SKY NOTE

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法人税減税は内部留保や配当金が増えるだけ、本当の景気対策とは?

安倍政権法人税減税をしようとしているが、デフレ時には、需要を増やすのが基本であり、供給を増やす法人税減税は意味が無い。それについて、もう少し具体的に考えてみると、まず、現在の不景気は生産力が足りないから起きているのではなくて、消費が足りないから起きている。その原因は、企業が配当金や内部留保を増やして、従業員の賃金を下げたからだ。輸出云々と言っている人も多いだろうが、日本は内需86%(外需13%台)の内需経済国であり、韓国やシンガポールのような外需主導経済ではない。実際、2012年の法人企業統計によると、内部留保10兆円、配当金14兆円である。

つまり、株主(配当金14兆円)や自社の金庫(内部留保10兆円)にお金を貯める事に躍起になっていて、従業員の給与を下げたために、消費が縮小したのだ。その上、消費を冷やす消費税によって、さらに景気を悪化させているが現状である。つまり、消費が減って供給過剰な状態にある企業に対しては増税し、その増税した資金を元に、公共事業をして需要を増やすべきなのである。また、法人税減税によって恩恵を被るのは、全体の30%程度の黒字企業でああり、日本の企業の70%は赤字企業で無税であるため、法人税を減らしたからといって、70%の日本の殆どの企業には意味が無い。つまり、法人税減税は、黒字企業、経営が安定している大企業にばかり恩恵が行くが、そもそも、そういう大企業が黒字なのに従業員に、給与として還元しないからこそ、この不況が続いているのだ。つまり、黒字の大企業を甘やかしすぎた結果が、この不況の温床であり、増税によって、これらの企業からお金を取って、国が消費を増やすべきなのである。日本が貧乏な国の時は、外需も効果があった。でも、今は世界第三位の経済大国で、内需86%、13%程度の外需を増やしても、あまり景気浮揚効果が無い。

本当の景気対策は、以下の様なものである。

若干、見難いと思うが、クリックすると拡大図が出るので、それを見ながら説明したい。

1.内部留保10兆円、配当金14兆円、合計24兆円の内16兆円を給与に還元すること
 配当金 :14兆円→6兆円(2012年の統計を元に試算)
 内部留保:10兆円→2兆円(2012年の統計を元に試算)
 給与  :191兆円→207兆円(非正規→正規:14兆円/最低賃金アップ:2.2兆円)
  ・非正規→正規(260万円→400万円)1000万人(14兆円)
  ・最低賃金値上げ(750円→1000円)700万人(2.2兆円)
   資料:《試算》・最低賃金アップが「日本経済の健全な発展」をもたらす

  • これを実現するために、非正規社員が多かったり、従業員の給与に対し、配当金や内部留保の額が大きい企業には、懲罰的な増税、また、給与アップした企業には減税などの優遇策を儲けて対処するべきである。別名「給与促進税」を提案する。

2.輸出戻し税の廃止(4.8兆円:輸出60兆円、消費税8%とした場合)
 4.8兆円の使い道 
 ・エコカー補助金(1兆円:50万円×200万台)
 ・エコポイント(3.3兆円)
 ・調整予備費(5000億円:需要に応じてエコポイント、エコカー補助金を調整)
 

  • 輸出戻し税は、外国に輸出する製品には消費税が取れないという名目で企業に還付されている税金だが、だいたい為替で8%、つまり、8円程度の違いとなる。しかし、多くの輸出大企業は、黒字でありながらも、内部留保(10兆円/2012年)や配当金(14兆円/2012年)にばかり払って、従業員に払わなかったため、この不況になった。よって、そういう企業に数兆円単位の補助金に相当する輸出戻し税という還付金を払ったとて、国内の景気には全く影響を及ぼさないため、この還付金は無意味である。それに、現在、アベノミクスによる通貨発行により為替が22円(80円→102円)円安になったので、8円程度の問題であれば、為替としては94円台となるだけで、問題ない。輸出戻し税内部留保や配当金になるよりも、国内の需要拡大政策に使ったほうが景気回復には効果がある。そこで、エコポイントに3.3兆円、エコカー補助金1兆円とした。5000億円は調整予備費として勘定している。というのは需要に応じて、エコポイントを増やしたり、エコカー補助金を増やすなど、即応的に対応出来るようにするためだ。エコポイントやエコカー補助金にするのは、要するに国内で27兆円と言われる化石燃料の輸入量を減らし、貿易赤字を減らすためである。また、そういう製品を奨励することにより、環境技術に優れた製品をメーカーに作らせ、輸出競争力を高める狙いもある。

