Kindle Fire HDをAmazonが発表した。そこで、そのスペックを眺めてみた。スペックは以下のサイトに従来のKindle Fireとの比較表が乗っているので、それを参照の事。自分はiPadや従機のKindle Fireと何が違っているのか比較してみたい。
Kindle Fire HDシリーズとNexus 7のスペック比較
http://blog.livedoor.jp/smartall/archives/17039055.html
Amazon.com、「Kindle Fire HD」などタブレット・電子書籍リーダー3機種を発売
http://bizmash.jp/articles/30276.html
Amazon.com:Kindle Fire HD 8.9販売ページ(米国)
Kindle Fire HD 8.9inch(画像をクリックすると拡大画像が見れます)
1.従来機Kindle Fireとの違い
- ディスプレイ
- ・コントラスト向上(どの角度から見てもコントラストを失わないという)
- ・解像度向上
- ・1024×600(kindle Fire 7 2011年モデル)
- →1280×800(KindleFire HD 7)
- →1920×1200(KindleFire HD 8.9 出版物並:254dpi)
- プロセッサ
- ・1.2GHzデュアルコア→1.5GHzデュアルコア
- メモリ
- ・512MB(2011年)→1GB(2012年)
- フラッシュメモリ
- ・8GB(159ドル)→16GB(199ドル)
- オーディオ
- ・マイク入力搭載(2011年のKindle Fireにはなかった)
- ・Dolby Digital Plus(サラウンド規格)に対応
- I/O
- ・microHDMIを搭載
- ・Bluetoothを搭載
- 通信
- ・WiFiのみ→より高速なMIMOに対応
- ・LTE/3G(8.9型のみ:下り最大75Mbpsの高速通信サービスに対応したモデルがある)
- 重さ
- ・400g(7インチ 2011年)
- ・394g(7インチ 2012年)
- ・567g(8.9インチ 2012年)
- 価格
- ・Kindle Fire :159ドル(8GB:2011年モデル 7インチ)
- ・Kindle Fire HD 7 :199ドル(16GB 7インチ)
- 249ドル(32GB 7インチ)
- ・Kindle Fire HD 8.9:299ドル(16GB 8.9インチ)
- 369ドル(32GB 8.9インチ)
- 499ドル(32GB 8.9インチ 4G/LTE アメリカ)
- 599ドル(64GB 8.9インチ 4G/LTE アメリカ)
- リリース時期
- 7.0インチ品:2012年9月14日(アメリカ)
- 8.9インチ品:2012年11月20日(アメリカ)
2.Kindle Fire HDの特徴
マイクとBluetoothが搭載されて万人向けとなったKindle Fire
- ざっと眺めてみて、大きいのはBluetoothとマイク入力だと思う。従来機種では、これがなかった為に多くの人に奨められるものではなかった。タブレットは、本体がでかいので大抵はカバンの中に入れる。しかし、中にある音楽を聴きたいとき、ヘッドフォンケーブルでカバンと頭が固定されてしまう。これはとても不自由なので、ワイヤレスヘッドフォンが使えるBluetoothに対応したのは、重要だ。さらにタブレットはキーボード入力がし辛い、よって、ワイヤレスキーボードを接続する際にもBluetoothは、必要だ。それとマイク入力は、Googleの音声検索をよく使う。キーボードが使いにくいので音声検索が便利なのだ。ちょっとしたキーワード入力ならば、音声検索の方がスピーディーにできる。ただ、通信回線が繋がっていないと使えない。
ディスプレイの画質が向上、特に8.9インチは出版物並の解像度(254dpi)
- 解像度が1024×600から1280×800 or 1920×1200と大幅に向上、特に1920×1200の8.9インチモデルは、これだけの解像度の製品にもかかわらず、299ドルと300ドルとを切っている。非常に安い。Appleで言えば、Retinaクラスの製品が300ドルを切るという事である。日本円だと24000円を切る価格だ。非常に安い。これだけの解像度があると、文字がとても美しくなり、ウェブでも何でも出版物と代わらない品質で読める。それが300ドルを切る。それがすごい。自分は、この画質から言って、8.9インチ以外はどうでもいいと思える。7インチ品は軽くて便利だが、自分は出版物並の解像度の方がいい。解像度が高いと文字が格段に読みやすくなるので、目が疲れにくくなる。だから8.9インチ品が私はお勧めだ。
プロセッサとメモリとストレージは、若干厳しい
- 安く作ってある為、プロセッサはデュアルコア止まり、メモリも1GBまでというのが苦しいかもしれない。これだけの解像度があると、クァッドコアで高速なGPUが搭載している方がいいのだが、ここはコストダウンという意味では仕方がない。ウェブ中心で使うという意味では問題はないのだが、従来の半分のファイルサイズで済む次世代動画フォーマット(HEVC/H.265)には、対応できるかどうか厳しいかもしれない。再生負荷が倍増する為、高解像度表示ができるかどうかという点が問題。GPUを上手く使って再生できるという話もあるかもしれない。メモリは、これだけの解像度(1920×1200)があると2GB欲しい。iPadなどは、メモリが少ないとスクロールがカクカクして、動作が遅くなるので、高解像度(1920×1200)を生かしながらマルチタスク処理という点で2GB欲しかった。フラッシュメモリは、32GB品まではコストパフォーマンスが高いものの、64GB品となるとプレミア価格がついている。そういう意味で高画質なファイルはあまり入れられないかもしれない。SDメモリカードを搭載できるようにして容量を拡張できるように作って欲しかった。
まとめ
- 欠点を言ったが、致命的なものではない。従来機種の欠点を補い、出版物並の解像度を持つディスプレイを搭載したモデルを300ドル以下という低価格で提供する事には意義が大きい。Amazonが今年日本で始めると言われている電子出版サービスと合わせて、非常に注目するべきモデルといえる。さて、これに対し、9月12日のAppleの新製品発表がどうでるか、見物である。