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東京都知事選の候補について

東京都知事選が開かれる。そこで、主要な3人の候補について考えてみる。

1.舛添氏について

    • 舛添氏の主張
    • 「私も脱原発
      • →これは原発推進政党の推薦を受けている段階で説得力がありません。論外です。(口ではなんとでも言えますね)
    • 「東京を国家戦略特区に指定し、2020年五輪へ大胆な都市改造を」
  • これだけを聞くと、なんか素晴らしい事のように聞こえますが、国家戦略特区とは
    • Wikipedia:
    • 外国企業の誘致のため、「解雇ルール」、「労働時間法制」、「有期雇用制度」の3点を見直し対象とする特区を設けるというもの
  • この中の、解雇ルール、労働時間規制について、書きます。
  • 解雇特区
  • これは解雇規制の緩和で、つまり、首切りの自由です。日本は、解雇がしにくいという事で外国企業の誘致が出来ないというのが彼らの主張です。OECDの勧告には、正社員が解雇できないことによって非正規雇用が増大し、所得格差が増大したという事で解雇ルールを制定せよという内容になっている。
  • 一見、正しそうな論理ですが、この論理は、失業者を増やして正社員を増やせということなんですね。そこで、この通りに正社員を増やしたら、どういう事になるのか、日本全国の統計でシミュレーションしてみましょう。
  • 労働者:5400万人 賃金総額191兆円
  • ・正規社員:3140万人 平均年収430万円
  • ・非正規数:2000万人 平均年収260万円
  • ・失業者数: 260万人(失業率 5%)
  • 非正規をなくし、正規のみで計算してみる。
  • ・正規社員:4441万人
  • ・失業者数: 959万人(失業率18%)699万人が新たに失業
  • つまり、OECDの主張のとおりに解雇規制を緩和し、正規社員を増やしていくと、非正規は少なくなっても、失業率が5%から18%になることが分かります。それだけでなく、このような解雇の規制緩和をすれば、企業は699万人近い人員カットとなり、その分の仕事が全部、既存の正社員の長時間労働で実施しなければいけなくなります。
  • 国家戦略特区過労死特区/残業代ゼロ
  • そこでホワイトカラーエクゼプション(別名:過労死特区)が出てきます。これは労働時間規制の緩和です。別名、過労死特区と言われています。これは、残業代を800万円以上の給与を持つものに対し、ゼロにするという労働時間規制の緩和です。しかし、経団連の要望は、400万円以上とあり、経済界の圧力で今後800万円円以上が400万円以上の給与を持つものに対し、残業代ゼロにされる可能性があります。この規制緩和により、企業は解雇規制緩和によって人員を少なくした分の仕事を労働者の労働時間の長時間化(残業代ゼロ:無料)で対処できるということになります。これらの政策で生じる日本社会は、失業率18%の労働環境の中、失業に怯えながら、長時間労働で過労死寸前まで働かされる労働者の姿です。舛添氏の国家戦略特区法案とは、そういうものなのです。オリンピックにそなえて国家戦略特区という華々しい主張をしていますが、その影で、こういう地獄のような政策が控えている事を都知事選では、考えて投票した方がいいでしょう。私も東京都民ですが、絶対に舛添氏には入れません(笑)。ほとんどホラーです。
  • 恐らく、OECDとしては、日本は解雇規制の緩和によって外国企業を誘致し、雇用を拡大できるという主張なのでしょう。ですが、どれだけ外国企業が誘致できるかどうかが不透明です。下手をすれば、単純に失業率が18%になってしまう恐れがあります。(これは、自由化を進めたヨーロッパ諸国では、この20%近い失業率はよくあります。つまり、解雇自由化は、失業の増加を意味します)
