SKY NOTE

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デタラメすぎる原子力規制委員会人事と将来のエネルギー比率

原子力規制委員会の人事が本日28日にも決まりそうだ。そこで、この原子力規制委員会の設置法の原本を見てみることととする。
 
 原子力規制委員会設置法
 http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g18001019.htm

今回の人事案の違法性を考える上で参考になる部分は、第7条の7項三にある。

第7条
 7 次の各号のいずれかに該当する者は、委員長又は委員となることができない。

    • 一 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
    • 二 禁錮以上の刑に処せられた者
    • 三 原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理若しくは廃棄の事業を行う者、原子炉を設置する者、外国原子力船を本邦の水域に立ち入らせる者若しくは核原料物質若しくは核燃料物質の使用を行う者又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)若しくはこれらの者の使用人その他の従業者
    • 四 前号に掲げる者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)又は使用人その他の従業者

田中俊一氏(原子力規制委員会人事で委員長に内定している)

この七条七項では、委員になることが出来ない人が列挙されている。このルールの問題点は、規制委員になれない仕事や役職を辞めた場合が規定されていないこと。政府の説明は以前の職を辞めたからいいんだという説明なので、やめれば事実上だれでもなれる事になる。ただし、広瀬氏が田中俊一氏らを告訴しているので、そこで有罪(禁固刑以上)となれば第七条7項の2号にある。「禁錮以上の刑に処せられたもの」に該当することになり、規制委員の人事からは外れることになる。しかし、日本の司法制度は腐敗しているので、よほど、高潔で公平な裁判官が、その裁判を担当しないと有罪には出来ないだろう。

ただ、原子力の専門家は、この条件のいずれかに該当する可能性が高く、後藤政志氏は、以前は東芝の格納容器の設計者だったので「原子力に係る、精錬、加工、貯蔵、再処理もしくは廃棄の事業を行うもの」に該当するかもしれない。しかし、政府の説明によると辞めればなれるとのことなので、既に東芝を辞めた後藤政志氏も原子力委員になれるということではないかと思う。この人事の問題は規制委員の人事に推進派の田中氏のような人材を入れてしまったこと。そして、「第八条 委員長及び委員の任期は、五年とする」とあり、この任期の間は、政治家でも手出しができない状態になる。その間、再稼働の許可が出まくる。原発は再稼働され、その5年の間に地震が起きたら日本だけでなく、世界が破滅という事にもなりかねない。

だから、原発をすべて止めるべきなのに、この国の原発は止まらない。政府のパブリックコメントで全体の87%が原発ゼロ(76800件)、という圧倒的多数の国民の意志が示されたのにもかかわらず、それは原子力規制委員会の人事では、それは無視されている。

 東京新聞原発「ゼロ」7万6800件 意見公募 集計結果 (2012.8.27)
 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012082790135709.html

その上、パブリックコメントの三択で示された内容に後出しじゃんけんで四択目があったようだ。

 エネルギー政策3選択肢 政府、いずれも採用しない新案も検討
 http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20120827-00000310-fnn-bus_all
 

パブリックコメントで極めて明確な民意が示されて、にっちもさっちも行かなくなったので、いずれの案も採用せず四択目を用意するというデタラメさ、そもそも三択を用意して国民に選ばせた自分たちの決定を、自分達自身で覆しているのだから開いた口がふさがらない。御用メディアの影響力が衰えていることが如実に分かった結果であった。ニュースでは、いずれの選択肢も採用せず、エネルギー毎に目標を設定するという民意を完全に無視した姿勢は、日本は民主国家ではなく、専門家という御用聞きを要する官僚主権国家であるといっているようなものである。自分の国がここまで民主国家として遅れた国であったかと思うと恥ずかしくなる。

基本的な原理原則も満足に守れない、こんなデタラメな連中に原発のようなシビアなものを扱わせるのは、極めて不安だ。