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CES 2013:NVIDIA、新モバイルプロセッサ「Terga 4」発表

NVIDIAが新しいモバイルプロセッサを発表した。その名は「Terga 4」4コア+省電力1コア+72コアGPU内蔵チップである。

NVIDIA Tegra 4発表、4コア Cortex-A15と72 GPUコアの「世界最速」モバイルプロセッサ
http://japanese.engadget.com/2013/01/07/nvidia-tegra-4-4-cortex-a15-72-gpu/
マイナビ:CES 2013 - NVIDIAがCortex-A15ベースの「Tegra 4」発表
http://news.mynavi.jp/articles/2013/01/07/ces03/

プロセッサ仕様
・製造プロセス:28nmプロセス
・CPU:ARM Cortex-A15 クアッドCPUコア(WebブラウジングでTerga3の2.6倍)
 ・4コアと低負荷時専用の省電力コアを組み合わせた4-PLUS-1構成(Tegra 3と同様)
 ・シングルコアあたりの処理速度と電力効率に優れた最新アーキテクチャA15を採用
 ・省電力コアも第二世代へ。
GPU:72 GeForce GPU コア。(Tegra 3 比で6倍)
・4G LTE「対応」(ソフトモデムチップ:i50)
・同じ見た目を維持しつつバックライト輝度を下げてバッテリー消費を防ぐ PRISM 2
・4K UHD動画対応
・消費電力は Tegra 3 比で45%減 (負荷による)

なかなかハイパワーなプロセッサであり、優秀なプロセッサといえる。特筆すべきは、 GPUが6倍の性能になったことで、フルHDクラスの映像がより快適に使えるようになったことである。将来的に登場するH.265規格の動画もなんなく再生することが出来るとかんがえられる。H.265を使えば、容量が半分で同等の画質なので、動画を今までの2倍タブレットに収納できるといえる。あるいは、半分のネットワーク負荷で転送できる。同じネットワーク回線ならば、より高画質な動画が見れるということになる。

HDR撮影が動画にもソフトウェアで対応するという事で、撮影ソフト次第でカメラ性能が変わるという面白い内容といえる。案外、デジカメに搭載されるべきチップかもしれないと思ってしまうようなプロセッサといえる。

GPUが優れていると、負荷の重い処理をGPUに投げてやることで、色々なことが出来るようになるので、今後、ライブラリが充実していけば、もっと面白いことが出来るだろう。特に自分が注目しているのが、WebCLである。これは、Javaライブラリから、OpenCLが使えるというもので、Javaの映像処理系を大幅に性能アップするものとして期待されている。
 
 Khronos、OpenCL 1.2を発表(2011.11.16)Comments
 http://d.hatena.ne.jp/skymouse/20111118/1321554898

  • WebCLデモ:Samsung WebCL Demo 1 - N-body simulation (1:20)

この技術がなぜ重要なのかというと、Javaを始めとするウェブ標準ソフトの問題点は、ネィティブソフトに比べて遅いということだが、特に画像処理に関して大幅な性能向上が行われれば、ウェブ標準ソフトが従来のPCソフトと同等の性能を持つことになり、その結果、あらゆるソフトがウェブ標準となって、プラットフォームの垣根がなくなる事が期待されるからである。このようなモバイルプロセッサのGPU強化は結果として、PC市場の縮小とタブレットの需要の拡大、そして、タブレットを大画面モニターに繋いで使うという形を生むと考えられる。もしくは、AppleTVのような端末にデータだけを送って、表示させるという形になるだろう。その方がワイヤレスでスマートだから。そういう意味で、このプロセッサを使ったWebTVの登場も面白いといえる。タブレットをタッチパネル兼キーボードとして使うテレビも出てくるかもしれない。もうPCチップの存在価値はほとんど無くなるのではないかと思えるくらいの状況に来ていると感じるプロセッサである。64bit化すればサーバ市場も席捲するのではないかと感じるが、古いソフトのニーズもしばらく続くので、今後の展開がどうなるか興味深い。