  • では、どうすればいいのでしょう。
  • そこで、法人企業統計を紐解いてみます。法人企業統計は、日本の企業がいくら儲けて、いくら賃金になって、税金をいくら払っているかの総額が記されている統計です。そこで分かるのは、2000年以降から、グングンと内部留保と株主配当金が伸びていることが分かります。配当金は2倍になり、内部留保は + 11兆円くらいですね。
  • つまり、総額24兆円程度の内部留保(約10兆円)と配当金(約14兆円)を下げれば、賃金の総額191兆円を嵩上げすることが出来ます。OECDは、日本企業の巨額な内部留保と配当金を無視して、解雇をしろと言っているように聞こえます。では、どれくらい資金があれば、正規社員を雇用できるのでしょうか?
  • 平均賃金430万円 完全雇用5400万人
  • 5400万人×430万円=232兆円(41兆円不足)
  • 現行の正規社員の賃金水準を減らさずに完全雇用だと41兆円必要です。これでは、内部留保も配当金も全部使っても足りませんね。では、正規社員の給与を平均400万円に下げて、完全雇用と致しますと...
  • 平均年収400万円 完全雇用5400万人
  • 5400万人×400万円=216兆円(25兆円不足)
  • こうすると、内部留保と配当金を全額使えば、トントンになります。でも、実際は、給与増額分は16兆円程度でいいんです。というのは、400万円の賃金で貯蓄率10%だと、賃金の94.5%(貯蓄率:給料全額ではなく、可処分所得の10%)は消費されてしまうので、賃金を上げるということは、その94.5%の額が消費を増大させることを意味します。つまり、16兆円給与を上げれば、翌年の消費は前年よりも15兆1200億円増え、大体、その4割が給与になりますので、翌年の給与増額は16兆円+(15兆×40%=6兆円)=22兆円となり、これを繰り返していくと4年後に25兆円給与が上がります。つまり、解雇などしなくても、労働分配率を挙げて16兆円給与を上げる政策を実施すればいいのです。つまり、OECDの解雇規制緩和の勧告の必要性は全くないと言えます。さらに、労働者が5%増員されるので、その分、企業は長時間労働を減らす事ができます。重要なのは規制緩和ではなく、労働分配率の向上です。そのためには、既存の正規社員の給与を労働時間の短縮などで下げつつ、雇用を増やし、非正規雇用の正規化を促します。そうなると、人々は失業に怯えること無く、残業も少なくて、しかも、正規ですから賃金もある程度あり、働きやすくなるはずです。しかも、給与総額のアップで消費も増大しますから、景気も良くなります。まさに舛添氏の国家戦略特区の地獄の世界に比べれば、天国のような労働環境です。
  • つまり、規制緩和よりも、配当金や内部留保(24兆→8兆)を日本が景気が良かった水準に戻し、そのお金(16兆)で非正規などの低賃金労働を減らす事で需要を増やし、労働法制を企業に守らせる事で、長時間労働を是正し、その分不足した雇用を増やす。
  • このことが結果として、景気を良くすることに繋がるわけです。そう言う意味では、非正規を減らすために規制を強化したり、長時間労働を減らす取り組みなどを徹底する。このような政策で損をするのは株主ですが、彼らの儲けが減っても彼らの生活は、それでも私たち庶民より裕福なのです。また、企業の内部留保も急激な円高などの備えとして重要でしたが適切な通貨発行さえすれば、為替変動を調整できることも、アベノミクスで立証済みです。刷ったお金で政府が公共事業に使い、需要を増やせばいいだけなのです。これは、ノーベル経済学賞をとったスティグリッツ教授やクルーグマン博士も言っていることです。「日本は所得格差を是正(可処分所得を上げ需要を増やす)し、政府がお金を使う(需要を増やす)べきです」(デフレからの脱却)と。

