SKY NOTE

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2030年の電力について考えてみた。

私は、20年位前から再生可能エネルギーに注目していた。私は自然エネルギーは小学校のクレヨンで絵を描く時から興味があった。学研の科学でも紹介されていたしね。だから、小学生の頃から自然エネルギー派なんだ。当時のクレヨンの絵は、山から水が流れて、それで水車を回して電気を作るみたいな感じ。風が吹いて風力みたいなかんじ。太陽や風力の供給安定性、騒音、鳥の衝突など、様々な問題が取り沙汰されたが、それらの多くは、既に改善されているか、されつつある。ただ、そういう報道は少ないので認知されず、自然エネルギーに懐疑的な人も多い。

そこで、問題が解決されている事例を紹介しつつ、自分が考えたエネルギー供給プランについて説明したい。まず最初に2030年の未来にどの程度の需要になるか試算してみる。その際に動力機械の電気化(+760億kWh)による電力増加と省エネ(−3200億kWh)について紹介したい。ここから、将来の需要を試算する。ドラフト版なので、いい加減だが、ご容赦を。計算根拠は、現在の最新技術、または開発中の技術、将来の人口統計などをベースにしている。

まず、現状の把握から...
 資料:電力使用機器の消費電力量に関する 現状と近未来の動向調査 2009.3.23
 http://www.sicalliance.jp/science_data/bunken/fed-power-consume.pdf
この中の以下の円グラフ(2005年)を元に計算をしている。9年前と若干古い統計であるため、その点を現在の技術と勘案して参考にしてる。

 電力使用機器(大分類)/調査対象品目(細分類)別電力消費内訳 [現状(2005年)]
 

2030年の省エネ技術&電気化による電力需要(増減規模)

省エネと人口減少で3200億kWh減り、動力機械の電気化で760億kWh増える。つまり、現在よりも2440億kWh減り、2012年の消費電力、約9240億kWhから2440億kWhを引くと2030年の日本の電力需要は6800億kWhとなる。

LEDで1000億kWh節電

  • 2030年は、LEDで現在よりも1000億kWh減らせると試算しているのは、現在、照明需要が大体1500億kWhであり、蛍光灯(85~100lm/w)が主流、これがLED(200lm/w)が普及することによって、500億kWh程度になると試算している。その根拠は発光効率と発光する範囲にある。
  • 蛍光灯:発光効率(100lm/w:360度照らす)
  • LED:発光効率(200lm/w:180度照らす)
  • 蛍光灯は原理上360度照らしてしまうが、殆どの照明の需要は180度であり、照明器具の後ろは照らす必要がない。つまり、そこに無駄がある。LEDは、その点、必要な角度に光を収束させることができるのでムダがない。この結果、発光効率(100lm/w→200lm/w)、発光範囲の限定(360度→180度)により、消費電力は1/4になる。それを実際には1/3程度だろうという事で計算してみた。現在の照明需要は、1500億kWhなので、1/3として500億kWh、つまり、1000億kWh節電できると試算している。

人口減少で750億kWh、自然減

  • 人口減少では、2030年までに日本人が10%減るという想定で試算している。これは、人口統計の数字を元に確実に減る水準として10%とした。これにより、全消費電力の10%が減る。省エネ化された未来で10%減るので、現在の総需要から10%減るのではなく、未来の総需要から10%引いている。自分の試算では同じ人口であれば未来の日本の電力需要は7500億kWhとしている。その10%として750億kWhいらなくなるとしている。

都市の電子化(540億kWh:電子化率20%)

  • 都市の2割が電子化し要らなくなると、それらは家庭で消費されるのだが、仮想都市を維持するエネルギーは、主に通信回線とコンピューターのサーバの消費電力である為、この種の技術の消費電力は物理的な都市に比べて遥かに低い。(最も多いのがストレージの消費電力だが、未来において、それらは半導体となり1/10程度に削減されると想定している)そこで、都市の2700億kWhの20%が丸事なくなると試算し、540億kWh減るとした。

家電の省エネ(550億kWh)

  • 家庭の断熱(-300億kWh:1000億kWh→700億kWh)
  • 家庭では大体、エアコン、ヒーター、電熱マットに合計1000億kWh消費しているとし、それらを断熱窓の普及などで30%節電できるとした。
  • 冷蔵庫(-150億kWh:300億kWh→150億kWh)
  • 日本の世帯数は5000万世帯として、冷蔵庫の平均年間消費電力を600kWhとし、将来において平均300kWhになると試算、その結果、300億kWh→150億kWhとなり、150億kWh消費電力が減ると試算した。
  • テレビ(-100億kWh)
  • テレビは現在の液晶で150億kWhとしているが、これが1/3になると試算している。その根拠はMEMS技術で、微小な機械シャッターで光の量を調整するため、カラーフィルターや偏光フィルターを介さない分、開口率が高く、従来の半分の電力で済む、その上、LEDの発光効率が100lm/W→200lmWになると仮定し、同じインチ数ならば消費電力は1/4、そして、現在主流の32インチが将来40インチになると仮定すると、1/4×5/4=5/16、つまり、約1/3程度となると試算し、150億→50億kWhになると試算した。
  • あとは、細々と試算している。断熱に関しては、オフィスや工場の断熱性を30%高められるとしている。日本の断熱性が低いのは国の基準が緩いためであり、技術的に出来ないのではなく、基準が低いので普及していないというのが実状である。
  • 日本の気候風土と外皮の断熱性能
  • https://www.lixil.co.jp/shoenekaisei/a_seminar/popup12.htm
  • この図は、熱の漏れる量を示し、少ないほど高い断熱性を持つ
  • 日本は、外国に比べて2倍、熱エネルギーを漏らしている事が分かる。
  • 基準を厳しくすることで、30%程度、エネルギーの削減が可能と試算

