SKY NOTE

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NHKスペシャル「エネルギーの奔流」第1,2回を見たが...酷いものだった。

NHKスペシャル「エネルギーの奔流」を見て「また誤解が広まる」と思った。番組では、CO2による海面上昇の問題、途上国が経済発展するのには、安い電気が必要で、そのためには、石炭や原発が必要だと言わんばかりの内容だった。この内容は、事実(途上国の発展には安い電気が必要)と虚構原発の発電コストは高いのに安い石炭と同格に扱っている)が入り混じっており、一方で再生可能エネルギーがここ数年で劇的に安くなっているという事実を伝えないのは、どういうことなのかと思った。

アメリカ エネルギー省報告書「Revolution Now」.PDF
http://t.co/H6shdAf3Xc
内容は、コストのグラフなどで、風力、太陽光、バッテリ、LEDの低コスト化でエネルギー革命が起きようとしていると報告されている。

このグラフでは太陽光発電設備のコストが1Wあたり1ドル(100円)を切ったとある。これは、10kWの太陽電池で1万ドル(約100万円)であり、日本の日照時間1000時間で計算すると...

 100万円÷(10kW×1000時間/年×20年=20万kWh)=5円/kWh

つまり、とても安いのだ。恐らくこの数値は集光型太陽電池のものだろう。

アメリカの集光型太陽電池

米国立再生可能エネルギー研究所(NREL)、CPV 集光型太陽光発電システム AMONIX 7700の劇的な進化をアピール 大きさ23.1m×14.7m 53kW
http://greenpost.way-nifty.com/softenergy/2011/03/nrelcpv-amonix-.html

ポール・クルーグマンノーベル経済学賞
太陽電池パネルなどの再生可能エネルギーが激安になった」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39110

また、原発によって生じる核廃棄物に関しては、半減期数万年のものを実験段階で数百年に縮める研究が進んでいるという話を展開し、もっぱら原発ヨイショ報道であったが、その原発の廃棄物の保管・処理に数千億円もかかるという内容で、既に原発は安いという間接的な主張が論理破綻していて滑稽だった。NHKもあまりにも偏向しているので直接的な言及は避けたのだろう。CO2地下貯留技術であるCCSに関しても最後にちょろっと出てきたが、地下に液体を注入すると地震が起きるという致命的な欠陥を伝えず、未来の技術という形で持ち上げているところをみて、「あ〜あNHKもここまで落ちたか」と思った。

AFP:二酸化炭素貯留に地震を引き起こすリスク、米研究 2012.6.22
http://www.afpbb.com/articles/-/2885691?pid=9157088
スタンフォード大のチームは、膨大な量の液体を長期間地中に貯留する必要のあるCCSは非現実的であるとし、「大陸内部によくみられる脆性(ぜいせい)岩石に大量のCO2を注入することにより、地震が引き起こされる可能性が高い」と主張した。

本当に報道しなければいけないのは、LED(-1000億kWh)、断熱材(-560億kWh)、インバーター(-600億kWh)を使ったモーターなどによる省エネ技術を導入すれば、原発が発電していた電力のほとんどを省エネでまかなえる事実

日本の機器別電力消費量

新しいモーターによって最大15%(1500億kWh)電力が削減できるという
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110805/194702/?rt=nocnt
モーターが使用している電力56%内、26%効率化出来る可能性があり、それが56%×26%で14.6%(1460億kWh)電力が削減できるという話。

日本の積水化学が最近発表した従来の3倍の容量を持つ新開発のリチウムイオン電池によって、自然エネルギーのムラの吸収と電気自動車の航続距離をガソリン車並みにする事が可能で、しかも、電気自動車の消費電力は、ポリマーボディで車体の重量を半減させれば、500億kWh程度の電力消費で済むことなどを報道するべきだった。

日本の省エネと発電フロー(本来伝えるべき内容)

「このように一方の情報だけを伝え、もう一方を伝えず、ある特定の方向に視聴者を誘導するという、なかなか酷い内容だ」と母に言ったら「戦争中と同じじゃん」と言われ、そのとおりだと思った。