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Philips、200lm/WのLEDを開発、2015年に製品化へ

Philipsは、200lm/Wの1ワットあたりの明るさが従来の倍のLEDを開発した。2015年に製品化予定だという。

 1ワットあたり200ルーメンの高効率LED照明、Philips 2013.4.15
 http://news.mynavi.jp/news/2013/04/15/035/index.html

従来のものとの比較 
 電球  :15lm/W
 蛍光灯 :80〜100lm/W
 LED照明:100〜130lm/W
 開発品 :200lm/W(暖色系)

世界で使われている電力の19%が照明であり、これが200lm/WのLEDに起き変われば、それが半分の9.5%になると考えがちだが、実際には、それ以上に省エネになる。恐らく19%が5〜7%になる。というのは、蛍光灯というのは、360度照らしてしまうのだが、世の中の照明で使われているのは、その半分の180度なのだ。LEDは、必要な方向にのみに光を収束できるため、同じ発光効率でも利用効率が50%(180度/360度)だったのが100%(180度/180度)になるので、電力が半分でいいのだ。そこからすると発光効率で倍になるということは、倍の倍だから、1/4になる可能性があるのである。しかし、証明によっては建て看板のように360度、両面使っているものもあるため、そういう意味では1/3が硬いところといえるだろう。では、日本の場合、どうなのかというと...

日本の消費電力の16%(1506億kwh)が照明に使われています。
 家庭部門 : 382億 kWh
 業務部門 : 891億 kWh
 産業部門 : 233億 kWh
 合計   :1506億 kWh

 LED  : 502億 kWh(2025年 200lm/WのLEDが普及)

1506億kWh使っている。つまり、この200lm/WのLEDが2年後に発売されて10年後に殆どの照明に普及するのならば、1506億kWhが502億kWhになり、1000億kWh節電になるのである。では、現在の日本の総発電量がいくつかというと、電事連のページに2011年の日本の前発電量が出ていたので、それを紹介する。
 
 電事連:電力統計情報(「発電電力量」を選んだ後、次のメニューで「総合計」を選択)
 http://www5.fepc.or.jp/tok-bin/kensaku.cgi

それによると、2011年の日本の総発電量は9373億kWhである。つまり、このLEDが普及することで、発電量は8373億kWhになる可能性があるのだ。これは、100万kWの発電所稼働率60%(3.11前の日本の原発稼働率)だと年間53億kWh発電するので、大体、原発19基分である。過去5年の日本の発電量を見てみよう。

過去5年の日本の発電量
 2007年 1兆0035億kWh
 2008年   9721億kWh 
 2009年   9398億kWh
 2010年   9876億kWh
 2011年   9373億kWh

原発事故がなかった直近の2010年に比べて500億kWhも節電しているので、そう言う意味では、原発9基分は既に節電していることになる。200lm/WのLED照明によって19基分減るので、合計28基分は、今後、10年の節電で賄える目処が立ったといえる。この他にもLEDはテレビやモニタにも使われている。家庭用テレビは、一般家庭の消費電力の9.9%と言われている。だいたい日本の家庭の総需要は1900億kWh位なので、その9.9%と言うと、約190億kWh、これが大体1/3(63億kWh)になるとすると、127億kWhの節電になる。これは原発2基分の節電となる。今回のLEDによって、大体、原発22基分は、節電でOKということになりそうだという事なのだ。既に節電しているもの(9基分 503億kWh)も含めて31基分は、どうやら節電で何とかなりそうである。他の省エネ技術もあるから、それらが普及すれば、恐らくは、全国54基分の内40基分(2120億kWh)くらいは、節電で賄える公算が高い。
 
 200lm/WのLEDで節電できる規模と、2011年までに節電した規模
  家庭用テレビ: 127億kWh
  照明    :1000億kWh
  合計    :1127億kWh(2025年)

  既に節電  : 503億kWh(2011年までに節電した規模)
  その他の節電: 500億kWh(インバーター冷蔵庫/エアコン、高効率電源等...)
  2025年 :2127億kWh節電できるだろう(2010年比)

  2025年の想定発電量:7749億kWh

太陽光発電が毎年32億kWhずつ増えているので、2025年までに416億kWh、発電量が増えると仮定すると、節電分と合計して2025年までに2543億kWhの規模となる。2025年までに日本は、原発48基分の電力を節電や太陽光で賄える計算となる。

  太陽光   : 416億kWh(2012〜2025年 32億kWh×13年)
  節電+太陽光:2543億kWh(原発48基分:2025年までに)

既に電力は火力で大半が賄えているので(現在、原発は2基しか動いていない、2基合わせて年間123億kWh程度:稼働率60%)日本が今するべきなのは、原発再稼働ではなく、LED照明の普及促進のためのエコポイント制度の復活と、自然エネルギーの普及、輸入ガス節約のために、従来の天然ガス発電所の1.5倍の発電効率(40%→60%)のコンバインドサイクル発電所の建設といえるだろう。200lm/WのLEDの節電のインパクトは、大きい。発電コストの高い原発再稼働の意味は、もはや核兵器を作るためのプルトニウム生成しか、合理性がないことになる。電気を作る合理的な理由もないのに、原発を再稼働させて、核兵器の材料となるプルトニウムを大量保有すると、イランのようにアメリカに警戒される恐れがあるので、日本の安全保障のためにも原発はやめたほうが良い。