SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

言論の自由と戦争放棄の2つのブレーキ

エヴァンゲリオンで、メインコンピューターが敵に侵食されてしまうストーリーがある。重要な施設に侵食が及ぶと、副官クラスの人が「あぁ...」と声が淀むことがある。今の日本の状況を表すと、そのセリフの感がある。

戦争という最悪の事態を避けるために必要な2つのブレーキ、それは、憲法9条の戦争の放棄を謳った条文と、憲法21条が規定している言論の自由である。この2つのブレーキが自民党改憲案では否定されている。これを自転車に例えると、前輪と後輪のブレーキに相当する。その両方が失われたら、極めて危険だということは、自転車に乗っていれば分かるだろう。

前輪は、憲法21条だ。これによって、戦争の前の段階で情報を広め、民主的プロセスを介して止める機会が得られる。しかし、この言論の自由を政府が規制できてしまうと、市民は、それを知り、止める機会を失う。後輪のブレーキは、戦争そのものを止めるブレーキである。これを失うと、政府は戦争を実行することにたいして、必要なブレーキがないから、戦争を始めることが可能となる。

戦争といっても、人はイメージ出来ないと思う。なぜならば、日本は、憲法21条憲法9条という2つのブレーキがあったから、平和な時代が続いた。だからこそ、戦争というものを忘れることが出来た。だが、世界をみてみると、それは特別なことだと分かる。動画はイラク戦争の映像である。

  • Helicopter Attack in Iraq

2003年のイラク戦争の時、アメリカ軍は圧倒的軍事力を持っていて勝つのは確実なのだから、復興のことを考えて主要なインフラを破壊せず、送電網などの、復旧が比較的しやすい設備を破壊するだけで戦略的に十分勝てると私は思っていた。しかし、アメリカ軍は、復興の妨げになる発電所などの主要設備を攻撃した。戦後のことを考えれば、全く合理性を欠く作戦行動だったので、ずっと疑問に思っていたのだが、イラクの復興ビジネスにアメリカ企業が参入すると聞いた時、アメリカにとって、これはビジネスなんだと確信した。つまり、軍事産業という破壊産業、復興事業という建設産業、一粒で二度美味しいビジネスなのだ。

つまり、人の国を金儲けの材料にしてしまうという蛮行がまかり通っているのが、世界の現実である。現在、私達の国の大手の報道機関は、アメリカに支配されている。これもまた。世界を見れば、独裁者に支配された報道機関などいくらでもあり、別に珍しいことではない。日本の場合、それが間接的でわかりにくくなっているので多くの人が支配されていることが理解できない状況にあるのが特殊なのだが、原発報道を見ても、選挙報道を見ても、官邸前に一万人もの人間が集まった時にデモを報道しなかったことから見ても、日本の市民のためにやっていることではないことが分かる。

  • 報道されなかった官邸前に1万人集まったデモの映像(記者会館前でもある)

これだけの人が首相官邸前に集まったのにもかかわらず、NHKを始めとする主要報道機関は、これを報道せず黙殺した。これについて海外のメディア、特にフランスの報道機関は、日本国内のメディアの報道姿勢を批判していた。

つまり、戦争は巨大ビジネスで、世界から見れば珍しいことではなく、日本が報道を支配された状態であることも、独裁政権に支配されたテレビ局や新聞社も世界から見れば珍しくない。つまり、そういう珍しくない、世界から見れば、どこにでもあることなのだ。しかし、日本には、世界にはないものがある。それは戦争の放棄を謳った憲法9条である。そして、多くの独裁政権が否定するであろう、言論の自由を規定した憲法21条である。この2つが揃っている国は、そうそうない。もしかしたら世界で唯一の国かもしれない。

そういう素晴らしい国に生まれて、平和が保証された社会に私たちは住んでいる。世界から見れば、誠に稀有な、幸せの中にいるというのに、わざわざ、それを捨てるなどという暴挙に出るのは狂気の沙汰としか言いようが無いのである。戦争は悲惨だ。その現実を直視できないと、大切なモノを私たちは失う。だから、憲法21条を形骸化してしまうTPPの知財条項には私は反対するし、安倍政権憲法21条と9条の改憲案にも、その憲法を安易に変えることができる憲法96条の改悪にも反対だ。

  • Fighter Copters gone wild, (IRAQ)
  • この爆撃の下には人がいるのである。その現実を直視しないと戦争の意味がわからない

こういう悲惨な状態を私たちは、今から70年前、アジアの国々において起こした。その結果、日本はアジア各国から潜在的に警戒されている。戦争という悲惨な行為を他人の国で起こした以上、どんな目的が有るにせよ、それは仕方がないことだ。もし、憲法9条改憲してしまい、日本が戦争が出来る国になってしまうと、日本は確実にアジアの孤児になってしまうだろう。日本は資源のない国、天然ガスもマレーシアやインドネシアなどのアジア諸国から輸入している。
 
 天然ガスの生産トップ10と日本の輸入先
 http://www.teikokushoin.co.jp/statistics/map/index17.html
 

そういう国との友好関係を保つことは、日本にとって死活問題なのだ。戦争をビジネスというアメリカのような国との距離を一定に保つためにも、それは必要であり、日本にとって憲法9条は、アジア諸国との友好関係を保つ絆のようなものだ。その絆を断ち切った時、日本は、とても苦しい立場になることが予想される。今まであった信頼を失う危険を犯している。大切なモノは失ってから、その価値に気づく。だから、失う前にその価値を知っておくべきなのである。