SKY NOTE

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なぜ人は反省しないのか

何度も詐欺に騙される母を見ていて、なぜ母は反省しないのか考えていた。そこで2つの要因があることがわかった。今日はそのことについて書く、なぜ、そういう事を書くかというと、現在の日本社会もまた、マスコミという詐欺師に何度も騙されているからである。では、さて、反省しない2つの要因を述べるとしよう。

1.「空」と「無知の知」(注:両方とも同じ意味)

  • まず、人の言うことを聞くには自分の中に「空」の心がなければいけない。これは、老子ソクラテスが言っている事で、老子の空の説明で有名なものは、「袋も空であればこそ、入るのであって、空こそが重要なのだ」つまり、空であればこそ、人の話を聞くことが出来る。コレが自分は賢いとか、優れているとか、余計なものが入っていると、人の話を聞かないわけだ。ソクラテスの場合は、「無知の知」と読んでいる。自分は物事を知らないと思えばこそ、周囲の意見を聞く姿勢が生まれ、それもまた知性の1つだとソクラテスは述べている。


2.中に入れるものがない(忠言そのものがない、忠言があっても忠言だとわからない)

  • もう一つは、例え、空の心を持っていて、人の話を聞く余裕があったとしても、入れるものが見つからなければ入れられない。つまり、忠言そのものがない場合である。これは、反省したくとも反省できないといった方が正確かもしれない。忠言が忠言だとわからないのは、要するに、それが正しいかどうか明確にわからないからである。つまり、情報がハッキリしていない。明確ではっきりした情報がないと、わからないのだ。

私は、天才の義父と対話する過程で、自己への認識に対して、己はバカだという自覚があり、空の心を一応持っているつもりだけれども、この空の心、簡単に有に変わってしまう。自分が多少、勉強して知っていると思っている分野になると、途端に空の状況は消えてしまう。(傲慢になる)だから、自分がいつも考えるのは、実績や実状と自分の考えを比べた時、実績や実状が自分と意見と違っていたら、自分が何らかの形で間違っていると考える。つまり、実利主義に徹することで、己の空の状態を維持するようにしている。つまり、実績や実状という正直者の意見を聞くわけだ。TPPの議論で、私が参考にしたのは、自由貿易協定を採用した国々の実状だ。デフレが進行し、失業者で溢れ、不況が起きている。つまり、そういう実情を見て、TPPには入るべきではないと言っているのだ。

  • 北米自由貿易協定でのアメリカの実状を示す写真
  • 家族揃ってホームレス、この写真そのものがアメリカ経済が破綻しており、社会保障制度が脆弱である事を示している。日本ではこのようにならないために、生活保護制度があるが、このように子供が路上に座るという状況があるということは、そういうものがなく、同時に、そのようになってしまう貧しさがあるということをハッキリ示している。

現実を直視することによって、空の心を持つことが出来る事を説明した。つまり、己の心よりも現実を優先する姿勢、これは、なぜそう考えるのかというと、現実を無視すると、虚構が肥大化し、手に負えなくなることが分かっているからである。だから、そういうものが肥大化する前に、消しておく。虚構とはウソであり、ウソは、つき始めると、さらなるウソで補強しなければいけなくなる。そのような面倒なことをするよりもあっさりと現実を認めたほうがいよいという考えである。つまり、実利主義という虚構を否定する姿勢が、空の心を補強する。

