SKY NOTE

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東大名誉教授 宇沢 弘文先生 曰く「TPPは社会的共通資本を破壊する!」

1.宇沢弘文教授とは

  • 新自由主義の悪行と戦っているスティグリッツ教授が宇沢先生の弟子ということで、「なるほど、この先生がルーツなのか」と思ってしまった。こんな偉い先生を今まで知らなかった自分が恥ずかしいのだが、そういう先生ですらTPPに反対しているのだ。というか、こういう権力におもねらない筋の通った先生だからこそ、反対しているというべきだろうか。
  • これだけの業績のある、影響力のある先生を報道しないマスコミは糞だと思う次第。スティグリッツ教授が、現在の新自由主義的な傲慢なやり方に反旗を翻している点から見ても、宇沢先生の教えは生きていると感じる。この先生が面白いのは、「数学から経済学へ転じたのは、河上肇の『貧乏物語』を読み感動を覚えたからと言われている」東京大学の講義に1時間以上、遅れるのはザラだったなど、結構人間臭い所である。宇沢先生は、2011年からTPPを考える国民会議の代表世話人を務めている。当然、TPPに反対する論陣を張っており、その一部を紹介。

2.TPPに対する宇沢先生の見解

  • 宇沢先生いわく(動画の53秒目から)
    • パクス・ブリタニカ大英帝国)の頂点にいたその時にですね。日本をターゲットにして、列強が力を合わせて、日本...開国に迫ったと...いうのが第一回の開国、第二階は、先ほど言いましたように日本敗戦の悲惨なときに、日本...アメリカの完全な下僕になる政策をとったわけですね。で、第三の開国が今度の...(TPPの事)ということがですね、一国の総理がですね、そういう発言そすると、いうことはね...全く信じられないと思うんですね。今、日本の農村の再生を考えると、そのためにはですね。社会的共通資本としての農村という認識をハッキリ持って、そして、単に農業の生産基盤だけでなくて、農村に住んで色んな仕事をして、そして、生きていくと、いうことが可能になり、また、それによってですね。豊かな、文化的な、そして人間的な生活がね、営むことが出来るようなね条件を作ると、そのために、実は様々な暮らしの関税政策が必要なんですね。関税っていうのはね。それぞれの国がね。社会的安定と、それから持続的経済発展を求めてね。そして独自の立場から、関税体型を考えていくわけですね。あの〜...どの国もそうです。それを全く根拠のない自由貿易の命題をね、使ってね、関税障壁を撤廃する事が、あの〜なんかこう..素晴らしい世界を生み出すというようなね。「虚構」にとらわれていると、それはね。ジョン・ロビンソンも言ったように支配的な帝国にとって都合のいい考え方であるということは、私、繰り返し強調したいと思うんですね。で、そのコモンズの考え方をね、社会的資本(よく聞き取れなかった)、自然環境とか、道とか、交通、ガス、水道、それともう一つですね、教育とか医療とか、あるいは金融制度もそうです。司法、行政、そういった社会が円滑に...(ここで終わり、この続きは有料)
  • 大体、どういう意見であるかというと、関税はその国の社会資本を保全する為に、その国が独自の立場で持つべきものである。それを何の根拠もないTPPのような自由貿易の命題を突きつけて撤廃することが素晴らしい世界を生み出すというような「虚構」に囚われるというような事は、支配的な帝国にとって都合がいい。帝国主義がまだ残っていた時代を生きていた人の言うことなのでリアルだ)
  • つまり、TPPによる関税撤廃が正しいというのは全くの虚構であるとはっきり述べている。この先生は世界的な経済学の権威であり、ノーベル賞受賞者スティグリッツ教授の師匠、つまり、先生の中の先生がそう述べておられるのである。つまり、TPPは世界的権威からもノーと言われている。デモ参加者が騒いでいるという矮小化された話ではないのである。世界的にも高名な、ちゃんとした権威からも「何の根拠もない」と「虚構」であると否定されるシロモノなのだ。

3.宇沢先生の弟子のスティグリッツ教授の処方箋から日本の景気回復を読み解く

  • TPPが否定された上で、どうやって、この国の経済を回復させるかという点では、宇沢先生の弟子であるスティグリッツ教授が述べておられるので、それを引用し、それを元に私の経済回復案について述べたいと思う。
  • スティグリッツ教授いわく、
  • Wikipedia:ジョセフ・E・スティグリッツ(ノーベル経済学賞)
    • 日本の経済を刺激する方法に、円高を食い止め製造業の輸出競争力を向上させる、サービス産業の強化、富裕層の資金を低所得の人たちに行き渡らせ格差の是正に取り組むこと等を挙げている。日本の円について「日本のデフレの原因は、為替の影響が大きかった。円安が続けば、その状況は変わる。現実問題として、アメリカが金融緩和を進めれば、円高になるので、対抗することが必要だ」と述べている。
  • 円高の食い止めはアベノミクスにより実践され、製造業の輸出競争力は、ある程度回復した。多分、外需が8兆円(80円→100円)ほど増えると見込まれる。サービス産業の強化、富裕層の所得を低所得の人たちに行き渡らせるというのはまだ出来ていない、というよりもアベノミクスでは、通貨発行した資金を使って株価をつり上げるなど、株を持っている富裕層をさらに富ませる事ばかりやっていて、どーすんだよというのが現状。
  • 297兆円あると言われている企業の内部留保に課税して、低所得者に配るなどして、消費を拡大する政策。あるいは非正規雇用規制を強化して、正規雇用を増やし、現行正規雇用者の所得を9%(総額13.2兆円 40万円×3300万人)ほど下げて、正規雇用者を増やして、可処分所得が80万円程度の非正規雇用者1800万人を可処分所得220万円の正規社員に変える政策が望ましい。この非正規を正規の水準にするのには、25.2兆円が必要であるが、その内訳を以下に示す。

