SKY NOTE

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シャープ、世界最高変換効率44.4%の集光型太陽電池セルを開発 2013.6.14

シャープは、集光型太陽電池セルで世界最高の発電効率44.4%を達成した。

 シャープ、集光型太陽電池セルで“世界最高”変換効率44.4%を達成
 http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/news/20130614_603689.html

集光型太陽電池は、レンズで光を集めて発電する方式、集光型太陽電池に使われる化合物3接合太陽電池セルは、光の波長に合わせた複数太陽電池セルを積層したもので、通常の太陽電池よりも発電効率は良いが、コストが100倍くらいする。大抵は、人工衛星用に使われている太陽電池セルである。しかし、集光することによって必要面積が300〜500分の1程度で済むため、トータルではコストでは安く、同時に必要なレアメタルなどの資源量も少なくて済むため、注目されている。アメリカでも、既に実用試験中である。

  • 1wあたり1ドルを切るコストで導入できるということは、日本の年間日照量(1000時間)で計算すると4円/kWh以下という事である。(20年間)

シャープが今回開発したものは、受光面と電極層をつなぐコンタクト層を電極の幅と同じにすることで、光が当たりやすくなり発電効率44.4%を達成したのだという。本開発は、新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO)の「革新的太陽光発電技術研究開発」プロジェクトの一環として行なわれ、変換効率の測定は、ドイツのフラウンホーファー太陽エネルギーシステム研究所において確認されている。

ドイツのフラウンフォッファー研究所は、2010年にアメリカのイリノイ大学と共同で集光型太陽電池セルの低コスト量産技術を発表しており、そのころの太陽電池セルは41.1%だった。

その後、2011年には、EUの企業群、日本のNEDO(日本メーカー群)と共同で研究をしていた。

 集光型太陽電池に日欧が共同研究:セル変換効率45%を目指す
 http://d.hatena.ne.jp/skymouse/comment/20110604/1307119736?smartphone_view=0

その研究の成果、シャープが太陽電池セルの研究の担当なのだろう。さて、この太陽電池が社会に及ぼす影響について考えてみたい。集光型太陽電池は、ひまわりのように太陽の方向を向く台が必要だが、それは大したコストではない。基本的に重要なのは冷却である。冷却をしないと500倍も集光した太陽光でダメになってしまう。空冷方式や水冷方式など、色々な方式があるが、まだまだだ。ある意味、冷却するほど熱があるということは、そこから熱エネルギーを調達することも出来るわけで、そこら辺の研究はIBMあたりが水冷式を最近、発表していた。
 
 IBM、熱と電気を合わせて効率80%の太陽光技術を開発 2013.5.3
 http://d.hatena.ne.jp/skymouse/20130503/1367566886

この分野は、非常にホットな研究テーマであり、次世代のエネルギーを担う分野といえる。少ない面積でも通常の太陽電池の2~3倍の発電効率を実現できるということは、面積を有効に活用できるということであり、自分が地震に弱い高層マンションよりも中低層マンションこそが次世代の日本の都市型住宅だと考えている理由にもなっている。中低層マンションの屋上にこの太陽電池を設置すれば、災害時には、非常用電源になるし、電気自動車のバッテリーと連動すれば、夜間にも使える。そして、都市がエネルギーを自給することにもなる。これは、送電ロス(現在-10%程度)を最小に抑えるという点でも有効である。また、夏場の電力ピークにも対応できるだろう。あらゆる面において合理的である。もっと言えば、そう言う住宅を、木造建築が密集している地区に再開発事業として展開し、そこに使われるコンクリートもジオポリマーを使えば、千年単位で地震に強い都市が出来上がる。アベノミクス容積率を緩和し、高層建築を建てるというのは、地震に弱い都市になるばかりか、太陽電池が高層建築の影になって使えない地区が出てくるなど、全く時代遅れも甚だしい、時代は中低層建築と、太陽電池、ネットによるサイバーシティの連動というのに、いまだに20世紀型の高層建築を考えている段階で、アベノミクスの古さは否めない。新しい都市は、こういう集光型太陽電池を活用したエコで自律型の都市である。これは、エネルギー自給率の改善にも繋がり、あらゆる面で日本の現状にフィットしたものとなるだろう。アベノミクスの第三の矢、容積率緩和による高層建築の増加は都市の地震に対する脆弱化、太陽光によるエネルギー自給を阻害し、さらに原発再稼働は日本の国土を放射能で破壊するリスクをはらんでおり、あまりにも非合理的、時代遅れすぎて、専門家の間でも冷笑されていることだろう。日本には世界最高の技術があるけれども、最低の政治があると言えよう。