語辞書:Shazam
- ・新たに22か国語に対応
- Spotlightの拡張(検索機能)
- Hand off
- MacとiPhoneのデータをシームレスに連携できる。(要MacOS 10.10&iOS 8)
- ・電話:iPhoneでかかってきた電話をMacで受けられる。
- ・メール、メッセージのMacとiPhoneをシームレスに連携
- ・Safari,Pages,Numbers,Keynote,Message,Reminder,Map,Calender,連絡先
- ・サードパーティのアプリも同様の連携が可能(対応すれば)
- マルチアカウントに対応
- ・複数のユーザーで1台のiOS端末を使うときに便利
- ・iTunesや電子書籍の購入にIDやパスワードを共有しなくて良い
- ・この機能がペアレンタル機能と連動して、AppStoreで何かを子供が購入したいという時、親の許可を求める通知でYES NOで処理できる。子供のIDによる行動を親が管理できる仕組みがある。
- ペアレンタル機能
- ・子供から何らかの許可を保護者に求めることが出来る。
- ・保護者のiOSデバイス上に許可をするか否かアラートが表示される。
- バッテリー
- ・バッテリーを多く消費するアプリが分かるようになっている。
- アプリ同士の通信機能
- ・アプリ間でのアクションの実行やファイルの共有が可能
- ・アプリ同士はサンドボックス内に封入されて管理される(セキュリティ対策)
- Touch ID
- ・Touch IDのAPIも開発者に公開された。
- ・各種パスワードがTouch IDで済ませられるようになる。
2.アプリケーション
- メッセージアプリ
- ビデオ、音声、地図などをグループで共有できるようになっている。
- ・グループ機能を搭載(グループチャットのようなもの?)
- ・複数人数がひとつのスレッドでやりとりすることが出来る。
- ・就寝中はアラートが鳴らないように、就寝モードにすることが出来る。
- ・シェアロケーション機能
- ・お互いのGPS情報(現在地情報)を共有できる。
- ・Tap to Talk機能
- ・タップ長押しでメッセージ画面から音声やビデオメッセージを作成できる。
- ・企業向け機能
- ・企業のネットワークにパスコードを入力することで参加できるようになった。
- ・社内メンバーのメールアドレスを取得することが出来る。
- ブラウザ
- ・Nitro JavaScriptエンジンがサードパーティも利用可能に
- →ブラウズが高速に
- ・サイドバー(iPad向けSafari)
- ・メールの確認、各種操作が可能
- AppStore
- ・アプリ検索結果の無限スクロール
- ・トレンドのサーチ
- ・アプリレビューが動画再生に対応
- ・複数のアプリをバンドルして一つのアプリとして公開する機能も追加
- ・TestFlight:公開ベータを実施可能、ユーザーのフィードバックを得られる。
- Health
- HomeKit
- Apple、スマートホーム規格「HomeKit」を発表!
- 家電を自由に操作、Siriにも対応!
- http://gori.me/apple/wwdc2014/53114
- iOSで作るスマートハウス、AppleのIoT戦略
- http://eetimes.jp/ee/articles/1406/04/news066.html
- iOS端末で、証明やサーモスタット、鍵などが操作できるようになる。
- 対応する機器は、鍵、照明、カメラ、ドア、サーモスタット、コンセント、スイッチと多岐に渡る。Siriとインテグレーションしているので、「寝るための準備」と言えば、適切な証明、家の鍵が閉まっているかを確認、空調の調節などが、まとめてできるそうだ。
3.サービス
- iCloud Drive
- テキスト、表計算など、ファイルフォーマットごとに整理されたFinder(ファイル管理ソフト)のようになっている。
- ・アプリを起動中であっても、Finderのように扱える。
- ・写真ライブラリ表示の強化
- ・サービス価格が下った。
- 従来の料金 → 新しい料金
- 5GBまで無料 → 変わらず
- 10GB 20ドル/年 → 消滅
- 20GB 40ドル/年 → 20GB 0.99ドル/月(11.88ドル/年)
- 50GB 100ドル/年 → 消滅
- → 200GB 3.99ドル/月(47.88ドル/年)
ざっと見て、Touch IDが開発者に公開され、これにより、パスワードなどがタッチ操作で処理できるのが楽だと感じる。あと、FEPが外部のものが使える様になったのは朗報だ。標準のFEPは、変な候補を出す割に必要な候補が出てこないというものだったので、サードパーティ製のFEPで、そういう事がなくなってくれると有り難い。文字入力がスムーズになる。あと、ウィジェットが採用され、必要な情報を画面でまとめて見られるのも嬉しい変化だ。それと、アプリ間でのアクションやファイル共有が可能というのが結構大きな変化だ。今までiOSではセキュリティ上の理由から、ファイルの自由な運用は制限されてきたが、どうやら、それを安全に処理できるようになったらしい。Androidでは、セキュリティをある程度、目をつぶって、その分、自由を選択しているのだが、iOSは、安全性を維持しつつ、自由を実現するという思想なので、今までそういった自由が許されていなかった。これによって、よりドキュメントが自由に扱えるようになっている。PCの使い勝手に近づいた感がある。あとアプリのBETA公開ができるようになり、レビューが動画に対応したというのは大きいと思う。全体としてみて、わくわくする新機能はないものの、細かな改良が積み上げられて使い勝手が向上しているというアップグレードだと思う。
あと、iCloudが実用的な価格になったと思う。20GBまでならば、1月0.99ドル(99円)というのは、テキストや表計算や写真のデータをクラウドに格納して運用したいと思える額だ。iOS 8では、Macとのファイルの連携もシームレスにできるようになっているそうなので、そういう意味でもiCloudは使い勝手が向上していると思う。グループチャットなど、メッセージング機能の強化は、大きいと思う。OS標準でそういう機能がサポートされている所が大きい。特に日本のiPhoneの普及率は高いので、この機能は非常に便利だと感じる人が多いと思う。企業などでは簡単な会議ならば、グループチャットで済ませてしまうかもしれない。そこに音声や動画を簡単に入れられるのだから、大幅に表現力が向上している。このメッセージング機能とTouch IDの連携ができているのならば、より優れた選択肢となろう。
今回のiOSのアップデートは、シームレスにあらゆる行動ができるようになっている。使っていく内に、新しい可能性が引き出されていくような機能が沢山組み込まれている。例えば、認証処理がTouch IDが公開されることでサードパーティ製のアプリでもタッチ操作だけで処理できたり、ホームオートメーションもSiriと統合することで証明や温度調節を言葉で操作できる。メッセージも動画や音声を転送できるようになっていて、より直感的なコミュニケーションを複数人と出来るようになっている。ブラウザも高速なJavaScriptエンジンがサードパーティのブラウザにも公開され、よりスムーズなブラウジングを可能としたり、Macとの連携もHand offによって、かなりシームレスに出来るようだ。また、ファイルの管理についても、割高だったiCloudが改善され、小さなファイルであれば、それほど高くないコストで運用できる状態になっている。(20GB:0.99ドル/月)
全体的に使っていく内にその価値がわかってくる。スルメのようなアップデートといえるのではないだろうか?ちなみにiOS8にアップデートできる機種はiPhone4s以降(iPhone4はダメ)
iOS 8をインストールできる機種
・ iPhone :iPhone 4s以降
・ iPod touch:iPod touch 第五世代以降
・ iPad :iPad 2以降
・ iPad mini :iPad mini以降