SKY NOTE

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発電方式の基礎知識

官僚に騙されないようにするためには、こちらも基本的な知識をおさえておく必要がある。相手は、コチラの知識の不足をついて、不安を煽ったり、懸念を加えることで、自分の都合のいいように状況を誘導して来る。そこで基礎的なデータを書くことにした。

まずは、発電効率やCO2の計算に必要な基本的な数値の表を見て欲しい。

各種エネルギー量 & CO2
         量       熱量    CO2   発電効率100% 実質効率
 石油(重油)1リットル  10000kcal 2.98kg   10.0kWh   38%
 石炭    1キログラム  7300kcal 2.41kg    7.3kWh   41%
 天然ガス  1㎥     13000kcal 2.70kg   13.0kWh   43%
 太陽光   1平方m/時                  1.0kWh   15%

太陽光発電
 日本の太陽光発電に使える日照量:平均1000時間

この数値があると、必要に応じて相場価格から、1kwあたりの燃料コストやCO2が算出できる。よくテレビで燃料コストが高いとか太陽光が高いというけれども、では具体的にいくらなのか、全然報道されない。自分が不思議だと思っているのは、衛星放送で海外のニュースを見ると必ず出てくる数字による説明が日本のニュースだと全くないことだ。日本のニュースでは、「燃料費が高い」「自然エネルギーは高い」とか、なんとか、言葉でしか伝えられない。「じゃぁいくらなんだ」とは、説明されないし、説明されても、原発村の一味の連中の情報は、大抵嘘が多い。数字を知っていると分かるのだが、それが報道されない。だから、高くなっているんだから仕方がないと皆思ってしまう。でも、それってオカシイのだ。本当はいくらなのか説明されて、じゃぁどれくらいのお金が必要なのかという具体的な話にならないといけないのだ。それが全く説明されず、原発を動かすとか何とかという話になっていることが極めがオカシイ。資源の価格は、世界市場で相場価格で決まる。その市場価格を元に、燃料費を割り出すと、石油は高いが、LNGや石炭は安い。送電コスト、発電施設を作るためのコストなど、それらを加味して計算して数値を出すと、なぜ電力会社が脱原発を避けようとするのか、数字でわかる。今日は、それについて説明したいと思う。そして、数値が説明されると結論が出てくる。日本の議論で結論が出ないのは、この数値が全く報道されないからだ。物事を定量化できないから結論が出ないのだ。何万人も集まっている金曜デモがNHKが報道しないように、私たちは、結論が割り出せる客観情報を伝えられずに、右往左往している。だが、数字を見れば何をするべきか一目瞭然となるのだ。そうすれば、連中の情報操作に負けなくなる。では、その結論が割り出せる客観情報について説明しよう。

各発電方式毎に特徴が異なり、その特性に応じて、その必要性が変わってくる。例えば、需要に対する出力の追従性から言うとLNG火力が最も高速に対応でき、次に石炭/石油、水力と連なる。水力は水がないと発電できない時があるので渇水時には動かせないことがある。

各発電方式の特徴
      出力の可変性     
 原子力    ×(基本的に固定)
 地熱     ×(基本的に固定)  
 水力     △
 石油火力   ◯
 石炭火力   ◯
 天然ガス火力 ◎(需要に対する追従スピードが早い)
 風力    不規則
 太陽光   不規則

次に燃料価格だが、これは市場価格で決まるので、市場から購入すると考えるべきであり、その値段交渉は市場価格を前提として考えるとよい。そこからすると、石油はとても高価な燃料なので、発電には向かないが、LNGや石炭は、比較的潤沢にある資源なので、値段が高騰しているとかそういうことは考えにくい。少なくとも、利益が出ないなんてことはない。こういう情報が公開されるか否かで結論が決まる。大規模デモが報道されないのと同様にこういう数字が伏せられているために、日本では原発村の思うとおりに議論が進んでしまうのだ。関電が原発を動かしたがるのは、燃料コストの安いLNG火力や石炭火力の発電設備が少なく、燃料コストの高い石油火力が多いからだ。そして、原発を止めてしまうと、減価償却の終わっていない原発設備のコストが損失となり、その上、廃炉コストがその上に重なり、莫大な債務となる上に、高額な石油を買わなくてはいけない、総括原価方式に、そのコストを組み込む以前に莫大な損失が発生し、利益も出ないので結果として関電は潰れることになる。これは原発に頼りすぎた関電という一企業の経営上の失策であって、日本に原発がないといけないという理由にはならない。関電を潰して、使える発電設備を残し、各電力会社に電力を融通してもらえば済むことである。

燃料価格
       燃料価格  
 原子力   安い(ウラン価格は不明だが、量的に圧倒的に少ない事は分かるので安い)
 地熱     タダ
 水力     タダ
 石油火力   49.1円/リットル (先物:東京原油 2012.7.16日現在)
 石炭火力    7.8円/kg(石炭価格:2011.6現在:ドル/80円)
 ガス火力   32.9円/立方m(ガス価格:2012.6現在:ドル/80円)  
 風力     タダ
 太陽光    タダ

