SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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情報の独占状態が「お花畑」を育てる

よく、日本人の危機感の無さを「お花畑」と揶揄する言葉がある。それについて考えてみると、その問題の根底には、質の悪いジャーナリズムによる情報独占状態が長期にわたって続いていることが挙げられる。そういう現状から鑑みるに、粗悪な情報を何十年も吸収していては、それで出来る認識が粗悪になるのは、実はアタリマエのことなのである。

テレビや新聞のシェアは、ここ何十年も変わっていない、全国紙とテレビ局のシェアは、競争によって変化するということがない。普通の業界ではありえないことだ。電波法で守られた事業であったり、新聞配達インフラに支えられたメディアということも原因として有るのだろうが、記者クラブ制度によって長期にわたって情報源における特権的地位を持ち続けていることが競争を阻害しているのは明らかだ

情報が独占されていることは、通常、独占禁止法の範疇にはいるものであり、記者クラブ制度は、情報カルテルというべきものであり、これらは解体するべきものだ。新聞各紙は社会に競争を推奨するのならば、まず、みずからが競争の渦中に身を投じるべきであろう。それができないで、他人に偉そうに講釈を垂れるなど笑止千万

話が若干ずれたが、B層という定義を考えてみると、確かに危機感がなくお花畑という感があるが、それは、基本的に間違った情報を信じれば、誰しもそうなるわけで、質の悪いメディアが情報を独占している状態では、それは自明とも言える。問題は、その「お花畑」に水をあげたり、肥料をやっている連中であり、そこを批判するべきなのである。

では、その水や肥料をあげているものとは何か?それは、水は、役所の情報を独占できる記者クラブ制度、通信社、肥料は電通などの広告代理店といえる。通信社と電通はアメリカの息がかかっている企業と言われており、基本的にアメリカを批判するような報道をすると、お金(広告)と情報(ネタ)の両面から、問題が生じるようになる。よって、これらの情報はメディアに出てこない。

このように外国に自国の情報が独占されていることに、本来は危機感を持たないといけないのだが、そういう独占状態に対して、それが当たり前、デファクトスタンダードと化しているのが日本の病巣である。つまり、問題のある状況が事実上の標準になってしまっていて、その問題を指摘することが標準から外れた異端行為になってしまうのだ。これは、行列に並ぶような主体性のない人間にとって、標準とは非常に重要なものであり、その重要なものを否定することを彼等は非常に嫌がるし、否定する。その結果、情報の独占状態が継続しているのが現状である。

そこで重要なのは、現状の標準を新しい標準に組み替える必要性が生じるのである。つまり、古い秩序に対し、新秩序を設定することで、こっちが新しいデファクトスタンダードですよというものが作られることが重要になってくるのだ。なぜ、今、そのことについて論じる必要があるかというと、3.11以降のマスコミの劣化は酷く、今までにない質の低さを感じる。つまり、事ここに至って、これらを駆逐する時期に来ていると考えられる。つまり、彼等が弱体化しているということなのだ。

既にNHKやテレビニュースを見なくなっている人が多いことからも分かる通り、離反者が出始めている。また、電子出版などの新しいメディアのインフラも整いつつ有る。情報の流通に殆どコストはからなくなっている。誰でも記者になれるし、誰でも報道が出来る。そして、既存のメディアは、信頼されなくなっている。

では、なぜ、今、新しいメディアが古いメディアを駆逐できていないのか?と考えてみると、それはタブレットの普及次第と思われる。というのは、私はコンピューターのディスプレイでは、本を読みたくない。なぜなら、とても疲れるからだ。しかし、タブレットでならば、よく読む。というのは、タブレットは、長文を読んでも疲れないからだ。その理由は、コンピューターのディスプレイでは、ノートでもディスクトップでも姿勢が強制されるのに対し、タブレットだと、自分の自由な姿勢でリラックスして見れる点が大きい

新聞や本などの比較的、長文などの大きめの情報を読むときには、タブレットが便利であるが、まだ片手で読めるほど軽くはない。これが10インチで300g位になって、それが日本国内で3000万台以上売れるくらいの規模になった時、変化が訪れると思う。あるいは、タブレットが国内で数千万台規模で普及した時が変化の時といえる。

では、現状のタブレットの普及率はどれくらいかというと、

 国内タブレット出荷台数、2012年度上期は82.1%増の193万台
 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20121205/442283/

 タブレット普及台数 世帯数:5195万世帯(2010年国勢調査
 累積期間は4年とする。(4年したら買い換えると想定)
 年度  販売台数 累積台数 世帯普及率 成長率
 2010年:121万台 121万台 2.3%
 2011年:278万台 399万台 7.7%   229%
 2012年:450万台 849万台 16.3%  161%
 予測:skymouseの独自予測(毎年50%づつ増えていくと仮定)
 2013年:675万台 1524万台 29.3% 150%
 2014年:1013万台 2537万台 48.8% 150%
 2015年:1519万台 3934万台 75.7% 150%

このままのペースで増えていくと、2013年の終わりには、世帯普及率29%と3.割り近くに達し、翌年には48.8%と半数近くに達すると考えられる。つまり、あと2年で、過半数に達する勢いである事がわかる。つまり、この時期がターニングポイントといえるのだ。メディアの流通面(情報の出口)の壁は、この時期に崩れ始める。残りは、情報の入口である記者クラブ制度だが、これが恐らくはメディアの出口の独占状態が崩れ始める時期と呼応して壊れ始めると私は予測している。

恐らく、2015年辺りに、日本のメディアの変革期が訪れるであろう。そして、その時が日本が変わる時だと思う。つまり、メディアの独占状態は、そのメディアを支配する者による国家の独占状態であったわけだが、それが終りを迎えるということなのだ。

ここで「お花畑」に水や肥料をやっていたものが変わる。通信社や広告代理店ではなく、多様なメディアによる調査報道(記者クラブ制度がなくなった後の競争状態にあるマスコミ)とネット広告企業(googleなど)に切り替わることになる。それによって、「実のある報道」がされ「お花畑」が「果物畑」になると予想する。それが日本が変わる時だと思う。