SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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当事者意識を欠く「リアリティゼロ人間」は危険

リスクを考える時、まるで他人ごとのように解釈する人間があまりにも多い。彼等の意識はモニター越しのものであり、現実と遊離している。地震のリスクでも軍事上のリスクでも政治上のリスクでも経済上のリスクでも、全てのリスクについて、自分の身の回りに起きない限り、我関せずである。これは、平和な時代が長く続き、危機というものに直面した事がないからそうなってしまうのだと思う。

最近、山梨県に大雪が降り、車に閉じ込められた人が沢山出た。雪国の人ならば、大変だと思う。しかし、雪の怖さを知らない地域の人達は「そんなこと、それ以上に雪が降っている県もあるから大丈夫でしょ」みたいな事を平気で言ってしまう。

田中角栄は、豪雪地帯の新潟県出身、彼は西日本出身の政治家に向かって「君は、雪を見ると、トンネルを抜ければ、雪国と小説のようなロマンチシズムで雪を捉えるのだろうが、私にとって雪というのは戦いなんだよ」「それが君と僕との違いかな」という言葉に現れるように、経験のあるものと、そうでないものとは、意識がまるで違う。

実際の雪というものは怖いのである。雪はあらゆるものの移動を制限し、そして、寒い、だから、人を動けなくして凍え死にさせたり、その重さで家を押しつぶすなど、非常に危険なものだ。だから、雪に対して田中角栄は「戦いだ」といった。家が押しつぶされる前に雪を降ろさなければいけないし、移動を確保するために重たい雪を除雪しなければいけない。それがどんなに大変なことか分かっているから、危険だといい、問題だといい、解決するために必死になる。

つまり、経験が当事者意識を人に植え付けるのである。その経験がないと、現実と乖離してしまう事に注目して欲しい。体験していないとその危険性というのはよくわからない。例えば軍事上のリスク、攻撃されたらどうなるか?迎撃ミサイルを配備すればいいと考えるのは、非常に馬鹿げていて、現実的に考えれば、その内の一発でも原発の電源設備に着弾すれば、それだけでメルトダウンである。ミサイル攻撃をされている中、作業員がシステムを安全に操作できるかも、まず、考えると実現は難しい。そして、原発にミサイルが着弾した段階で、勝負はほぼついてしまっている。制御不能になった原発メルトダウン放射性物質が落ちて、食料、水はおろか、工業製品も販売不能となり、ドルがないし、恐らく円も暴落するだろうから、海外から必要な物資がまるで調達できなくなる。

再稼働が検討されている玄海原発メルトダウンさせられた場合

この持点で、既に日本人は餓死するリスク、エネルギー不足で凍死したり、物資の不足による、ありとあらゆる問題が生じる。国民の生存が原発によって著しく損害を受ける可能性が高いのであるからして、稼働するなんて馬鹿げているわけである。原発は停止して、厚いコンクリートの箱のなかに閉じ込め、そして、外交上の摩擦を最小にする努力をする。これが正しい選択である。国民の生存権が著しく破壊された段階で、もう既に負けなのである。そして、それを防ぐ手段が技術的に存在しないか、非常に困難である場合、戦争をした瞬間に、稼働中の原発によって国民の生存権が著しく、損害を受けた段階で他国を攻撃しようがしまいが、現実は沢山の死者と被爆者と、経済不安による長期的な困窮にさいなまれるわけで、そういうリアリティのある思考をしていたら、原発の再稼働など、全然、割にあわないのでやらないことが正しいのである。

人民解放軍のミサイル目標

原発や米軍レーダー基地などが目標になっていることが分かる。

リスクをリアルに考えれば、迎撃兵器を足して対応するとか、日米同盟云々とか言っていると、何が問題かというと、まるでそれがあれば、問題が解決できるような錯覚に陥ることなのだ。現実的に見れば、100%迎撃できるようなミサイルなど製造するのは不可能だし、日米同盟があったとしても攻撃されたら、防ぐ手段がないわけだから、結局、国民は被曝と死が待っている。戦ってしまったらそうなるのだ。

さらに問題なのは、尖閣諸島における誤った報道、実際には、1970年の1000億バレルという古い数字がテレビで流れていること、最新の数字は1994年のもので32.6億バレルである。大体、1バレル100ドル(約1万円)だとすると、尖閣諸島の原油の価値は古い計測データだと1000兆円だが、最新のデータは32.6兆円と1/30なのである。この古い数字がどうして報道機関に流れているか、疑問に思わないとダメなのだ。本当に1000兆円クラスの原油が眠っているのならば、中国は、もっとドヤ顔で自分のものだとハッキリ言っているだろう。だがそうでないところを見ると、彼等の調査データも、日本の調査データとほぼ同じで33兆円程度の原油量でしかないと把握しているのだろう。だから、それほど強く言わない。圧力をかけて、自国に有利な譲歩を引き出そうとしているだけなのだ。中国がたかだか33兆円程度の原油のために日本と戦争したら、損をするのは中国の方である。日本の工業製造機械を輸入することで中国の工業力は支えられているのだから、それが入らなくなってしまえば、中国の工業力は破綻する。そして、その額は、尖閣の33兆円をはるかに超える額になるだろう。もっと言えば、工業力が減退し、経済が停滞すれば、民衆の不満が高まり、13億人とも言われる中国人が共産党政権を倒しに来るだろう。そうなったら、彼らは終わりである。

現実のリスクを考えれば、武器を増やせばいいだの、日米同盟云々と言っている段階で何か頭おかしくありませんか?と言えてしまうほど、情勢判断にバランスを欠いている事がわかる。リアルに考えれば、日本、中国ともに全く利益にならない。だからこそ、領海侵犯など脅しをかけてチョッカイを出してくる程度なのだ。本当に取りたいのならば、韓国のように竹島に軍隊を派遣して実効支配している。しかし、それをしないのは、戦争をする気など最初から無く、ただ、外交交渉上の優位性を確保することが目的なのだと分かる。ちょっと脅しをかけられた程度で戦争だの、何だのと騒がず、冷静に相手の主張を見つめ、毅然とした姿勢で交渉に挑むのが正しい姿勢だ。そのことが日本にとっても中国にとっても、正しいことなのだ。リアルに考えれば、そうなる。戦争だの何だのと、考える事自体が、情勢判断にバランスを欠いていると言う他なく、そういうバランスを欠いた低い判断力では極端な結論になりやすく、国内のそういう極端な発想の方が中国よりも遥かに危険なのである。

幸せな少女の人生が戦争により1年で逆転してしまう動画【悲しい動画】

こういうことになるのは、戦争を騒ぎ立てる人間なのである。そして、騒ぐだけ騒いで、争いをもたらし、誰もその責任を取らない、あとに残されたのは廃墟だけ、というのが、現実である。この少女のような現実は、戦争になれば起こりうる。しかし、それをする道理は双方の国に全くない。騒ぐ無責任なバカがいるだけである。