SKY NOTE

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私がTPPを否定する理由

私がTPPを否定する理由は、単純に言うと、それが自由ではないからです。その事を説明する前に自由について説明したいと思います。自由には1つだけルールがあります。それは自分の自由を尊重してもらう代わりに、他人の自由を尊重することです。この点において、TPPは、大きく2つの点で、それを逸脱していると私は見ています。

1.他国のルールをISD条項で捻じ曲げる

  • 他国の法律(主権)をアメリカの論理で否定できるISD条項というイカサマ裁判所の存在

2.言論のの自由を著作権法違反という形で規制できる

まず、ISD条項は、他国のルールを自国(アメリカ)の論理でねじ伏せることが出来る点で。既に互いの自由を尊重するという自由の前提条件から逸脱しています。

次に著作権非親告罪化ですが、著作物というとわかりにくいですが、あらゆる情報が著作物と定義できます。つまり、著作物は言い換えると「情報」なのです。この点に留意して、その引用コピーを厳しく制限する非親告罪化というのを説明すると、その著作物を作った人(親)以外の人、つまり、親に非ずの者(警察など行政)が、そのコピーについて司法手続きを介すること無く規制できるという事が著作権非親告罪化の問題なのです。

  • TPPの著作権の規定は、ACTAとほぼ同じと言われています。
  • ACTAは、努力義務という形で骨抜きにされましたが、TPPでは義務化という形で強制できる状態になります。

コレがどのように運用されるのかというと、ある人が書いた文章を他の人が引用します。その人は、別に引用されて文句は言わなかったとしても、警察が、そういうコピーはいけないと引用した人を捕まえることが出来るという事です。そんな極端なことをするわけ無いだろうと思うかもしれませんが、戦前の治安維持法に同様の規定があり、これが政府の意見に反論するものに対し、そのたぐいの情報を広めようとしたものを治安維持法に違反するとして警察が捕まえた歴史があるのです。

つまり、通常の引用行為は恐らく処罰されませんが、そのコピーの解釈次第で、誰でも警察が捕まえられる状態となり、その結果、政府に悪用される恐れがあるのです。ですので、憲法では21条に表現の自由が定められており、以下の内容に成っています。

第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

これは、戦前の治安維持法の反省にたった条文で、「出版その他一切の表現の自由はこれを保証する」とあり、情報の自由な流通を全面的に認める条文と成っています。そして、「検閲は、これをしてはならない」とあります。これがどうして非親告罪化と関係するかというと、非親告罪化という制度が、かなり広い範囲にわたって情報のコピーを制限できる要素を持ち、間接的に検閲を可能にしているからです。つまり、政府にとって都合の悪い情報のコピー、引用を著作権法違反という名目で制限できる。つまり、表現の自由が制限されるのです。これは、自由のルールである相手の自由を尊重するという事に反しています。なぜなら、相手の言い分を聞くためには、相手がそれを言う権利を認めなければいけません。しかし、著作権非親告罪化は、警察の解釈次第でかなり広い範囲の情報のコピーを制限できるため、言論を事実上、制限できます。つまり、人の口をふさぐことが出来てしまうのです。民衆の主張する権利を著作権法違反という名目で制限できる。それが問題なのです。

この2つのTPPの条文は、法律をISD条項で支配し、情報を著作権の拡大解釈で支配する。そうすることで、アメリカの独裁を可能にするというものです。大抵の独裁者は、権力を得るためにまず情報を支配しようとします。そして、情報を支配した後にルール(権力)を支配しようとするのです。私がTPPを推進するアメリカを独裁者だと言っているのは、TPPそのものが目指しているものが、極めて独裁色の強いものであり、あらたなる独裁者と定義しても良いくらい、過去の独裁者の行動パターンと極めてよく似ているからです。やることが今風になっているだけで、やっていることは本質的に変わりません。

・人の言葉を支配する著作権非親告罪
・国のルールを支配するISD条項

それが、私がTPPが問題だとする所以です。その内容は完全なる民主主義の否定であり、一方的な論理を他者に押し付ける傲慢さに満ちています。そして、それを自由の名において進めるというのは、自由に対する侮辱以外の何物でもありません。