SKY NOTE

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安倍首相の経済成長政策は、空理空論

安倍首相の空理空論には、話が馬鹿げていすぎて、あの話に本気になるバカがどれだけ居るのかと思ってしまうほど程度が低いものだ。まず、日本が負けている理由から分かっていない、それは世界市場におけるグローバル水平統合モデルの生産体制に負けたのだ。よって、日本がするべきなのは、こういった水平統合モデルで生産できないもの、例えば新幹線システム、コンバインド火力発電設備、浄水設備など、特定のノウハウがあり、それを統合することで付加価値が生じるもので、しかも、兆単位の収益が望めるものに特化することである。

 安倍総理成長戦略第2弾スピーチ」(日本アカデメイア
 http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2013/0517speech.html

内容は、ほとんど具体的なことがなく、掛け声だけが威勢がいい内容、中身が無いのは、どういうことにいくら、投資するのか、何にフォーカスして、どういう風な方向にし、それがどのように日本の利益に結びつけるのかという重要な部分で曖昧で、そこが、どうにでも解釈できる言葉になっていること。つまり、何も言っていないのに等しい。

経済特区なんてどこの国でもやっていて、特区を作れば経済が潤うなんてのは、競争条件を強化することにはならない。日本で問題なのは、大企業が内部留保を溜め込み、給料を上げないことによる内需の萎縮にあるのである。よって、内需を拡大するために給料を上げれば良い。それだけで、経済は活性化する。購買力が改善すれば、それによって自動的に商品開発も活発になり、イノベーションのも自然に生まれるものなのだ。それを政府の金を使って、人工的にイノベーションを起こそうとするあたり、非常に異常な形だと思う。要するに研究開発費を国が丸抱えしますと言っているようなものじゃないか。

問題は、企業が研究開発までも国にやれと言っている点、つまり、企業は、税金を安くしたり、従業員を給与を安くすることに飽きたらず、今度は研究開発費も国に出せと言い出す顛末は、空いた口が塞がらない。どこまで甘ったれているんだ。いい加減ふざけるなと言いたい。あまりにも馬鹿げている。過保護すぎだ。甘やかしすぎて、企業が逆に弱くなると思う。

本当にしなければいけない研究開発は、食料、エネルギー、資源を自給するための基礎技術の開発である。石油藻のオーランチオキトリウムから低コストに油を取り出す技術や、それで出来たプラスチックを鉄並みに強化する超プラスチックの量産技術、有機ゴミを効率よく回収し、それを資源化する技術など、国が自給自足をしていく技術にフォーカスして、それを省エネ、省資源技術と組み合わせて、システム化し、パッケージにして世界に売り込む、これは数十兆円(石油市場を代替)のビジネスになる。ビジネスとはそう言う具体的で、利益の望める部分に集中投資をし、そこへ徹底的に競争力を高め、他の国が追随できないようにして、圧倒的地位を確立することなのである。この分野は、日本は世界で進んでおり、得意分野であり、これに特化しないでどうするのかという分野である。それが全くなく、取ってつけたような内容で、希望をもたせる内容だけど、中身がまるで曖昧で、何も言っていないのに等しいものだった。これを聞いて希望を抱く事は、ほぼない。問題は、日本を弱くしている根本的なところに踏み込んでいないから。企業に内部留保を取り崩せと言っていないこと、内部留保の蓄積こそが、この国の経済の動脈硬化の原因であり、それを取り除かない限り、経済は悪化し続ける。総あだ花的な安倍首相の経済戦略は、そういう基本的なことに対する目眩ましの役割を担っていると思う。何も知らないと、騙されてしまう内容だ。問題はイノベーションではなく、儲けた金を株屋にくれてやったり、銀行口座に貯めこむ状況がマズイのである。それを是正するためには、内部留保に課税したり、企業の規模の応じた外形標準課税の税率を上げたりする事が必要である。貯めこまないで吐き出させ経済の循環をよくしてやれば、自然と民間企業の開発意欲が高まり、民間主導で経済が活性化する。それが健全な景気対策というものである。安倍政権は、それを政府の金を使って、人工的にやろうとしているので問題。つまり、経済の悪化を招いている企業の問題には手を付けず、対処療法的に国の金で状況を改善しようとしているにすぎない。政府の金が尽きたら止まってしまうやり方なので、健全ではない。