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脱原発で電力価格はどうなるか?

反原発
 短期:ピークカット(ピーク料金)、省エネ、老朽火力、コンバインドサイクル火力、水力
 中期:LED、スマートメーターインバーター制御モーター、鉄→プラスチック
 長期:太陽光、風力、バイオマス、地熱、都市の電子化(AIによる事務処理の自動化)

反TPP
 短期:日銀引受による円安誘導、農業補助金の拡充(飼料米
    資料:元財務官僚「(消費税)増税は財政再建ではなく"利権"のため」
 中期:自然エネルギー設備の輸出、バイオ石油の開発、電気自動車の普及
 長期:エネルギー、食料、資源の国内自給(内需85%→内需95%へ)

反消費税
 短期:日銀引き受けによる財源確保(復興、福島県民移住、全国の都市の耐震化)
 中期:地方公務員4割カット、国家公務員2割カット(720万円→400万円)
    資料:復興税ではなく公務員給与削減が先だ
 長期:公務員の新規採用カット

反対ばかりしていて、代案がないと言われかねないので、反対した場合、どうするか、短期、中期、長期と分けて、何をするべきか書いてみた。反原発では、国内の火力発電の規模から言えば、大丈夫なのである。ヨーロッパと違って日本は島国なので、原発が止まってしまうと、他の国から電気を融通することが出来ない。そこで日本は、原発と同等規模の火力発電を併設することで、原発を導入してきた。結果、原発が全て止まっても、それをカバーできる火力発電所がすでにあるのである。そこでどれだけ燃料コスト増加したのか試算してみた。2012年の日本の総消費電力を9000億kWhと仮定した。2010年との比較を展開する。燃料価格は国内相場価格を参考にしている。

発電構成の変化(2012年の想定発電量を9000億kWhと想定)

    2010年   2012年   増減量
原子力  3004億kWh     0億kWh  -3004億kWh
天然ガス火力  2657億kWh  4100億kWh  +1443億kWh
石炭火力  2323億kWh  2550億kWh   +227億kWh
石油火力   811億kWh  1380億kWh   +569億kWh
水力   850億kWh   850億kWh     +0億kWh
自然   117億kWh   117億kWh     +0億kWh
総発電量  9750億kWh  9000億kWh   -750億kWh

 
これを見ると、大体、天然ガス火力、石油火力、石炭火力の順に増加していることが分かる。この増加量に今度は1kWhあたりの燃料代を重ねあわせればコストが計算できる。

1kWhあたりの燃料コスト(2012年)増加量は2010年比(想定)
 天然ガス: 5.36円(発電効率43%と想定)増加量:1443億kWh
 石炭  : 2.38円(発電効率43%と想定)増加量: 227億kWh
 石油  :14.26円(発電効率38%と想定)増加量: 569億kWh

これを見ると分かる通り、石油が一番コスト効率が悪いことが分かる。石炭が最も安い。電力料金で問題になるのは、石油火力の部分である。この分を節電すればよい。ある意味、節電すればするほど、コスト効率の悪い石油火力を使わなくて済む。そこで、だいたいどの程度増えているか想定する。これは、2012年の日本の消費電力が9000億kWhと想定して計算している。

想定増加コスト(2012年の総発電量が9000億kWhとした場合)
       増加発電量   燃料コスト  燃料増加分の増額
 天然ガス 1443億kWh   5.36円   7734億円
 石炭    227億kWh   2.38円    540億円
 石油    569億kWh  14.26円   8114億円
 合計   2239億kWh         1兆6388億円

日本の電力単価と使用料

       単価     消費量        総額
 産業用  14.4円  7100億kWh  10兆2240億円
 家庭用  21.0円  1900億kWh   3兆9900億円
 合計   15.8円   −−−−−−  14兆2140億円

 
電力料金は平均15.8円と計算できます。問題は、これが採算が合うかどうかという事です。天然ガス(5.36円/kWh)や石炭(2.38円/kWh)の燃料代では利益が出ます。石油火力の燃料代(14.26円)だと採算は合いません。ここが肝です。重要なのは、石油火力分の節電をすれば、利益が出ていない部分は消滅するのです。しかも、燃料代として顧客が負担する分は、燃料代全てではなく、コストアップした部分のみを見るのが妥当でしょう。そこから考えると、天然ガスと石油のコストを計算しますと...

