SKY NOTE

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人を動かすのには、Readingではなく、Think

人の言葉を聞いていると、他人の受け売り程度の意見と、自分で考えた意見というのがある。それらを「Reading」と「Think」と呼称しよう。

 Readingは、他人や何処かの本で読みかじった意見だから、Reading
 Thinkは、自分で考えた意見だから、Think

自分の聞いているところ、日本の大抵の意見というのは、Readingが圧倒的に多い。膨大な情報をコピーしている点は、賞賛に値するが、創造性に欠ける。しかし、台湾のサービス貿易反対運動をしていたリーダー格の大学生の言葉は、きちんとThinkしていた。

やはり、きちんと考えた意見というのには、リーダーシップが生じる。オリジナリティのない意見は、先頭に立って人を率いる力に乏しい。リーダーシップが生じるようなオリジナティのあるThink系の意見が言えないのが、日本人の問題点だと思う。

単なる反対運動ではなく、経済の問題だったら、それに反対したらどういうビジョンがあるのか、どういう経済が望ましいのか、そういう主張が出来てこそ、周りの人間を説得できるのだ。少なくとも、経済のプロであるビジネスマンに対し、単なる反対だけの主張では失笑を買うだけである。

台湾の学生は、きちんと、どういう経済が良くなくて、どういう経済があるべき形なのかきちんと主張できていた。だから、周りの人間もそれに納得できた。しかし、日本で、私がそう言う意見が必要だと説得しても、そんなこと専門家でもない自分たちに出来るわけないと及び腰になってしまう。

それは、間違えても、非難されても自分の意見をもつことの大切さよりも、誰かにとにかく非難されたくないことの方が優先される意識であるためなんだと思う。でも、そんな弱い意見では、人はついてこない。私は、なぜ、それが大切なのか分かる。アンチテーゼには限界が有ることをPCのOS戦争で身にしみて分かっているからだ。

アンチテーゼの弱さというのは、出口戦略がないことである。MacWindowsの戦いの中で、AppleのOSは、MicrosoftWindowsに比べて明らかに優れていたけれども、Microsoftに負けた。負けている時のAppleは、常にMicrosoftのアンチテーゼを主張していた。それらはまったくもって正しい主張だったが、世の人々はAppleを評価しなかった。しかし、Appleがアンチテーゼを辞め、iPhoneを始めとする新しい提案をし始めた時、その流れは変わった。Appleは勝ち始め、Microsoftは負け始めた。

この違いは何かというと、AppleがThinkしたからだと思う。つまり、考えることで比較対象を必要としない独自の価値を主張できた事に大きな意味がある。そして、それは、新しい市場を開拓し、その結果、モバイル市場ではAppleMicrosoftに勝利した。

つまり、アンチのような比較対象を必要とするものというのは、世の中に弱虫と見られてしまうのだが、そういうものを無視して我が道を進むものを世の中は、「強者」として認める。よって、アンチテーゼは弱い。敵を必要とするのではなく、俺はこうするんだと強く主張できる者を世の中は評価する。

だから、独自の考えが重要なのである。それは完璧である必要はない。どこかの本を聞きかじったような主張では舐められてしまうし、単なるアンチでも舐められてしまう。こうあるべきという力強い主張ができると、世の中はそれを認める。そうThinkした独自の主張は、力強いのだ。その力強さに周りの人間は引き寄せられる。

キング牧師の「I have a dream」という主張は、それは、当時の強烈なアメリカの差別社会であれば、正に想像できないような荒唐無稽な話だったが、しかし、彼は、自分独自の強い主張を貫いた。他者との比較を必要としない、彼独自の哲学で周りを引っ張った。リーダーシップの取れる主張を彼はしていた。

先頭に立つものというのは、常に強い価値観を持って他人を率いていかなければいけないのである。それは、何何よりも良いとか、優れているとか、そういう比較級Betterの話ではなく、最高級であるBestの話をしなくてはいけないのである。

Bestの主張こそ、強い意見となり、それが社会を動かす。だから、Readingではなく、Thinkでないと駄目だし、betterではなく、bestでなくては、ならないのだ。比類なき主張ができること、それが人を動かす言葉というものなのだ。