SKY NOTE

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BS1 NHK 「イラク人ジャーナリストの見た戦争」を見た。2013.9.8

昨日、戦後10年経ったイラクを見た。アメリカが2003年、戦争を起こしたイラクの10年後の今を見た。それは、酷いものだった。アメリカの戦後対策は、イラクの政治、行政、経済、産業、教育をズタズタに破壊した。その様子をイラク人ジャーナリスト、アリ・マシュハダーニさんが来日して、日本人の私たちに伝えていた。印象的だったのは、「アメリカの嘘に騙されないで下さい」という言葉を言った後、内戦で苦しむイラクの惨状を示すスライドを示したことだった。

 番組タイトル:BS特集「イラク人ジャーナリストが見た戦争」
 https://pid.nhk.or.jp/pid04/RebroadNoticeInsert/Confirm.do?pkey=305-20130908-11-31182

アメリカの戦後政策のマズさを、順をおって説明したいと思う。

1.政治

  • アメリカは、戦後、バース党を解体し、追放することに決めた。しかし、強力なバース党による支配体制が崩壊した後、イラクは分裂した。フセインが支配していた頃は、よくも悪くも、対立は禁止事項であったため、一応、その中でイラクの政治は制限はあるものの、安定して運営されていた。しかし、それがアメリカの戦後政策でなくなったため、内部対立が先鋭化し、武力対立に発展、選挙中は武器価格の相場が上がるなど、イラク政府の統治能力が著しく劣化した。スライドでは、選挙中の学校が爆破されるなど、選挙妨害が公然と行われ、同時にテロリストが闊歩するという治安状態が極端に悪化し、今年に入って4000人以上が亡くなっている。

2.産業、経済、教育、行政

  • これは、致命的な問題で、そういった誤った政策によって、イラクの産業は崩壊、かわりに外国企業がイラクの油田を開発、その利益は外国へ向かった。その結果、イラク産油国なのに、貧しく、困窮を極め、内部対立が先鋭化した。教育も滞るようになり、無知と破壊がアルカイダなどのテロリストを呼び込み、イラクの治安は崩壊した。子供達は、白旗を掲げないと、遊べない状況になるなど、ひどい状況が続いていた。この状況を見て思ったのは、内部対立など、その国の分裂というのは、知識階級の喪失による経済の悪化や政治、行政機能の低下が原因だということが分かる。バース党員2万人の中には、大学の教員、油田開発の技術者など、イラクを支えていた知識階級が少なからず含まれていて、それを失ったイラクは、自国の経済や産業を支えられなくなり、そこから生じる貧困と闘争がイラクを内部から破壊していった。この戦争が、大量破壊兵器をなくすための正義の戦争ではなく、結果から見ると、イラク戦争は、外国の石油企業によるイラクの油田を奪うための口実に過ぎなかったことが分かる。もし、イラクの為を思うのならば、バース党員であっても、その国の自治を支えるテクノクラートの追放などしないはずだ。しかし、そういった人材がいると、イラクの油田を奪えないと考えたであろう事は、容易に想像がつく、歴史を見れば、テクノクラートを失った国がどうなるかなんてことは分かっていたことなので、わざわざ、そう言う愚行を行う理由は、イラクの石油の略奪以外にないと自分は思う。アメリカという国が石油を奪うためにイラクでやった事を思えば、TPPによって日本経済を破壊し、そこから生じる利権をむさぼる連中がいてもオカシイともなんとも思わない。

イラク戦争に見るアメリカの今

  • 今のアメリカは、他国を戦争や経済政策で食い物にしている最低の国に成り下がった。その背後には、多国籍企業があり、その支配のもとで、アメリカは他国に正義の名を借りた戦争を仕掛け、油田を奪ったり。TPPや米韓FTA,NAFTAなどの自由貿易協定と言われる事実上の植民地政策を実施して、自国や他国の医療費を高くして薬代や医療特許で儲け、労働者の賃金を低くして、企業が利益を貪るなどして苦しめている。そういう海外の事例を見れば、アメリカがいかに腐った連中に支配されコントロールされているか分かる。イラクは、そのアメリカの暴政の片鱗にすぎない。イラクの惨状は、TPPによって支配される日本の未来の姿かもしれない。日本の場合は、戦争というよりも経済を狙われているだろう。日本には油田よりも優秀な労働力がある。その労働力を食い物にしようと、多国籍企業が狙っていることを多くの日本人は、まだ知らない。しかし、今のアメリカがすることは、正義ではないことは、イラクを見れば確かなのだ。