もう一つは、たとえ、そう言う実利主義であっても、現実が見えなければ、それを判断することも出来ない。つまり、情報不足で反省できない状況だ。この点は、TPPに反対する議論では何度も情報が提供されているはずであるが、殆どの人達は、それに耳を傾けていないようだ。なぜかというと、多くの人は、その意見が正しいかどうか分からないからである。この場合、重要なのは、正確な情報というよりも、それが正確だとハッキリ分かる様なものが少ないことが問題なのだ。それに日本社会では、虚構であっても、それに集団が同意すれば、それに盲従するという悪しき習慣がある。しかし、そんな事をしていると、ウソが勢力を持ち、そのウソで儲かっている連中の利益になるだけで、私たちが損をするだけなのである。だが、多くの人々は、そういうウソを認めてしまっている。なぜなら、一定水準の生活がまだまだあるからである。手厚い社会保障(年金、医療保険生活保護)、生活出来ないほど低くない賃金、それらが組み合わさって、痛い目にあっていない、まだまだ日本は大丈夫だと思える状況があるから、「まぁ争わなくていいんじゃね」という余裕がある。しかし、TPPでは、その余裕が完璧に取り払われる内容であり、諸外国でそれが実践され、多くの人々が苦しんでいる。だが、テレビや新聞では、それが報道されていない。インターネットだって、自分でそれを調べようとしなければ、そういう実状を知る由もない。つまり、事実を知ることがなければ、たとえ心に空が合ったとしても、そこに入れるものがない以上、満たされないわけだ。その結果、反省しない。

私も原発問題では、最初の半年くらいは、政府が、国民を見捨てるはずがないと思っていたが、インターネットで放射性物質が体内で蓄積するという内容を見た時、考え方が180度変わった。そして、被曝は、単にシーベルトベクレルだけではなく、被曝時間が重要だとわかり、その事についてマスコミが全く報道しないことで、マスコミがウソをついていることもわかった。同時に東京にも放射能の雲が降りていたという状況を把握した事で食事を徹底的に変えたのだ。

  • 福島第一 Fukushima Unit 3 Plume プルーム (HD)
  • 動画の47秒目辺りで東京に高濃度の放射性雲がかかったことが分かる。

つまり、私は、インターネットで事実をかき集め、それらを組み合わせ、そして、その影響を計算してみると、内部被曝では濃縮によってセシウムでは、最大140倍(セシウムの生物学的半減期110日から算出)、時間は24時間365日なので、レントゲンの照射時間(1秒)の3153万6000倍(秒)になる為、内部被曝は非常に危険だと分かる。つまり、濃縮した後で1年間被曝すると1日の平均摂取ベクレル数に対して44億1504万倍の放射線を受けていることになる。しかし、人間の体は、その1年の間にDNAを修復するので、その44億倍という影響で壊れたDNAは、100%壊れるわけではない。しかし、高濃度に被曝すれば、修正されないものも出てきて、ガンになったりする。だから、広島で被曝した肥田医師は、ストレスを溜めないようにと言っている。つまり、汚染作物は避け、同時にストレスを貯めずに細胞の修復力を高めて、被曝に立ち向かえと言っているのだ。情報を集めて、きちんと計算すれば、どれだけ危険か分かる。それらは実際に広島で被曝を体験した人々の意見との整合性、チェルノブイリでの数年後の被曝症状などとも一致する。このように情報を、ただ集めるだけでなく、それらを組み合わせ、そして、定量化することで、問題の規模を測る。その計算をきちんとする。さらに子供に影響が大きく老人が少ないというのも、きちんと説明してみると、放射線は結構、壁が合ったりすると簡単に遮蔽できてしまう。細胞膜で守られたDNAは、なかなか壊せない。しかし、問題はDNAが露出する細胞分裂時である。

この細胞分裂時、細胞膜が最も薄くなりDNAが放射線の影響を受けやすくなる。子供は、この細胞分裂が活発であり、老人は少ない、それが影響の差となって現れる。それに加えて、子供は、体重あたりの食物摂取量が、大人に比べて大きい。(チェルノブイリで老人が生き残っているのは、そのためであるが、子供達の多くが健康に影響を受けている)それによって体内での放射性物質の濃度が高くなる傾向にあり、細胞も活発に分裂するため、影響を受け易いのだ。甲状腺の異常は、細胞の分裂が頻繁に起こるためであり、その結果、被曝症状の炭鉱のカナリアと呼ばれている。この2つの要因により、こどもの被曝は大人よりも2倍から10倍の影響があると言われている。

