九州工業大学の西田治男教授が、竹繊維を使ったプラスチック材料を開発した。
西日本新聞:竹ファイバーで強化プラスチック 九工大が新材料開発 2014.1.29
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/66254
竹繊維を混ぜたプラスチックで作った建築資材
従来、竹繊維の取り出しには、高温の圧力容器内で加減圧を繰り返したり、薬品で溶かしだしたりしていたが、それにはコストがかかり、実用的ではなかった。それを西田教授は、竹に水蒸気をあてて、繊維周辺の物質を分解する手法を使い、220度付近の水蒸気を1〜1.5時間当てて、細かく粉砕し、繊維を取り出す方法を確立したという。
この竹繊維を複合したプラスチック材料の特性
・竹繊維配合率(30〜50%)
・通常のプラスチックに比べ強度が2倍
・熱による膨張1/10
・静電気も帯びにくい。
このプラスチック素材は、通常のプラスチック素材よりも安くなるため、既に九州の自動車部品メーカー2社が製品化の可能性を調査、大手素材メーカーからも問い合わせが来ているという。
用途としては、建築素材のほか、優れた帯電性を活かして、半導体のクリーンルームで使えるのではないかと期待しているという。
現在、九州の竹林は6万4400ヘクタール(2012年)、日本全国だと15万ヘクタールとも言われ、ほとんどが活用されていない。それらが低コストな強化プラスチックとして有効に活用されるのはいいことだ。ただ、九州の竹はいいのだが、福島周辺の放射能汚染された地域の竹は使わない方がいいとも思った。何にせよ、国産素材が増えるのは良いことだ。オーランチオキトリウムによるプラスチックと、この竹繊維の組み合わせによる純国産強化プラスチックによるプラスチックの自給ができたら素晴らしいと思う。
竹の性質
http://www2u.biglobe.ne.jp/~waroh/plants/take-2.htm
・タケノコから2〜3ヶ月で1人前の大きさになり葉を茂らせ光合成を開始する。
・2ヶ月弱の間に20メートルもの高さに成長する。
非常に成長が早いので、資源としても有望かもしれない。何よりコストが安いというのが素晴らしい。