断熱技術(260億kWh オフィス120億kWh+工場の断熱140億kWh)

  • パナソニックのU-Vacua(冷蔵庫に使われている断熱材)などは、ウレタン20cm程度の断熱材をU-Vacuaだと1cm程度の厚みで済み、その結果、壁紙のように内装工事だけで断熱化が出来てしまうという素晴らしい真空断熱材があるので、エコポイントを復活させるなどして二重窓や断熱壁の普及に取り組めば空調の30%の節電は可能と見ている。(資料:http://panasonic.co.jp/es/pfa/vending_business/u-vacua.html
  • Panasonic「U-Vacua」比較図
  • あと、ガラスやアルミのサッシは、熱伝導性が高いので、超プラスチックの多重窓によって、軽くて、より高断熱な窓が出来ると考えている。超プラスチックは、広島大学が開発したもので、鉄と同等の強度を持ちながら、重さは半分、透明にでき、フェノール樹脂(フライパンの取っ手に使われている樹脂)並みに高い耐熱性など、非常に優れた素材であり、生産も比較的低コスト(従来のプラスチックと同等)に出来るとのことなので、こういう素材を使えば、非常に高断熱な窓が出来るだろう。

 

  • 細かく言うと、色々あるんだが、とにかく、それだけ削減できるのである。書いている最中に非常に長くなってしまって、ヤバイなと感じるので、細かいところは省いて、次に、将来増える電力について述べたいと思う。
  • 動力機械の電気化で増える電力需要(760億kWh)
  • この中で、日本の乗用車の平均重量は1.2tだが、超プラスチックにより、0.6tとなって必要な運動エネルギーが半減するとし、積水化学の開発した最新型の900wh/Lのリチウム電池を搭載した電気自動車(25km/kWh)が2030年には、5000万台程度あり、それらが年間平均走行距離1万kmとして計算すると、乗用車の消費電力は218億kWhとなる。トラックの方は、乗用車のように運動エネルギーが半減しないという前提で計算すると、283億kWhと試算した。船舶や農業機械などは、よく分からんので、トラックと同じ比率(燃料:電気)で電力消費が発生するとし、259億kWhとした。合計で760億kWh増える。これにより、石油の消費量が1250億リットル程度減り、それは、日本の石油需要の60%に相当し、その輸入額は7.2兆円(2013年時点の石油価格)となる。ここら編はまぁテキトーであるが、大体概算でこんなもんという感じ。

2030年の電力需要と発電

  • そのようにして試算したものをベースにすると2030年の日本の電力消費量は6800億kWhとなり、それらを賄う電力として考えられるのが、再生可能エネルギーと火力発電、それらの安定供給を可能とするスマートグリッドと電池である。