      燃料毎の発電量  1kWhあたりのコスト
 石油火力 3.8kWh/リットル 12.9円/kWh(発電効率38%として計算)
 ガス火力 5.6kWh/立法m   5.9円/kWh(発電効率43%として計算)
 石炭火力 3.0kWh/kg    2.6円/kWh(発電効率41%として計算)
 電力価格       平均額:15.8円/kWh

この価格から見れば、石油火力は採算に合わない事がわかる。関電が経営難に陥るというのは、この石油価格に因る。しかし、東京電力などの他の電力会社はガスや石炭がメインなので、全体からすると、それほどでもない。照明を全てLEDに変えれば、1000億kWh節電できると言われており、その規模は高価な石油火力を全部辞めるのに匹敵するだけの規模である。これに送電コスト(1.75円)や発電所(発電方式毎に違う)の建設コスト、人件費、メンテナンスコストなどが加わる。電力会社の事業規模からすると、人件費やメンテナンスコストは、それほど大きくない。もっとも大きいのは燃料と設備コストの減価償却費、原発は、燃料費が安いが、設備コストが火力の10倍くらい高い。(原発100万kW 1基:1兆円)このため、原発を請け負うメーカーなどにとっては非常に美味しい市場である。電力会社は、とても高いものを気前よく買ってくれる上客なのだ。

LNG火力発電
 最新型コンバインドサイクル
  発電効率(51〜66%):1000億円
  減価償却費       :年間50億円×20年
原子力発電所
 100万キロワット
  原発1基        :1兆円
  減価償却費       :500億円×20年

原発をやめると、この減価償却費1基あたり500億円が丸ごと損失になり、その上に廃炉費用まで嵩むため、どこの電力会社でも脱原発には反対である。経営が傾くから。

 各発電方式毎の年間発電量(100万キロワットタイプ)
      稼働率 稼働時間(年)発電量
 原子力  60% 5256時間 53億kWh(点検、トラブル等で稼働時間が減る)
 石油   50% 4380時間 44億kWh(需要のムラにより稼働率が下がる)
 石炭   60% 5256時間 53億kWh(需要のムラにより稼働率が下がる)
 ガス   60% 5256時間 53億kWh(需要のムラにより稼働率が下がる)

発電効率が上がると、同じ燃料でも沢山の電力が作れるため、燃料の消費量を減らせる。
 ガス 43%→66%(1.43倍:7割の燃料で同じ発電量)
 石炭 41%→51%(1.24倍:8割の燃料で同じ発電量)

つまり、資源の輸入量はそのままでも最新式の火力発電設備を導入すれば、同じ燃料でも1.23〜1.43倍程度の電気が得られるのである。さて、原発の発電コストは、減価償却費で計算してみると、設備コストだけで年間500億円で、53億kWhしか発電しないのだから、9.4円/kWhである。6円/kWhなんて大嘘である。この上に送電コスト(1.75円)、人件費、メンテナンスコスト、原発は出力が一定なので需要に合わせて出力調整するための揚水発電揚水発電の蓄電効率は70%なので電力コストが1.5倍になる)などを合わせれば、最低でも12円以上になるはずである。火力発電よりも全然高いことが分かる。逆に減価償却を終えた原発は儲かる。だから、古くて危険な原発ほど電力会社にとっては非常に利益の出る発電設備なのだ。福島第一原発の事例を見れば、それが国家安全保障上、極めて由々しき事態であることが分かる。

一方、火力発電は、LNG火力だと53億kWh発電できる設備の減価償却費は年間50億円である為、1kWhあたりの設備コストは0.94円、燃料コストは5.9円だから、設備コストと燃料コスト合わせても、6.84円/kWhなのである。これに送電コスト(1.75円)が加わると8.59円となる。それに人件費とメンテコストが加わって総コストとなる。原発は、10.15円である。しかも1兆円もする設備のメンテコストは、最低、火力の10倍はするだろうから、メンテコストも無視できない規模であることが分かる。原発は高いのである。もっと言えば、最新式のガスコンバインド火力(発電効率66%)にすれば、必要な燃料が3割減るため、燃料費4.79円+設備コスト0.94円+送電1.75円となり、7.48円とさらに安くなる。石炭火力でも最新式は、必要な燃料が2割り減る。経済合理性を考えれば、原子力など全く利益にならないが、巨額の投資をした設備を放棄する事は、その時点で莫大な損失となり、各電力会社を倒産の危機に陥れるため、電力会社は自らの存在をかけて、脱原発を否定するのである。それに原発メーカーなど、巨大な原子力産業が加わり、そこにマスコミが連動してデマを流しているため、日本は原発がやめられないというわけである。

ではどうするか?日本国内の核の脅威から国民を守るためには、国家安全保障上の観点から、電力会社の経営から原発を引き離し、全原発廃炉にし、同時に国が廃炉を請け負うことを交換条件に電力会社の送電網を国が無料で引き取り、発送電分離をする。そして、高性能な最新式火力で当面の電力を供給し、省エネと自然エネルギーの導入によって、エネルギー自給率を高めるのが上策である。経済合理性もなく、国民の生命財産を危険に晒す原発を継続するなど下の下策である。馬鹿げている。

今すぐ脱原発は可能ってことが、今日の暑い日、日本中で原発がたった一基二基しか動いていないのに電気が足りていることから分かる。素直に考えれば小学生でも分かるんだが...
 

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