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IBM、熱と電気を合わせて効率80%の太陽光技術を開発

IBMが熱と電気を合わせて、効率80%の太陽光エネルギー技術を開発した。
 
 WIRED.jp「効率80%の太陽光技術」をIBMが開発
 
「HCPVT(High Concentration Photovoltaic Thermal)」集光型太陽熱システムで、太陽光の中の光を電気に、熱を熱のまま利用するというものだ。その内訳は...

太陽光(100%)
 電気:30%(集光型太陽電池太陽電池1平方cmあたり200〜250wの電力)
 熱 :50%(集光型太陽熱システム)
 ロス:20%

今回の開発は、このロスが20%と低く抑えられたことが特筆に値する。これは、元はCPUの冷却技術で、集光して光熱になった太陽電池を冷却する際に取り出される熱70%の7割を熱として活用できるというところがミソ

この集光型太陽光システムは、太陽光を2000倍にして、太陽電池に集め、そこで、まず30%が電気となり、そして、残った熱70%を水で冷却し、その冷却水から得た熱(70%→50%)を活用できるというものだ。また、この温度の高い水を使えば、冷却することも出来るという。

 Wikipedia:吸収式冷凍機

要するに高熱の水があれば、暖房も冷房も出来るのだ。このシステムが、これ歩行効率に熱が取り出せるのは、直径50〜100μmのマイクロチャネルを使って、水を熱源(Aquasarの場合はCPUだが、このシステムでは太陽電池)のすぐ近くまで運んでいる。そのため、より大規模な水路を使うほかのシステムと比べて、熱抵抗が1/10まで削減されるという。

つまり、非常に小さなマイクロチャネルというもので、コンパクトに水を熱源に近づけているので、効率よく熱が取り出せることのようだ。

今後は現在の1cm角のものではなく、4cm角の太陽電池チップを使い、1kwタイプを作る予定だという。

このシステムは、熱を活用することで、太陽光の80%を利用可能になるというシステム、弱点は熱を活用する際に需要のある場所の近くでないといけない事。実用化する際には、低層マンションの屋上とかに設置して、冬はお湯を暖房や給湯に使い、夏は吸収式冷凍機で冷房するという使い方が考えられる。または、効率のよい熱吸収システムにスターリングエンジンを接続して、取り出した熱の50%の内の40%、つまり、20%を電力にして、総合効率50%の太陽電池にする事も考えられる。もっと言えば、最近、シャープが開発した37.9%の太陽電池セルを使うと、もっとたくさんの電気が取り出せるであろう。

 家電Watch:シャープ、太陽電池セルで世界最高変換効率「37.9%」を達成

太陽光;37.9% 太陽熱から電気17.4%(スターリングエンジン発電効率40%)、総合効率55.3%の太陽光発電システムが作れる計算になる。今回のIBMの発表の重要な点は、マイクロチャネルというミクロン単位の細かい機構を使って、太陽熱を7割程度確実に取り出せるシステムにある。これにより、効率的に熱を取り出せて、太陽電池モジュール劣化を抑え、同時に熱を取り出してエネルギーとして使える点が注目に値する。