このように情報を詳細に分析すれば、物事が明確になり、反省することが出来る。こういった作業を本来は報道機関が市民に代わってやることで、毎日、働いていて、時間がない中でも、現実に何が起こっているか把握し、正しい判断が出来るのだが、その機能をマスコミが放棄し、放射能に関しては、濃縮、被曝時間という重要なファクターを数字を伴って定量的に報道しないという詐欺的行為をしているマスコミの問題は、3.11後の日本社会に大きく影を落としている。つまり、情報が伝えられないことで反省できない状況が日本にはある。また、その情報が伝えられても、それを真実だと判断するリテラシーが欠乏している点も見逃せない。また、そういったリテラシーがあったとしても、周囲と同調しようとする同調意識によって、間違っていても認めてしまう風潮、それらが組み合わさって、現在の反省できない日本社会を構成している。
 
長々と書いたが、要するに、人が反省しないのは、空の心と、その空に入れる情報が欠乏しているために、そうなってしまうのだ。日本の場合、3つ目として、間違った情報でも周囲がそれを認めていれば、無条件で認めるという同調意識があげられるかもしれない。この3つの要因が、日本が反省できない理由である。そして、その結果、日本は厳しい時代に突入することになる。重要なのは、これら3つの要因を分析し、有効な対策を行い、対抗することで、日本をよくしていくことである。

反省するために必要なもの
 1.空(無知の知:自分は馬鹿であるという自覚)
  人の話を聞く姿勢
 2.情報(正確な情報 or それが正確かどうか理解する判断力)
  正しい情報を手に入れる能力と、それが正しいかどうか判断する教養
 3.同調しない心(周りに惑わされない独立心)
  付和雷同せず、間違ったことを間違っているとする勇気

反省するためには、この3つを持っていれば良い。私は天才の義父との対話で、自分がバカだという認識は持っている。天才と凡人という、あまりにも明確な差であるため、そこはハッキリしている。二番目の正確な情報は、インターネット、ツィッターなどで補完できる。何が正しいか判断する知性が必要だが...三番目の同調しない心というのは、友達がおらず、一人であったから、人と同調なんぞバカバカしくてやってられないというところがある。私が間違えるときには、主に1と2が影響している。ちょっとでも勉強したことになると知ったかぶりをし、空でなくなる。2番めの正確な情報はマスコミが正確な情報を流さない事で、情報の確認に手間取ってしまう時、これは、科学の問題である時、理系である事が重要で、データから数値を抜き出して算出する作業が必要。そうすることで、問題の影響が定量化され、何が正確かどうか分かる。問題は、そう言う情報がなかなか見つからなかったりする事。母が反省しないのは、まず、自分に自信を持っているので、空ではない、情報は私から提供される正確な情報よりも、欲望に傾いてしまう。3番目は、皆がやっていると大丈夫だと根拠なく思ってしまう。

この3つで母は騙される。また、私もまた1の空ではなくなる自惚れや、2の情報確認の遅さによって反省が遅れて、時期を逸することがある。つまり、人が反省しないのは、反省するために必要な心(謙虚であり、同調しない勇気)と知識(正確な情報を判断する知性)の欠乏によるものである。

最後に反省しない3つの要因、それぞれに対抗する手段について述べてみる。

1.空の心

  • これは圧倒的に優秀な人間と対話すれば、それで分かる。自分は馬鹿だと、そして、私が教育されたことは、賢いことよりも、反省することに美徳を置く価値観である。だから、私は正しいことを言うよりも、己の間違いを認めた時、褒められた経験が多い。「よく己の間違いを認めた」と。

2.正確な情報と情報リテラシー

  • 情報を集め、それを判断する能力は、物事を数値で定量化(原発だったら被曝の定量化)したり、外の現実を直視する姿勢(TPPだったら海外の情勢)そして、嘘をつくマスコミに対しては、そのウソの根源となっているマスコミの広告主である企業に対し、苦情の電話、不買運動など、イメージダウンや経済的圧力が有効である。

3.同調しない独立心

  • 昔は同調したり、付和雷同する人間を「よらば大樹の陰」「一人では何も出来ない奴」と蔑んでいた。この言葉を復活させるべきである。恥の概念を復活させましょう。

それぞれに建設的な対応することで、結果として反省できる社会へ近づく。日本が愚かなのは、この3つが欠乏しているためである。だが、それを改めれば、賢明な社会になるだろう。