  • 非正規を正規にするコスト(25.2兆円)260万円→400万円×1800万人
  • ・13.2兆円:現行正規社員の給与を9%カット(440万円→400万円)
  • ・ 8.0兆円:企業の労働分配率を4%上げる。(297兆円もある内部留保から出せ)
    • (企業の内部留保とみられる資産に直接課税(3%)して強制的に低所得者に配る手もある)
  • ・ 8.6兆円:内需の拡大(消費の約半分が従業員の給与に反映される)
  • ・10.0兆円:公共投資(都市や住宅の耐震補強、再生可能エネルギーなど)
  • 財源:日銀引き受け(この程度の通貨発行はインフレにならない)
  • アベノミクスでは60兆円通貨発行すると言われているから穏健な方
  • ・ 7.2兆円:賃金アップによる消費の拡大効果
  • (企業の8兆円のベースアップが消費に変わると大体7.2兆円の消費になる)
  • 内需合計17.2兆円→8.6兆円の給与改善効果
  • 給与改善効果:29.8兆円(非正規を正規に変える25.2兆円を超える)
  • 可処分所得が220万円(生活費180万円)あれば、結婚もできるし、家も車も買える。子供も育てられる。全体を正規雇用にするのは無理だとマスコミは言っているが真っ赤な嘘である。企業には過去16年(1997年:消費税5%増税時の法人税減税)に渡る法人税減税と戻し税(年間3兆円)によって貯めこまれた内部留保が唸るほどある。その総額297兆円、8兆円くらい大企業は出せる。その内3兆円は、私達の払っている消費税の戻し税という制度から毎年もらっているのだから、彼らの実質の払いは5兆円だ。何なら、輸出戻し税を廃止して、3兆円を低所得者に配り、残りの5兆円を企業のベースアップ分としても良い。(マクロ的には帳尻が合うから)
  • 消費が増えれば、その半額くらいが、従業員の給与に反映される。つまり、消費の拡大による可処分所得の拡大こそ、日本経済再生の鍵なのだ。それは実現できる。さらにこれに加えて、通貨発行によって生じた円安効果は外需8兆円(ドル円80円→100円)で、4兆円の給与上昇効果がある。
  • これが正統な経済回復政策である。すなわちTPPなどいらない。TPPに入ってしまうと、このような内需拡大政策が非関税障壁(特に労働者の給与水準)として批判されたり、また、TPPによって公共投資外資が参入できるようになると、公共投資部門への投資効果がバケツの穴が開いた状態になって外国へ流れていってしまう。賃金アップもグローバル平均賃金という形で下げられてしまうだろうし、日本経済に悪影響を与えるものばかりなのである。ユニクロの柳井会長などは、「年収100万円も仕方ない」と言っている位なのである。これ以上消費者の賃金を下げてしまったらGDP比85%といわれる日本の内需経済が、細ってしまい。結局、経済にとってはマイナスになる。

 十勝毎日新聞:全国で10.5兆円減 TPP大学教員試算
 http://www.tokachi.co.jp/news/201305/20130522-0015673.php

  • つまり、TPPとは、外国の資産家を富ますための政策であって、日本国民を豊かにする政策ではないのである。残念ながら日本の政治家やマスコミは、この外国の資本家の支配下にあるというのが、彼らの行動から分かる偽らざる結論である。彼らの行動は1%の富裕層のためのものであり、99%の一般庶民を豊かにする正統な経済学ではないのだ。宇沢先生の言われるようにTPPに入ると素晴らしい世界が訪れるというのは全くの「虚構」であり、マスコミと政治家が演出した印象操作そのものであり、それは「支配的な帝国」にとって都合がいい論理であることを私たちは、よく理解しておく必要がある。それが現実なのだ。

TPP参加をとめる!5.25大集会
 (複数のTPP反対団体が共同開催するデモです)
 人々が繋がって、ともにTPPに反対しましょう。

 日時:5月25日(土)12:00〜16:00
 場所:東京都港区芝公園23号地(東京タワーの近く)
  (最寄り駅、地下鉄三田線御成門」駅)
 詳細:http://stoptppaction.blogspot.jp/2013/04/525tpp525.html