 石油 14.26円/kWh − ガス 5.36円/kWh
 =8.9円/kWh

 コストアップ分:8.9円/kWh × 石油火力増加分569億kWh
 =5064億円

この5064億円が燃料費として、コストアップした額だと計算できます。これを東京電力管内の消費電力を3000億kWh(2012年想定)と仮定して計算しますと1.688円/kWhとなります。このコスト負担を全国(9000億kWh)に広げますと0.563円/kWhとなります。

では、コストの高い石油火力増加分の569億kWhをどうやって節電すればいいのでしょうか?これに最も効果があるのはLEDです。日本の照明の電力消費量は1506億kWhです。

日本の消費電力の16%(1506億kwh)が照明に使われています。
 家庭部門: 382億 kWh
 業務部門: 891億 kWh
 産業部門: 233億 kWh
 合計  :1506億 kWh

LEDは、蛍光灯と発光効率(100lm/w)はだいたい同じですが、大抵の照明は、照明の直下180度程度を照らせば良いのですが、蛍光灯は、360度照らしてしまいます。つまり、使わない方向にも光を出してしまっているのです。これにより、50%の光が無駄になっています。さらに蛍光灯は発光するのに安定器というものが必要で、これが蛍光灯の電力消費を30%程度あげています。これを比較しますと、以下のようになります。

      消費電力  安定器  合計
 蛍光灯   18W  5W  23W
 LED    9W  なし   9W

 
LEDは光を無駄な方向に照らさないので、半分の光量でよく、安定器も必要ないので39%程度の電力で同等の照明効果が得られます。つまり、現行技術でも6割程度節電できるのです。その節電効果は、1506億kWh×61%=919億kWhにもなります。つまり、日本の照明の62%をLEDにすれば、569億kWh節電できたことになり、電力会社は採算の合わない火力発電を2010年水準に戻すことが出来、電力料金の値上げは必要ないのです。しかもLEDの発光効率は年10〜20%ずつ上がってきていて、さらに節電も可能です。もっと言いますと、LED:919億kWhと他の省エネで、石油火力1380億kWh(2012年想定)節電できますと、採算性の悪い石油火力発電を全て放棄することが出来、原発のあった2010年以上に採算は良くなります。そして、夏場のピーク電力は太陽光発電スマートメーターを普及させ、ピーク電力価格を設定すると、余計な発電設備を増設すること無くピーク対策ができ、さらに採算性は上がります。つまり、そろばんを弾けば、脱原発をしても、採算が合うのです。だれもそろばんを弾かずに議論することのほうがおかしい。

では、原発廃炉はどうするのか、これは国策で進めた原発政策なのですから、国が後片付けをするべきです。その際に、考えられるのは、廃炉費用分として、電力会社から送電網15兆円相当を国に引き渡すことが妥当だと考えられます。これによって電力会社は、採算の合わない原発を経営から分離することが出来、国は原発廃炉を引き受けると同時に送電会社を一本化し、日本送電公社を設立、発送電分離をし、送電コストは全国一律の価格になり、同時に総括原価方式も廃止して、発電会社間で競争させることが可能になります。石炭や天然ガスの燃料価格から想定すれば、電力価格は上がるどころか、下がるはずです。なぜなら、火力発電のコストの大半は燃料費ですから。発電設備のコストは燃料費に比べれば大したことありません。このようにすれば、日本の電力コストは、上がるのではなく下がっていきます。日本の電力コストを押し上げていたのは、地域独占による送電料金の高さ、総括原価方式、石油火力発電と原発だったのです。節電によって無駄の多い原発や石油火力を放棄し、総括原価方式をやめて競争させれば、電力価格は今よりむしろ下がるはずです。
 
つまり、経済的に見ても原発を維持することには何の合理性もありません。ですので大飯原発再稼働は全くもって愚行であり、やるべきことではないのです。日本は世界の大地震の20%が起こる国です。そういう国で原発を動かすことがいかに危険であるかどうかは、福島第一原発を見れば明らかです。

原発は再稼働するべきではありません。声を上げましょう。今日の午後6時、首相官邸前で原発反対のデモがあります。このデモは首相官邸前で毎週金曜日の午後6時にやっており、先週の6月8日のデモには4000人が集まりました。6月1日のデモでは2700人だったので、約1.5倍に増えています。黙っていたら、この愚行を認めたことになってしまいます。皆であつまり、来れる人は、とにかく来て声を上げましょう。
 
原発再稼働許すな!首相官邸前抗議/緊急拡散ツイートキャンペーン
 日付  :2012年6月15日(金)
 時間  :午後6時より(8時に終了)
 天気  :Tenki,jp:東京の天気予報
 ブログ :http://twitnonukes.blogspot.jp/2012_06_03_archive.html
 場所  :首相官邸前(国会記者会館前)
 交通  :千代田線:国会議事堂前駅 出口3番
      南北線 :溜池山王駅

大阪:
【日時】6/15(金)18〜20時予定
【場所】関電本社前(大阪府大阪市北区中之島3丁目6−16)

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