2.細川氏について

  • 細川氏は、脱原発を掲げていますが、その詳細が不明です。では、本当に脱原発をしてくれるのかということでキーマンとなるのが小泉氏だと考えられます。現在、小泉氏がやっていることは、郵政選挙の時と同じ手法をとっています。いわゆるワンフレーズ・ポリティクスです。脱原発というワンフレーズを武器に他の候補を圧倒する勢いです。郵政選挙の時もそうでしたが、いわゆる小泉劇場と言われ、彼の主張は一種の幻です。多くの人は、その具体性のないワンフレーズに魅了され、それができれば、脱原発が可能だという幻想にとらわれてしまっています。でも、実際は、彼はとても冷酷な男です。平気で大きな嘘をつく男です。普通の人は、大きなウソをいうのは怖くて言えませんが、彼はソレが言える人間なんですね。だから、彼の主張には少し眉に唾を付けて聞くことが必要です。平気で民衆全体を裏切れる男だということを念頭に置き、その上で、彼がしてきた政策を振り返ってみましょう。人の本性は、その言葉よりも、その行動で分かるものです。それを端的に表すツィートを紹介します。
  • ここで富裕層優遇とありますが、正にその通りで、法人企業統計で内部留保や配当金が急激に増え始めたのも、この小泉政権の時だったんですね。つまり、彼は自民党内では政敵を二項対立を演出して潰し、国民に対しては富裕層優遇という形で裏切ったわけです。この時点で、その小泉氏が支援する細川氏に入れるのはリスキーだと思います。それを示すツィートを紹介します。
  • 彼の言う脱原発の特徴が「脱原発」のワンフレーズであり、具体性が乏しい事に留意すべきだと思います。本当に真面目に約束するつもりならば、宇都宮候補のように具体的な約束をするはずです。しかし、彼の脱原発は「脱原発」の「ワンフレーズ」なんですね。ここが彼の主張の肝です。この曖昧さが後でいかように解釈できる余地を残してしまっています。本当に脱原発を望んでいる人は、彼に入れない方が良いでしょう。彼の「脱原発」は信用なりません。
  • それに、以下の記事に小泉政権安倍政権の共通点がありますが、結局、舛添氏や細川氏に入れても、どちらも大して変わらないのです。
  • 実際、小泉氏のとってきた政策でどれだけの人が非正規に落とされ、給与を失ったのでしょう。その反面、富裕層は莫大な配当金を受け取ったのです。彼はこの点について上記の記事によると「正しかった」とはっきり述べています。つまり、彼は今でも新自由主義者であり、民衆を切り捨てる雇用慣行を肯定しているのです。この一点をとっただけでも、一般庶民は彼(細川氏 & 小泉氏)に入れるべきではありませんが、それに加えて、己の政策で国民の多くが苦しんだのに、それを正しかったと偽りを述べることから、自分を正当化するためには、偽りも平気で言う男だということが分かります。つまり、彼の脱原発は信用なりません。約束も曖昧ですしね。これで細川氏も選択すべき候補とは言えないと考えられるのです。
  • その背後にいる小泉氏を見れば、舛添氏に入れるのと同様のリスクが細川氏についても言えるでしょう。よって細川氏も選択すべきではないと考えられます。

3.宇都宮候補について

  • さて、舛添氏と細川氏(小泉氏)について述べてきました。舛添氏の国家戦略特区のリスク、小泉氏の脱原発のリスクについて書いた所で宇都宮氏です。宇都宮氏の経歴は前日弁連会長であり、徹底して市民の立場に立って弁護を引き受けてきた弁護士です。消費者金融など、ヤクザが係る案件などにも、率先して市民の立場を貫き、弁護を続けてきました。NHKのプロフェッショナル仕事の流儀でも、それは紹介されています。

 

  • 前回の都知事選でも96万票の次点でした。国家戦略特区にも反対、脱原発には具体的に何をするか明言している点で、舛添、細川両氏とは一線を画す候補と言えます。
  • http://t.co/cD9hA2w2ij
  • 引用:宇都宮さんは私の質問に、「脱被曝」にも取り組むと答えた。福島からの 避難者支援だけでなく、都内の土壌汚染調査もやると明言
  • 宇都宮氏の脱原発は、東電の大株主として主張すると言っておりますし、脱被曝とも主張しておりますので、首都、東京が食品汚染の問題などに徹底的に取り組めば、周辺各県も、それに追随せざる負えなくなると予想されます。というのは、東京という大消費地の方針には、生産者は適応することになると考えられるからです。そうすることで、日本全国の放射能汚染に対する問題がクローズアップされ、前に進むことになります。当然、国の対応も変わらざる負えないほどのプレッシャーが生じることは予想できます。また労働問題にも取り組むと言われていますので、長時間労働や解雇の問題も法律に則って、行動されると考えられます。何しろ元弁護士で、バリバリの市民派ですから。既得権益者には最も怖い候補であり、都民にとって、最も味方になると考えられるのが宇都宮氏です。経済についても、桝添氏の所で示したように労働分配率を上げる事で対処すると考えられます。それは、ノーベル賞を受賞した経済学者のクルーグマン博士やスティグリッツ教授の提言にも合致する正攻法の経済対策です。(クルーグマン博士やスティグリッツ教授の主張:所得格差を是正することで消費を増やし、公共事業などで需要を増やしデフレから脱却する)基本的に都民にとって、最も幸せになるのは、宇都宮氏と言え、宇都宮氏を選択することが最も賢明だと考えれます。

長い文章をお読みいただきありがとうございます。今後、もう少し短いバージョンも、書いてみたいと思います。