1.大飯原発再稼働のリスク
- 政府が大飯原発を再稼働しようとしています。しかし、この再稼働はあまりにもリスクが高すぎます。そこで、どういうリスクがあるのか書きたいと思います。
原発の耐震性能と最近の地震の揺れの強さ(ガル:揺れの加速度を示す単位)
福島第一原発 : 600ガル(設計基準:実際には460ガルで壊れた)
ストレステスト : 700ガル(近年の地震に対し、あまりにも過小な基準)
阪神大震災 : 818ガル(1995年)
大飯原発 :1260ガル(3〜4号機 耐震性能)
新潟県中越地震 :2516ガル(2004年)
東日本大震災 :2933ガル(2011年)
岩手・宮城内陸地震:4022ガル(2008年:観測史上最高/世界最大)
- 上記の数値から分かる通り、大飯原発は日本の最近の地震に対して、半分以下の強度しか無く、地震で壊れる可能性があります。つまり、メルトダウンのリスクがあります。(特に給水配管が地震でやられたらアウトです)
2.大飯原発がメルトダウンしたら、翌日には東京まで放射性物質が届く
- 大飯原発から飛ばした風船が翌日には370km離れた埼玉県まで届いている。
- 資料:グリーンピース:福井県大飯原発 放射性物質拡散予測調査.pdf
- http://www.greenpeace.org/japan/Global/japan/pdf/20120405_report.pdf
- これは、お天気の雲の動きと同じですね。西日本の雨雲が翌日に東日本に来ているみたいな感じです。そう言う感じで放射性物質が落ちてきます。しかも、福島と違うのは、福島では90%の放射性物質が海(太平洋)に落ちたのですが、大飯原発の位置からだと、100%近く本州の陸に落ちます。
- 放射能汚染範囲想定
- つまり、福島の10倍の放射性物質が落ちてくるのです。しかも、風下には9000万人もいるのです。これは日本の人口の70%に相当します。これだけの被害を及ぼす可能性のある原発を再稼働させるというのは、非常にハイリスクと言わざるおえません。
3.原発を動かさないと経済がダメになる?そんなことはありません。
- 停電で経済がだめになるというのならば、日本よりも停電が多い中国や韓国の景気は日本よりも悪くなっているでしょう。しかし、現実は逆です。日本よりも停電の多い中国や韓国の方が景気が良い。停電よりも、その国の競争力こそが重要なのです。現在の不景気は、むしろ、円高や輸出企業の競争力の低さにありあす。停電は、枝葉末葉の議論に過ぎません。輸出企業は、己の無能を他の者のせいにしているだけです。円高は、アメリカが通貨を刷ってドル安にしているので、日本も札を刷って円安にすればいいだけです。そして、刷ったお金を復興や自然エネルギーに投資するべきなんです。そうすれば、復興のために消費税を上げる必要もありませんし、電力の安定供給にも資するのです。問題は、そう言う事を日本の大手マスメディアが伝えないことです。彼らは日本の利益になることを伝えません。なぜかアメリカの利益になることばかり報道するのです。
- まず、原発がないと経済がダメになるという説明を、私がもし信じるとしたら、停電になる可能性が高く、それが長期間続くのならば、経済がダメになると言えるでしょう。しかし、電力が足りなくなる期間は、夏の12日程度、その内の4時間/日程度であり、大体、年間50時間程度なのです。つまり、たった50時間程度のピーク時の消費電力を減らせば、停電は避けられますし、また、その程度の時間であれば、古い火力発電所を動かしても、大丈夫なわけです。そして、万が一、その古い火力発電所が故障しても、予備率が大体、去年のピークに対して8%程度ありますので、その予備8%以内であれば、バックアップがありますので停電になることはありません。
- 日本の発電各社の脱原発後の発電出力とピーク時の消費電力(単位:万kW)
- では、なぜ経済がダメになると経済界は言っているのかというと、正確には、電力会社がダメになるという事なんです。日本経済ではないです。それは、原発の電力が安いからではありません。原発は設備コストは高いですが、燃料のウランは安いです。これが彼らの主張の肝です。つまり、設備の減価償却を終えた古い原発(危険な原発)ほど利益が出るのです。脱原発はこの金づるを一掃してしまうのです。その上、廃炉費用までかさみます。また、火力発電でも、石炭や天然ガスに比べて石油の燃料コストが圧倒的に高いので、これが電力会社の経営を圧迫します
- 1kWhあたりの燃料コスト(2012年想定)増加量は2010年比
- 天然ガス: 5.36円(発電効率43%と想定)増加量:1443億kWh(想定)
