SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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ACTAの採決で思うこと

ついに衆議院の採決でACTAが批准してしまいました。その間、いろいろな人とお話して、行動してきたつもりでしたが、力及ぼず採決されてしまいました。昨日はギリギリまで電話ロビーをしたのですが、本会議場の半分以上埋まっている議席(もし、成功していたら議場の1/3しか埋まっていない筈)を見て、欠席を要請するロビー活動は殆ど効果がなかった事がわかり、結末を予想しながら、世界で初めてACTAが正式に批准される様子を見ました。

 ACTAとは、TPPの知的所有権版である。(ACTAについて簡単にまとめてあります)
 http://d.hatena.ne.jp/skymouse/20120807/1344301093

他の国では、拒否できたACTAが日本で拒否出来なかったのは、正確な情報が広まらない、ウソを平気でいう連中がいて、そういう人間が批判されない社会に根本的な問題があると思います。今回のACTAの問題では、大手マスコミ各社(5大新聞、テレビ)は、言論統制に繋がる可能性があるACTAを全く報道しませんでした。いかにマスコミ各社が情報を市民に伝えていないかがわかります。報道したのは東京新聞東スポくらいです。さらに議員にも官僚がレクチャーしたのですが、参議院での採決の前ですら、ACTAの条文の日本語訳がなかったほどであり、全くといっていいほど、情報がきちんと広まっていなかった中での採決でした。ただ、衆議院での外務委員や本会議での採決の時点では、議員には必要な情報があったわけで、その中でそれを承認してしまった議員の罪は重いと思います。まぁ内容をよく理解しないまま承認してしまった参議院にも問題はあるにはあるのですが....

条文を読むと、ACTAが非親告罪であるという特徴がありありと書かれており、それが日本ではやらないと官僚が言っているのですが、では、どのようにやらないのかという具体的な説明が全くないという点に問題があったのにもかかわらず、それを鵜呑みにしてしまう議員のツメの甘さには、辟易としました。どこまでお人好しなんだと思ってしまいました。官僚は情報を独占することで利権を貪っている連中なのですから、その情報を強力に規制することができる条文を手放すはずがありません。そういう事に疑念を持って対応する民主党議員がほとんどいなかったことに失望を禁じえません。ACTAに反対すると党議拘束で処罰されるとありますが、民主主義の基本原則である言論の自由と、自分が処罰されることと、どっちが大事なんだと思いたいところなのですが、このACTAが人々に知られていない以上、政治生命を賭けて反対に回ることを無意味だと感じる議員も少なからずいたと思うので、この責任の一端は、マスコミ各社にあると思います。

今回のActaの採決については、情報と時間(短期間での採決)を支配されたことに問題がありました。ネットで情報を広めるのには時間がかかります。それを短期間での採決に持ち込まれて封じられ、その間の情報もマスコミ各社のヘタレな対応で封じられ、結果として昨日の採決まで至ってしまった。問題は、その情報と時間の問題をどう克服するかにあると、今回のACTAの採決を見て思いました。

さすがに採決されたことにはがくっと来ました。ただ、ACTAは6カ国の批准が必要なので日本以外の5カ国の批准が必要ですので、まだ実行はされないというのが現状です。シンガポールやオーストラリアが批准しないで欲しいと願わずにはいられません。情けないことに、それが今の日本の民主主義だと思うと、我が国は民主主義後進国だと思います。TPPでは、こうならないようにしなければいけません。ACTAよりもTPPの方が人々の認知が広まっているし、サルでもわかるTPPなど分かりやすい説明もあるので、これをもっと広めていく事だと思います。今日で議会も会期末で1ヶ月停止します。その時間の間にできるだけ多くの人にTPPの危険性を広め、TPPは認めさせないことに集中するべきだと思います。
 
今回のACTAの採決で日本のガンは、マスコミと官僚の癒着構造にあるとつくづく思い知らされました。そして、その弊害を乗り越えないと、日本の明日は来ないと、昨日の採決で感じました。