3.エコカー・エコ家電1%ローン
・車5年(2兆円:上限:100万円×200万台:月々2万9000円位)
・家電3年(3兆円:上限:10万円×3000万件:月々2900円位)

  • 国債を総額5兆円(金利1%)発行して、1%金利エコカー、エコ家電の低利融資制度によって需要を喚起する。現在の日本の労働者は、可処分所得が少なく、大型家電や車を買う経済的余力があるとは言えない。そこで、国が金利1%の国債(5兆円)を発行して、月々、わずかな資金で冷蔵庫を買ったり、エコカーを買うことが出来るようにする。こうすることによって、エコポイントやエコカー補助金と連携して、車や家電製品の需要を高める。中・長期的には、電気代やガソリン代を下げて、低所得者の可処分所得を上げ、消費を喚起するのが狙い。輸入燃料代も減るので、貿易赤字も減る。

4.通貨発行(20兆円)
・グリーンバンク(4兆円)
 ・再生可能エネルギー(20年無利子)
 ・断熱窓(10年無利子)
・耐震銀行(3兆円:10/20年無利子)
・農業銀行(1兆円:低汚染地への農業移転経費:20年無利子)
・年金・医療費の補填:2兆円
原発被害者の移住(10兆円:1000万円×100万人)

  • 現在、日本はゼロ金利政策を実施しており、実体経済への通貨供給量が極めて少ない。金利があった頃は、市場にお金が金利という形で供給されていたが、それがゼロ金利政策でなくなったため、経済成長できなくなっている。しかし、だからといって金利を増やすと国債金利が上昇し、結果として政府がデフォルトを起こしてしまうため、金利は上げられない。そこで、日銀が通貨を20兆円ほど発行して、その資金を国内の需要喚起に用いるべきである。(現在のアベノミクスは、その大半を株に投資しており、株を持っている金持ちの中でお金が流れているだけであり、一般人には回らない金に60兆円使っている)再生可能エネルギー、耐震化、食料自給率、年金・医療費の補填、原発事故被害者の移住等に使うのが良いだろう。この程度のお金は、過去にも発行しており、日本の1400兆円と言われる金融資産の1.4%程度と、小規模であることから、毎年やったとしても、問題ない規模である。この規模でハイパーインフレとか信用不安と言い出したら、金利が3%以上ある国が全てハイパーインフレを起こすみたいな主張になってしまう。

5.公共事業

  • スーパーグリッドの建設
  • 従来の道路を中心とした公共事業ではなく、自然エネルギーによる電力の供給変動に即応できる送電網の建設など、次世代の公共投資により、日本はエネルギー自給率を改善し、中期的には貿易赤字解消、長期的にはドルのいらない経済を目指すべきである。

6.郵政公社の株式公開をしない

  • 郵政公社の株式公開をすると、国債の受け入れ先である、ゆうちょ銀行が外資の企業連合に乗っ取られる恐れがあり、その場合、国債買取額を制限されたりするなど、国の柔軟な予算編成が不可能になる恐れがあるため、郵政公社の株式公開はしない。日銀が買い入れるという方法もあるが、そうなると、現状の政府の予算状況では日銀がYESと言わない限り、予算編成が出来なくなる事態になり、日銀は多分、歳出カットを言い出すだろうから、結局のところ需要拡大政策の足かせになる。つまり、郵政公社の株式公開は、日本経済にとって百害あって一利なしである。

 
以上のような景気対策、総額43兆8000億円の景気対策を実施することにより、日本はデフレを脱却し、景気を回復できると考えられる。重要なのは、国内でお金が普通の一般市民の間でグルグル回るようにすることである。そうすることで税収を上げつつ、国民経済を豊かにする。そのためには、TPPに入っては駄目だし、郵政公社の株式公開もしてはダメ。反面、国内のエネルギーや食料の自給率を上げ、内需をさらに拡大し、外需を段階的に削減していき、安定した経済を実現する。その中で、富裕層に傾いた資本を増税景気対策によって、需要を喚起すると同時に富の再分配を行い格差を是正し、経済を活性化するべきである。