SKY NOTE

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ACTAは治安維持法の現代版

自分は、スポーツ全般に興味が無いので、オリンピックは、どうでもいいタイプ、メダルの数云々も、あまり興味が無い。しかし、興味のある人たちが熱狂している裏で、あの悪名高き治安維持法の現代版、ACTAが衆議院で採決され、可決されそうになっている事態は見過ごせない。

治安維持法とは、平たく言うと、情報統制である。通常、刑法には、刑罰の対象となる行為が明確に指定されている。そうしないと、恣意的な逮捕が可能となってしまうため、そういったことが必要なのだ。それをしないことは、刑法上タブーとされている。しかし、治安維持法は、コレが曖昧になっていて、しかも、非親告罪だった。親告とは、犯罪によって被害を被った人が告訴することによって、初めて犯罪として成立するという犯罪の発生条件である。非親告とは、被害者から告訴されなくても警察が犯罪だと判断すれば逮捕できる罪のことである。コレの何が問題なのかというと、曖昧な犯罪規定と非親告罪が組み合わさると、当局の恣意的な逮捕行為が可能になってしまうことなのである。

その構造は、平たく言うとヤクザのイチャモンと同じである。ヤクザのイチャモンの構造は、問題の拡大解釈+独自の判断基準による刑罰の規定と言える。問題の拡大解釈を、曖昧な法律の条文が可能とし、独自の判断基準は、被害者に告訴されなくても警察が独自に逮捕できる非親告罪という状態から生まれる。つまり、警察がヤクザになってしまうのだ。平和な時代に生まれた私たちは警察がやくざになる状態を知らない。だが、戦争中、治安維持法に苦しめられた世代の言葉を聞くと、それがいかに恐いものなのか分かる。あるいは歴史の本を読むと、非常に恐い法律だということが分かる。

 治安維持法を考える - 宮田汎さん
 
 歴史:昭和初期の日本(その1) 治安維持法は6分頃から
 

昭和初期、選挙法の制定と同時に治安維持法が制定されると、デモや抗議行動をする人間は、社会主義者とみなされ、数千人が逮捕された。そうやって政府に反抗する市民を弾圧していって、戦争に突き進んでいってしまった時代を作ったのが治安維持法である。現在、デモや集会の自由は憲法で保証されている。しかし、ACTAは、模造品の流通を阻止するという大義名分を掲げて、インターネットのプロバイダーに検閲義務を課し、ネットにおける自由な言論を封殺することを可能とする国際条約なのだ。そのような条約であるため、どこの国も批准せず、ヨーロッパ議会では大差で否決されたシロモノなのである。このACTAが既に日本の参議院で可決され、現在、オリンピックにまるで合わせたかのように衆議院で採決されようとしている。世界で最初にこんな法律を批准してしまったら、日本人の民度の低さが露呈し、世界の恥であると同時に、戦争に突き進む危険な兆候と見れなくもない。戦争でなくとも、とにかく当局に邪魔なものは、即、逮捕できる法的インフラを作り出してしまう非常に危険な法律なのだ。今の原発デモですらも、正確な情報があってこそ可能となっているのであって、本当のことを言う人間に警察がイチャモンを付けて恣意的に逮捕できるような法律があると、本当の事を言う人ほど、当局に片っ端から逮捕され、真実が人々に伝わらなくなってしまう。そういう事態になることは、過去の治安維持法の事を考えると想像に難しくない。

さらに問題なのは、ACTAは、国際条約であるため国内法と違って、脱退や修正が極めて困難であることだ。だから、TPPと同様に避けなければいけない法律である。なぜ、ACTAのような法律が出てきたのかといえば、日本を支配統治する上で有効に働いていていたテレビや新聞などの情報の支配がインターネットによって崩壊しかかっているからである。つまり、インターネット時代においても、情報を支配し、日本を支配しようという意図が、このACTAという法律には垣間見られる。このような非常にヤバイ法律が新聞やテレビでは報道されず、とにかく、オリンピックで人々が熱狂している最中に採決に向かおうとしているだけでも危険だ。もしかしたら、オリンピックが終わって、人々が金や銀のメダルの数に熱狂しているとき、日本の民主主義は既に死んでしまっているかもしれない。そういう事態を想起しなければいけないほど、ACTAは恐ろしい法律なのである。

ACTAが批准されると、どうなるかをケンシロウ風にいうと、

 ACTA:「アタタター! 民主主義よ、お前はもう死んでいる」
 
 民主主義:「ヒデブ!!」

 国民  :「オリンピックを見ていただけなのに、こんなことになるなんて...」

...みたいな感じである。情報は民主主義の生命線であり、それが破壊されることは民主主義の死を意味する。ACTAはそれのインターネット版である。幸いなことにまだACTAは批准されておらず、8月8日の野党の内閣不信任案の提出により、すべての議案が停止している今が最後のチャンスとも言えます。8月23日に首相官邸前でデモが予定されています。

 Office99(ACTAの反対デモの主催)
 http://office99percient.alternwcs.org/

できるだけ多くの人が、デモに参加し、このACTAを断固阻止し、日本の民主主義を守りましょう。原発問題でも、正確な情報があってこそ、人々を被曝から守ることができます。それがACTAがあるとできなくなります。当局に都合のいい情報しか出なくなるような社会、あるいは都合の悪い情報を流す人は逮捕される社会になってしまう前にブレーキを掛けましょう。今の政府は「食べて応援」なんぞという政府です。そんな政府に、ACTAのような情報統制を可能にする法律を批准させてしまったらどうなるか考えてみてください。ACTAは危険です。
 
 ACTA反対——クラーケンを止めるんだ[日本語吹替版&日英字幕]
 

2012年8月7日、首相官邸前のACTA抗議デモ
 首相官邸前で開かれたACTA抗議デモの様子(4月頃の原発デモと似ている)
 
 三宅雪子議員、ACTAの内容を知らないまま参議院が可決してしまったことを暴露
 
 2012 8 7 首相官邸前 ACTA抗議デモ 06
 
 ACTAの分かりやすい説明(19:58)