- 石炭 : 2.38円(発電効率43%と想定)増加量: 227億kWh(想定)
- 石油 :14.26円(発電効率38%と想定)増加量: 569億kWh(想定)
- 発電構成の変化(2012年の発電量を9000億kWhと想定)
- 2010年 2012年 増減量
- 原子力 3004億kWh 0億kWh −3004億kWh
- 天然ガス火力 2657億kWh 4100億kWh +1443億kWh
- 石炭火力 2323億kWh 2550億kWh +227億kWh
- 石油火力 811億kWh 1380億kWh +569億kWh
- 水力 850億kWh 850億kWh +0億kWh
- 自然 117億kWh 117億kWh +0億kWh
- 総発電量 9750億kWh 9000億kWh −750億kWh
- 想定増加コスト(2012年の総発電量が9000億kWhとした場合)
- 増加発電量 燃料コスト 燃料増加分の増額
- 天然ガス 1443億kWh 5.36円 7734億円
- 石炭 227億kWh 2.38円 540億円
- 石油 569億kWh 14.26円 8114億円
- 合計 2239億kWh 1兆6388億円
- 日本の電力単価と使用料
- 単価 消費量 総額
- 産業用 14.4円 7100億kWh 10兆2240億円
- 家庭用 21.0円 1900億kWh 3兆9900億円
- 合計 15.8円 9000億kWh 14兆2140億円
- コストアップ分
- 石油 14.26円/kWh − ガス 5.36円/kWh
- =8.9円/kWh
- コストアップ分:8.9円/kWh × 石油火力増加分569億kWh
- =5064億円
- つまり、脱原発をすると、電力会社が経営不振に陥るのです。だから、彼らは反対する。では、どうすればいいのか?まず、節電(省エネ家電、LED、断熱窓など)をしたり、自然エネルギーを導入して、割高な石油火力の分(1380億kWh:15%)の発電量を減らし、原発は国が引き取って廃炉にします。そのかわり電力会社は、保有する送電網(15兆円相当)を廃炉代金として国に譲り渡します。これによって、発送電分離をすると同時に電力会社の経営から原発が切り離され、電力会社の採算性は向上します。同時に電力の自由化競争が始まり、電力価格は下がります。つまり、脱原発後、電力価格は逆に下がるのです。日本経済はダメになりません。むしろ競争によって電力価格は下がり、同時に日銀引受による円安で輸出企業の競争力が向上します。脱原発は、電力会社の古いビジネスモデルの崩壊を意味するのであって、日本経済の崩壊ではないのです。
- つまり、原発の再稼働には、何の合理性もないのです。これからの日本は、発送電分離、総括原価方式の廃止による電力の自由化によって、むしろ電力価格は下がる。原発があると、地震のリスクがあるので、電力会社は、その安全対策にコストがかさみ、結果として電力価格が下がりません。つまり、原発があると、発電が高コスト体質になり日本の経済が逆にダメになるのです。最悪の場合、私達の生命が脅かされるわけです。ですので、このまったく倫理的に劣り、経済合理性の欠片もない大飯原発再稼働という愚行を阻止するために、皆さん、声を上げましょう。黙っていたら、この愚行を認めたことになってしまいます。これる方は今日の午後6:00、首相官邸前に来てください。そして、声を上げましょう。そうすることで、民意を示すのです。それをYouTubeなりTwitterで皆に伝えて、国会議事堂をうめつくしましょう。そうすれば、日本は変わる可能性があります。沢山の市民の声で、日本を変えましょう。
- このデモは、毎週金曜日の午後6:00から8:00までに首相官邸前で行われていて、直近の2012年6月15日(金)は11000人集まりました。テレビでは報道されなかったのですが、それを示す動画があります。Twitterなどで徐々にデモの参加者数が増えています。
- 6月1日:2700人 → 6月8日:4000人 → 6月15日:11000人
原発再稼働許すな!首相官邸前抗議/緊急拡散ツイートキャンペーン
日付 :毎週金曜日(いつもそうだから)次は6月22日(金)
時間 :午後6時より(8時に終了)
天気 :Tenki,jp:東京の天気予報
ブログ :http://twitnonukes.blogspot.jp/
場所 :首相官邸前(国会記者会館前)
交通 :千代田線:国会議事堂前駅 出口3番
南北線 :溜池山王駅
大阪:
【日時】毎週金曜日(いつもそうだから)次は6月22日(金)
【場所】関電本社前(大阪府 大阪市北区中之島3丁目6−16)