2030年の発電構成

  • 不安定エネルギー(2750億kWh)
  • ・集光型太陽光 :1500億kWh(10kW×1500万台 年間100万台生産×15年)
  • ・平面型太陽光 :450億kWh(3kW×1500万世帯)
  • ・洋上風力・波力:800億kWh(風力700億kWh+波力100kWh)
  • 安定エネルギー(4050億kWh)
  • ・水力     :850億kWh
  • バイオマス  :900億kWh
  • ・地熱     :1000億kWh(ベース電源の地熱)
  • ・ガス     :500億kWh(需要に対し高速追従性が高いガス)
  • ・石炭     :800億kWh(安くて安定供給される石炭)
  • 電池(17.9億kWh/日 想定最大余剰電力1.2億kWh×12時間=14.4億kWh)
  • 電気自動車(12億kWh:24kWh×5000万台)
  • ・揚水(1.87億kWh 効率70%→1.26億kWh)
  • ・トラック(3/13億kWh)
  • 集光型
  • 集光型の資源の消費規模
  • 大体、上記のような感じ、まず、集光型の生産規模については、その台数で試算してみる。日本では車を年間500万台(平均重量1.2t)程度国内で消費している。よって、これを基準にすると集光型は10kWタイプ×年間100万台であり、台数で言えば1/5程度で、構造も車に比べると簡単なのでリサイクルしやすい。発電効率を36%とすると、1平方メートルあたり360W発電となり、10kW発電するには、約28平方メートルとなる。7m×4m位の厚さ20cm程度のポリマーの架台と放熱板のついたものが年間100万台というところである。超プラスチックを使えば、軽くて軽量なものが出来る(軽いということは消費資源も少ないということ)超プラスチック自体、不純物が混ざっていない素材なので、リサイクルもしやすい。等々を考えると、それほど大した規模ではない。重量ベースで自動車以下というところだと思う。発電素子は集光率によるが1/300〜1/1000と非常に少ないので、その水準をダメだというと、現在の殆どの製品が生産できなくなる。そういう水準だと考えてもらっていいと思う。レンズや架台など素材の殆どはオーランチオキトリウムによるバイオポリマーを超プラスチック加工したものとしている。よって石油資源には依存しない。
  • 集光型の発電(1500億kWh)
  • 2030年の集光型は1500億kWhとなり、最大発電出力は1.5億kW、10kWタイプが1500万台(100万台×15年)あると、この水準になる。問題となるのは、春先の余剰電力である。春先は空調の消費電力が少ない為、想定需要は9000万kW程度に対し、集光と平面と他の発電とも合わせて2億1000万kWh発電すると想定すると、余剰電力が1億2000万kW生じる。これが日中12時間続くとして14.4億kWh、これは、日本中が晴天で、それが12時間続くという条件である。その水準でも電気自動車のバッテリーと揚水発電(合計17.9億kWh)で大体、吸収可能な水準だし、割安料金にすれば、皆、充電するだろう。しかし、それより大きな発電規模になったら停電してしまうので、集光型の事業者の1/3に対し、発電停止命令が出せるようにすることで停電を防ぐ。発電停止は架台の角度を変えれば集光型は発電できない。実施方法は、電力余剰時にコンピューターで自動的に実施する。恐らく、年に数回程度だろう。必要面積は28平方メートル×1500万×1.3(予備面積)=23.4km四方:5.4万ヘクタール(日本の休耕田:100万ヘクタール)
  • バイオマス(900億kWh)
  • バイオオイルの生産で出来た大量の藻のカスや国内のバイオマスをかき集めて、燃やすことで、大体900億kWhくらい発電できるだろうと試算している。
  • 洋上風力・波力(800億kWh)
  • 風レンズ風車というものを使うと騒音、サイズなどを抑えられるという。
  • 引用(資料:http://windlens.com/
  • ダクト内へ流入する風速を1.4倍に増速します。発電量は風速の3乗に比例しますので、ダクトのないときと比較すると約3倍を出力することができます。また、風レンズ風車の風見鶏効果で風向変動への追随性にも優れています。さらには、ブレードの回転面積(音源)がコンパクトであることと集風体構造自体が騒音源となるブレード翼端渦を抑制しますので優れた静寂性を実現しました。(中略)羽根の周りを風レンズが囲っているので、鳥などが風車を構造物と認識しやすく、バードストライク防止にも役立っています。このように、風レンズ風車は人、環境、景観にやさしい次世代小型風力発電として注目されております。
  • これを洋上に作り、それに波力発電と浮体を使った魚の養殖などを組み合わせることで、魚と電気の両方が手に入るという状況が生まれます。魚の餌は、バイオオイルを作ったときに出来た藻のカスが使えるでしょう。
  • 洋上風レンズ風車(6角の浮体を使って魚の養殖、波力発電)
  • 大きさは従来の3倍発電するというから、1/3だろう。消費資源量は少なく、それに風洞のようなカバーがある状態、これを超プラスチックで作る。超プラスチックは、ポリマーの結晶密度を上げているだけなので不純物を含まない、よってリサイクルしやすい。騒音も元々少なく、その上、海上だから問題ない。バードストライクの問題も風洞の存在が鳥に物体の存在を認識させているので、ぶつかることはない。つまり、従来の風力発電よりも遥かに環境に優しい次世代風力発電なのだ。それに波力発電を組み合わせて電気を作ったり、魚の養殖をすることで、21世紀の漁業は「捕る」のではなく、「育てる」ものへと変わる。そうすることで、海洋資源保全にもつながる。また、餌の管理をすることで、放射能汚染されていない海産物を供給できる。

地熱発電

  • 日本の地熱資源は年間2000億kWhと言われており、その内50%の1000億kWhが発電に使われると想定した。(既に実用化されているので説明は省く)

石炭、ガス、水力などは、既存技術なので、説明を省く

...とこのようにして発電していくと、日本は自然エネルギーバイオマス化石燃料の組み合わせて総需要6800億kWh発電し、電力の80%を国内自給できるということになる。日本には土地も余ってるし、海も広いし、地熱はあるし、自然も豊かだし、水も豊富、それを使えば、日本人が生きていくのに必要な電気は作れるというわけなのだ。原子力いらないし、化石燃料も少なくていい。自然の恵みを効率よく使い、ドルに依存しないことで他国にあーだこーだ言われること無く、自分たちで立っていける国、そういう自立した国が出来る。

2030年の電力プラン

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