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うつ状態で思考停止している人々【政治うつ】

うつ状態で思考停止している人々

最近、常々オカシイと思うのは、世の中には自分より頭のいい人が沢山いるのに、それが社会の意思決定に反映されないのはなぜかということだった。その謎が1月7日、放送された。たけしの「みんなの家庭の医学〜しつこい身体の不調を解消する4つの新事実SP〜」を見ていて氷解した。

この中で腰痛に苦しむ方が、実はストレスから生じる腰痛であったというもので、その際に医師が行った治療法は、患者さんに日記をつけてもらって、その日記から心の歪みを見つけ出し、それに対して、医師がアドバイスをするというものだった。

これがなぜ、社会の意思決定に関係あるのかというと、まず、ストレスで体が本人が気が付かない所で不調になってしまう。いかにうつ状態の破壊力が大きいかを証明した内容だった。そして、それに対する医師のアドバイスは、患者の悲観的な解釈に対し、「それについて、どのように対処すればいいと思いますか?」と質問し、対処法を考えさせ、問題が起こってもリカバリーできるということを自分で認識させるというものだった。

この悲観的認識という点で「政治なんて、どうせ何やってもダメ」という日本社会全体の心の歪みを感じ取ることが出来る。「では、その問題を解決するためには、どうしたら良いと思いますか?」という問いかけは有効だと感じた。なぜなら、腰痛で苦しんでいた患者さんは、医師との対話を2年ほど続けている内に腰痛が治った。それと同じように私たちの「政治うつ状態」もこの医師のコミュニケーションモデルを採用することで解消できると私は考えた。

つまり、本来、健康である人も、精神を病むと病気になるように、本来、賢明である人も精神を病むと、愚かになる。問題は、そのうつ状態の解消をすることであって、日本人が無能なことではないと思うのだ。これだと、自分より頭のいい人が間違った結論に至ることもクリアに説明できる。問題は、知性ではなく、精神状態にあるのだ。実際、どんなに賢明な人でも悲観的になると、ありとあらゆる可能性を無条件に否定してしまう傾向がある。

そこで、どのように社会を変えればいいかというと、まず、単に社会の問題点を指摘するのでは、みんなが鬱になってしまい逆効果なので、その対処法を提示することに主眼を置くことなのだ。例えば、景気回復にはどういうことが必要なのか、数字を交えてきちんと説明する。実際、日本の景気を回復する方法は、法人企業統計を見れば明らかだ。内部留保(10兆円)や配当金(14兆円)が多すぎることが原因だ。(24兆円の内、16兆円賃上げすれば、需要が増えて、4年後に25兆円給料が上がって不況は解消される。

不況(賃金総額191兆円→216兆円 25兆円の給与アップが不況を終わらせる)
【失業(260万人)→完全雇用(5140万人→5400万人)】
【非正規(年収260万円)→正規(400万円)】
 400万円×5400万人=216兆円

 法人企業統計(各PDFの5ページ目にある)
 http://www.mof.go.jp/pri/reference/ssc/results/index.htm#01
 平成24年法人企業統計(2008年〜2012年).pdf
 2012年 配当金:13兆9574億円 内部留保:9兆8769億円
 
 画像をクリックすると拡大します。
 平成17年法人企業統計(2001年〜2005年).pdf
 2002年 配当金:6兆5974億円 内部留保:−1兆1830億円
 
 画像をクリックすると拡大します。

それを説明しても誰も納得しない。では、何が問題なのかと聞いても、合理的な説明はない。この合理的でない所が実は「うつ」だったのだ。私は、これを「政治うつ」と名づけた。重要なのは、知性の問題ではなく、精神の問題だったのだ。

私が、彼等に説明しなければいけなかったのは、解決法のみならず、合理的でない心の歪みがあることだった。自分の心の歪みを認識し、その上で合理的な対処法について論じる。これを粘り強く続けていくことで、社会全体に蔓延しているうつ状態を解消するというわけだ。まず、その第一歩として私は、このうつ状態を「政治うつ」と命名することから始めたいと思う。そして、腰痛を治した医師のようにカウンセリングのような訴えかけで人々の「政治うつ」を治していくことが大事だと思う。それができれば、最終的には人々は合理的な選択をし、景気も回復という流れが生まれるだろう。