Panasonicが約1mm角の太陽電池セルを並べた集光型太陽電池を開発した。モジュール変換効率は34.7%
【EU PVSEC】Panasonic、約1mm角の太陽電池セルを並べた集光システムを開発
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20131003/307040/
開発品
・太陽電池セル:Solar Junction社から調達
GaAsを基板に用いた3接合の化合物多接合型
・10mm角のレンズモジュールタテヨコ5つずつ並べて(5×5)50ミリ角のモジュール
開発品の仕様
・発電効率 :34.7%
・セルサイズ :0.95mm角のセル
(実際に発電するアパーチャーエリアは0.56mm角:0.31平方mm)
・レンズ :10mm角のレンズ(100平方mm:集光倍率:約625倍)
アパーチャーエリアから計算してみると319倍なのだが...
・モジュールサイズ
厚み :20mm
タテヨコ:10mm角
・短絡電流密度:10.0mA/cm2
・開放電圧 :3.23V
・曲線因子 :0.789
・測定
京都:気温30.5℃、風速1.2m/s、直達日射(DNI)735W/m2の条件
開発品のメリット
(1)セルを小型にしたことで温度上昇が抑えられ、放熱が容易になった
(2)同じく小型化により、波長の違う光の投影位置のズレが減って、2次レンズが不要になった
(3)レンズとセルを接触する構造にしたことで、レンズと空気の界面で発生する光学損失を減らした
(4)50mm角のモジュールを「ブロックのおもちゃのように自由につなげて任意の形状にできる
ざっとみたところ、集光型の問題である。熱の問題を小型化することで放熱が容易になっていることが注目に値する。集光型はとにかく熱が問題になるので、この放熱がしやすいというのは、大きい。また、小型のレンズモジュールにすることで厚みが20mm程度しかないので、ボディがコンパクトに出来、その分、架台にかかる過重を減らせるように見える。一番大きいのは熱の問題で、放熱しやすいということなので、多分放熱に使う素材は、高価な銅ではなく、アルミや鉄など比較的、安い金属が使えるんだと思う。そう考えると、軽くて薄くて安い集光型太陽電池になる可能性があり、有望だ。
集光型太陽電池は、セル自体のコストは通常の太陽電池よりも100倍高いものを使う。だが、発電効率が通常の太陽電池の2倍で、必要なセルの使用量も1/300〜1/500で、レアメタルの使用量が少ない為、発電量あたりのコストは通常の太陽電池の1/2〜1/4程度と安い。ただ、現状では技術開発段階のものが多い。(既に実用化して販売されているものもある)実用化すれば、安いコスト(4〜10円/kWh)で発電できることから、主要な電力システムになるポテンシャルを持っている。
原発などを使わず、放射能汚染で使用不能になった農地で、この集光型太陽電池を設置すれば、環境を汚染しない安全な電力は手に入る。原発ムラの影響力が幅を利かせる日本では、マスコミの偏向報道によって自然エネルギーは十分な電力にならないと言われているが、世界では、自然エネルギーは既に有望な電力源である。中国なども積極的に開発しており、日本で使われる太陽電池にも中国製の安い太陽電池が入ってくることからも、高くて役立たずという理屈が全く見当はずれであることが分かる。そんなに高いのならば中国で作られているはずがない。
日本は技術があっても、権力を持っている連中(金を動かせる連中)が、ある種の「放射脳」なので、合理的な判断ができないことが、ネックになっている。とにかく、彼らはデマを一生懸命に流し、まことしやかに自然ネルギーや駄目だ、ダメだと必死だ。それだけ、有望であるから、ダメだと一生懸命に言っておかないと自分たちが駆逐されることを知っているのだろう。恐らく、こういう技術のポテンシャルを最もよく理解しているのは原子力村の連中だと思う。自分たちが作る電力よりも安くて、環境にやさしい。しかも地下資源に依存しない、極めて有望なエネルギー源、バッテリー技術の進歩とともに、発電量のムラを吸収できるように成ってい行き、いずれは、原発を駆逐することを、彼らはよく分かっている。だからこそ必死でダメだと言い続けないといけない。
発電コスト
太陽光 :23.0円/kWh(ヤマダ電気の安売り太陽電池:2012年)
天然ガス :16.0円/kWh(燃料14.6円(2013年)+送電コスト1.7円)
原子力 :15.0円/kWh+α(使用済み燃料処理費+安全対策)
風力 :12.0円/kWh
地熱 :9〜12円/kWh
集光型太陽光:5〜10円/kWh
石炭 : 2.6円/kWh