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憲法96条は憲法の生命線

憲法96条を政治家共が変えたいと願っているようだが、これは絶対認めてはいけない。憲法96条は、原発で言えば安全装置に当たる部分、これが緩和されれば、憲法そのものがメルトダウンするようなものなのだ。それでは、憲法96条について説明する。

 Wikipedia:憲法96条 / 現行憲法および自民党改憲案比較表

現行憲法:第九十六条 自民党改憲
この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。 この憲法の改正は、衆議院又は参議院の議員の発議に基づき、各議院の総議員の過半数の賛成で国会が議決し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票において、その過半数の賛成を必要とする。

 
憲法96条は、憲法の改正手続きについて定めています。憲法が他の法律と全く違うのが、一般の法律よりも上位に来る事と、国民を縛るのではなく、政治家を縛る法律だということです。政治家がこれを変えたがるのは、自分たちを縛る法律を変えたいためです。

自民党改憲案が現行憲法と違う所は、全ての国会議員の賛成が2/3以上の賛成から1/2以上の賛成に変わり、より変えやすくなっていることです。平和憲法が維持できたのも、この変更が困難な条文があるからです。また、憲法には言論の自由など、国民の権利に関わる条文も多く、これらが自民党の改正案では、国民の権利を制限する内容であるため、多くの専門家が、この改正案に疑問の声を持っています。

日本は、政治家は三流でも、憲法が一流であったため、なんとか国がマトモだったと言えます。三流の政治家が戦争をやろうとしても、この一流の憲法があるお陰で、それが止められてきました。アメリカが起こす戦争で軍事的協力を求められた時も、日本は憲法があるからといえば、それを跳ね除けることが出来ました。なぜなら、民主主義を標榜する国なのですから、その国の憲法に違反しろとはいえないのです。限られた人間に権力が集中する絶対王政と違い、日本は憲法の定める立憲君主制なのですから。憲法の定める秩序に従って、運用される国家なのです。しかしながら、その憲法を簡単に変えられるということは、安倍総理が2003年に取り外した原発の安全装置と同じで、後の世に非常に問題を起こす行為です。原発の場合、専門家によれば、2003年に安全装置を取り外さなければ、メルトダウンを防げた可能性があるという報告も出ています。これと同じなのです。憲法を変えやすくすれば、自民党改憲案をより確実に実現しやすくなります。自民党改憲案の内容から見て、政治家を縛るものではなく、逆に国民の権利を制限するものとなっています。そして、それは国家の暴走を許すことになるでしょう。つまり、96条とは、権力の暴走を食い止める安全弁なのです。これを変えさせてはいけません。

しかも、現在のマスコミは、この改憲案の詳細について報道しません。まるで改憲できるようにすることが正しいかのような報道をしています。これは異常な事態です。なぜなら、国民の権利を守るために、変えにくくなっている憲法を変えやすくする議論なのですから。憲法96条は、国民の権利を守る防護壁の役割を担っています。これを変えることは、国民の権利という名の大阪城のお堀を埋められるのと同じです。絶対に認めてはいけません。

その証拠に自民党改憲案の中の言論の自由を定めた憲法21条について言及したいと思います。

現行憲法 第21条 自民党改憲案 第21条
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保証する。 1.集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保証する。
                 2.前項の規定にかかわらず、公益および公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。

この中での問題点は、1つは、表現の自由を保証した文言を、その次の文言で「前項の規定にかかわらず」という言葉で否定している点、そして、2つ目は、公益という言葉を使い、国民の言論の自由を制限できるという内容になっていることです。その公益とは誰が決めるのでしょうか?公益と聞くと、一見、正しそうに聞こえますが、その公の立場の人間がどこに存在しうるのか、考えてみて下さい。それを決定できる人間に絶大な権力が集中することを...それを政治家や、特別委員会のようなものを作って決めるということになると、その政治家や委員会が国民の言論を封殺できる権利を持ちます。つまり、そのような権利を付与することは、言論の自由が事実上崩壊することを意味します。言論の制限とは、ただ単に喋ることを禁止することではありません。国民の意志を否定する行為です。それは民衆の意思によって構成される民主政治の崩壊を意味します。だからこそ、言論の自由は、何の制限もなく認められてきたのに、自民党改憲案ではそれを否定しているのです。これひとつとってみても、自民党改憲案がいかに民主政治とかけ離れたものであるかがわかります。ですので、それを実現しやすくする96条改憲案には絶対に賛成してはいけません。したら、民主政治がメルトダウンしてしまいます。(TPPのISD条項と合わせて民主政治への脅威となります)
 
参考資料

 現行憲法および自民党改憲案比較表
 http://www.dan.co.jp/~dankogai/blog/constitution-jimin.html

 立憲主義を否定する自民党改憲草案 (伊藤真さん:弁護士)
 http://plaza.rakuten.co.jp/bluestone998/diary/201303260000

 オススメ!自民党改憲案の内容が専門家の視点で的確に網羅されている。
 憲法改悪阻止のために―自民党改憲案から考える (吉田健一さん:弁護士)
 http://www.jicl.jp/hitokoto/backnumber/20130318.html

 なぜ日本国憲法96条は憲法改正をしにくくしているのか
 「笑顔のファシズム」に気をつけましょう 改訂版
 http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/b55b9146bbd00daeb3402cf21d1a4ee6

 PDF:『こんなに危険!〜自民党の憲法改正草案』(2ページ)